福利厚生の育休について|女性があんしんして育休を取得できるように
すでに妊娠をして出産を控えている、または近い将来、出産を考えながら企業で働いている女性社員としては「福利厚生のひとつでもある育児休暇も取得できるのか」「今後も働きたいが、育児休暇は取れるのだろうか」「育児休業が終わりそうなので、仕事復帰を考えているが大丈夫だろうか」などの不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
男性社員にしても、これからのキャリア、ワークライフバランスや働き方を考えていく中で、「自分も育児休暇がとれるのか」「不利になったりしないか」と考える場面が出てくることでしょう。
現在は、男性にも積極的に育児休業を取得することを促進する企業が急増しています。育児休暇は男女に関わらず、子育てをしながら仕事をしている従業員が、仕事と家庭の両立をしやすくなるよう支援をするものです。
本記事では育児休暇がどのような制度なのか解説し、また近年、育児休暇を促進している企業が増えつつある中で、企業側にどんなメリットがあるのかご紹介します。
目次
1.育児休暇について
まずはじめに本記事での「育休」について、意味を確認しておきましょう。
よく”育休”と略されているため、「育児休業」と「育児休暇」が混同されていることがありますが、異なるものです。
「育児休業」は、育児・介護休業法第2条で定められた法定の制度です。
通常、「育休を取得する」「育休復帰」などのように使われる、「出産後1年程度、女性従業員が仕事を離れること」「配偶者の出産後、男性従業員が一定期間育児のために仕事を離れること」は、こちらの育児休業を指します。
法定制度ですので、適用範囲や運用は厳格に定められており、労働者の権利です。従業員が希望するのに取得させないことは法令違反になります。一定の条件を満たせば、雇用保険からの給付金も支給されます。
育児休業を定めた法律である「育児・介護休業法」については以下を参照してください。
「育児目的休暇」は、育児・介護休業法第24条により育児に関する目的で利用できる休暇制度です。
法律に記載はありますが、会社の努力義務とされており、会社の規定がなければ利用できませんし、会社に規定がなくても、法令違反ではありません。
対象者や休暇の範囲は企業で自由に設定ができ、有給休暇・無給休暇どちらにするかなど、その運用の詳細は企業にゆだねられています。労働基準法に規定する年次有給休暇以外の休暇であり、特別休暇として従業員の福利厚生制度の一環です。
ただし、「育児休業」「育児休暇」どちらも、正社員の離職を防ぐ(=復職)ことがひとつの目的であり、仕事と育児を両立できるようにするための制度でもあります。
本記事では「育児休暇」について解説していきます。
1.1 育児休暇にはどんなものがあるか
育児休暇と育児休業が異なるものだとご理解いただいたうえで、良く知られている育児休業ではなく、「育児休暇」にはどういうものがあるのか、例で見ていただきましょう。
・配偶者出産休暇
配偶者が出産した際に、病院の入院・退院、出産等の付き添い等のため、パートナーである従業員が取得できる休暇です。1日~1週間程度で企業により取得できる日数に差があります。
給与の取り扱いは、有給の場合、無給の場合、何日までは有給など日数による場合などがあります。
取得可能な期間は、配偶者の出産日から2週間~1ヵ月以内に限られている場合が多くなっています。出産予定日の前から休暇が取れる場合もあります。
・子の行事参加のための休暇
「スクールイベント休暇」「学校行事休暇」などの名称で、養育している子どもの授業参観や運動会など、学校行事への参加を理由に取得することができる休暇です。
「スクール」「学校」とついていますが、通常は保育園や幼稚園の行事も対象です。
取得可能な期間は、小学校卒業まで、高校卒業までなど、設定する企業により幅があります。
無条件で年に3日までなどとされるケース、授業参観なら1回につき0.5日×年2回、運動会なら1日×年1回など、細かく決まっているケース、取得1ヵ月前までの申請必須のケースなど、企業によって様々です。有給、無給の取り扱いも企業ごとに異なります。
1.2 育児休暇を取得するには
育児休暇は、会社で定められた規定ですので、取得する場合は、取得の条件を確認し、取得ルールに則って正しく申請、取得する必要があります。
せっかく企業が設けている制度ですので、趣旨をよく理解したうえで、積極的に取得するのが良いでしょう。
ただし、法律で定められている有給休暇制度とは異なり、従業員全員が平等に取得できるものではありません。取得の際は、「制度があるのだから使って当然!」ではなく、予め周りの方との業務の調整をするなど、社会人としてのマナーを忘れないようにしましょう。
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2.育児休暇取得を促進する企業のメリットとは
育児休暇の取得を促進している企業は近年増えつつあります。それは企業側にとっても非常に多くのメリットがあるためです。今回は育児休暇取得を促進するにあたって、なぜ企業側にもメリットがあるのかいくつかご紹介いたします。
2.1 離職率が下がる
育児休暇を企業が促進することによって、従業員は安心して休暇を取得することができます。
ひと昔前までは、女性が妊娠した場合などは「休業」ではなく「退職」が多かった時代もありました。また、男性にとっても、権利である「育児休業」を取得するだけで、「出世コースから外れてしまう」などの声は、まだまだ解消できていません。
しかし、企業が育児休業のみならず育児休暇を設け、両立支援を推進する姿勢を見せていくことで、従業員も安心して育児と仕事の両立に取り組むことができ、企業側にとっても離職を防ぐことが可能です。
これから就職活動を行う求職者にとっても、企業を選ぶ判断材料のひとつとして候補に挙がるのではないでしょうか。
2.2 外部に良いイメージを与えやすい
育児休暇を促進することによって、周りの方に良いイメージを与えることができます。
今や育児休業が取れない企業などはブラック企業として論外ですが、プラスで育児休暇をも促進しているとなれば、恩恵を受ける従業員のみならず、取引先や投資家など社外のステークホルダーにも、従業員を大切にする「ホワイト企業」であるとのアピールをすることが可能です。
加えて、従業員だけを大事するのではなく、社員を含む家族を大事にしているということにもなります。これが良い評判となり、企業のブランドイメージも上がっていきます。
2.3 復帰後即戦力としてあらたに力を発揮してくれる
離職を防ぐことができるようになるため、一から新しい社員に対して研修や指導をする必要がなく、社内事情もある程度把握していることによって即戦力として力を発揮してくれる可能性が非常に高いでしょう。
新人が入社することのメリットもありますが、時間とコストを考えた際に、これまで働いて社内事情を把握している社員が戻ってきてくれる方が、時間とコストを抑えることができ、また採用コストがその分かかりませんので、経費が削減できます。
2.4 生産性向上が見込める
育児休暇を利用することができれば、有給休暇の利用を育児のために全部回さなくてもよくなり、有給休暇をリフレッシュのために使える場合も増えるでしょう。適度にリフレッシュすることで生産性の向上を見込むことができます。
また、会社の支援があることは、両立に悩む従業員の心理的安全性の確保にもつながり、その点でも生産性に寄与すると考えられます。
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3.育児休暇を導入する企業に求められること
3.1 育児休暇制度の周知
育児休暇は法定の制度ではなく、企業ごとに制定されているため、積極的に周知する必要があります。
制度の対象従業員に向けては「知らなかった」「知っていれば使ったのに」とならないため、また会社全体に向けては、制度に対する認識を深め、制度を利用しやすい風土を醸成するためです。
前章で紹介した導入のメリットを十分に受けるために、社外への発信も同じく求められます。
3.2 ハラスメントの防止
法定の育児休業制度よりも、育児休暇に関してはさらに社内の理解を高める必要があります。
育児休業ですら、いまだに不利益な扱いを受ける場合もある中で、それ以上の両立支援策である育児休暇の取得については、より強く、会社の姿勢を打ち出して、現場に理解を求める必要があります。
出産育児をきっかけにするハラスメントは、マタハラ(マタニティハラスメント、妊娠・出産・育休取得をきっかけとした女性従業員への不利益な扱いや嫌がらせ)、パタハラ(パタニティハラスメント、育児時短・育休取得をきっかけとした男性従業員への不利益な扱いや嫌がらせ)と独立したワードが定着するほど、社会で頻繁に起こってきました。
制度やその趣旨を社内外に周知するだけでなく、研修や説明会などでのマネージャー層への浸透、ハラスメント初期での相談窓口設置など、具体的な手立てを講じることが必要と言えます。
3.3 制度利用へのサポート
企業独自の制度のため、恣意的に利用されたり、現場から「制度をなくしてほしい」という声が上がったりしないよう、利用する従業員だけでなくその従業員が所属する現場へのサポートが求められます。
利用の際の手続きについて詳しい手引きや解説文章を用意する、対象従業員には個別に利用のルールを説明する、現場への調整や一定期間前までの申請ができるよう働きかける、休暇取得のせいで残業が大幅に増える従業員が出ないよう目を配るなど、具体的な働きかけが求められる場合があることに注意しましょう。
4.まとめ
本記事では、育児休暇の内容と、従業員が安心して取得できるようにするための対応について解説してきました。 介護・育児・自己啓発・健康増進・旅行やエンターテイメントなど、多彩なメニューがパッケージとなっている福利厚生サービスです。
人手不足の企業、職場が増えている昨今、子どもを育てている従業員が「子持ち様」と呼ばれてしまうなど、分断の動きがあることは見逃せません。
育児休暇を導入するメリットを十分に享受し、子どもがいる従業員だけでなく職場全体が活性化し、長く働き続けられる、安心して職場復帰ができる環境を作ることが重要となっています。充実した福利厚生を目指すなら「WELBOX」
従業員のライフスタイル・ライフステージに応じて、メニューを選択しご利用いただくことが可能です。
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