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(公開:2022/02/24)

選択型福利厚生制度 ~カフェテリアプランの仕組みとメリットや費用について解説~


選択型福利厚生制度 ~カフェテリアプランの仕組みとメリットや費用について解説~

「選択型福利厚生制度」という言葉を聞いたことはありますか? では「カフェテリアプラン」という言葉の意味は理解していますか? 実は両方とも同じ意味の福利厚生用語となります。

 

福利厚生初心者の方や、自社でカフェテリアプランを導入していない企業の方は、「カフェテリアプラン」とは社員食堂の運営や給食補助のことかと勘違いしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。本記事では「カフェテリアプラン」の基礎をしっかり理解し、メリットやデメリットを把握したうえで、今後、自社に導入すべきか判断の一助としていたたければ幸いです。

         

1.カフェテリアプラン(選択型福利厚生制度)とパッケージサービスの違い

福利厚生というと、福利厚生サービス代行業者が提供する「パッケージサービス」をイメージする方が多いのではないでしょうか。近年では、このパッケージサービスを業者に外注して、運用する流れが一般的になりつつあります。

福利厚生のパッケージサービスを導入している企業というと、かつては、大企業や儲かっている企業が導入している、というイメージがありましたが、中小企業や人数の少ない団体でも、手頃な金額で導入可能な豊富なプランも増え、身近なものとなりつつあります。それに対して、カフェテリアプラン(選択型福利厚生制度)となると、中小企業では、まだまだハードルが高いと思われている企業の担当者も多いようです。

本章では、カフェテリアプランとパッケージプランのそれぞれのサービスのメリット・デメリットを解説します。自社では導入が無理だと思っていたカフェテリアプランの運用が、社内の現体制や状況に合致している場合があるかもしれません。

          

1-1.カフェテリアプランのメリット・デメリット

カフェテリアプランとは、会社が従業員に一定のポイント(予算)を与え、会社が設定した福利厚生の補助メニュー(育児補助、介護補助、自己開発補助、住宅補助、スポーツ補助、検診補助、予防接種補助、旅行費用補助、レジャー補助など)の中から、従業員一人ひとりがポイントの範囲内で、自分に合ったメニューを自由に選択して利用できるプランのことをいいます。この説明で分かる通りカフェテリアプランを和訳すると「選択型福利厚生制度」とも言います。新型コロナウィルスの影響で、働き方も急速に多様化し、カフェテリアプランを採用する企業も増加傾向にあります。

 

①   カフェテリアプランのメリット


ここでは、カフェテリアプランを導入した際のメリットを解説します。従業員にとっては、魅力的な福利厚生制度に映るのではないでしょうか。

  • 従業員に対して予め決まったポイントを事前に付与するため、費用が明確になり、予算が取りやすくなります。
  • 年齢、家族構成、勤務地や職種など変化する従業員のニーズに対応することが可能となります。
  • 従業員がニーズにあったメニューを利用後に申請をし、その申請ポイント分が給与支給時にキックバックされるため満足度が向上します。
  • 企業理念や従業員のニーズ応じて、企業独自のカフェ制度を作っていくため、福利厚生が充実していることを、採用時や対外的にアピールすることができます。

 

   カフェテリアプランのデメリット


従業員からみると魅力的に感じるカフェテリアプランも、デメリットもあります。特に導入する際は、ざまざまな事に注意をはらわなければなりません。

  • 導入の際は、ポイント管理のシステム開発・構築のための時間や費用、導入後の審査等の運用手間など様々な運用コストが発生します。
  • ポイント費用を捻出するためには、既存運用している制度の見直しが発生します。その際、労働組合との度重なる労使交渉をおこない、労使ともに納得のいくプランの構築までに時間を要します。
  • 導入後も従業員のニーズにより、随時メニュー・ポイント数などの変更が必要となり、状況に応じて、柔軟に運用フローなどを変更していく必要があります。
  • 補助メニューにより課税・非課税が混在することがあります。事前に管轄の税務署へ相談・確認を行い、誤った設定を防がなければなりません。
          

1-2.パッケージサービスのメリット・デメリット

パッケージサービスとは、福利厚生サービス代行業者がすでにまとめて、パッケージ化されている福利厚生メニュー(育児、介護、自己開発、住宅、スポーツ、健康、グルメ、旅行やレジャーなど)の中から、従業員が自分の好みのサービスを選んで利用するプランことです。これらのメニューを利用すると特典が受けられ、サービスや商品などが5%~20%程度割引になったり、初回費用や入会費用が無料になったり、プレゼントが貰えたりします。

 

①   パッケージサービスのメリット


パッケージサービスにはどのようなメリットがあるのでしょうか。具体的には、以下のようなことがあげられます。

  • すでに福利厚生に適したメニューが豊富に揃っているため、導入時に時間と手間がかかりません。解約せざるを得ない時も、スムーズに解約することができます。
  • 会社として利用促進させたいメニュー(健康促進メニューなど)に、会社負担で補助金を付与することも可能なため、従業員は利用特典と併用して補助が適用されるため、お得感が強くなります。
  • 一人あたりの月会費が明確で、年間予算が明確なため会社の予算が取りやすくなります。

 

   パッケージサービスのデメリット


パッケージサービスにもデメリットはあります。導入の際は、以下のようなことも注意して検討した方がいいでしょう。

  • 利用したいメニューでも、特典の割引額が全体的に低く、自己負担額が多くなってしまうため、情宣活動を活発に行うなどして利用率維持・向上の努力が必要となります。 また、利用が少ないない状況で、コストだけが発生してしまうという場合もあります。
  • ニーズに合致したメニューがある従業員は頻繁に利用し、興味のあるメニューがない従業員は全く利用しないという現象がおこり、従業員によって恩恵を得ていると人とそうでない人とで不公平感が発生する場合があります。
  • 近年では様々な無料サービスサイトが出回り、割引クーポンを手軽に利用できるようになったため、以前と比較するとパッケージサービスの魅力が下がる傾向にあります。
              

2.カフェテリアプランとは?

カフェテリアプランとは前章でも解説した通り、会社が従業員に一定のポイント(予算)を与え、会社が設定した福利厚生の補助メニュー(育児補助、介護補助、自己開発補助、住宅補助、スポーツ補助、検診補助、予防接種補助、旅行費用補助、レジャー補助など)の中から、従業員一人ひとりがポイントの範囲内で、自分に合ったメニューを自由に選択して利用できる「選択型福利厚生制度」のことをいいます。本章ではカフェテリアプランの具体的な仕組みや歴史を解説します。

          

2-1.カフェテリアプランの仕組み

カフェテリアプランを福利厚生代行業者に運用を委託した場合の仕組みは、次の図のような仕組みになっています。このカフェテリアプランの構築・運用・改善を自社内だけで対応するのは相当な時間と労力とコストが発生するため、外部の福利厚生代行業者に委託するのが一般的となっています。





          

2-2.カフェテリアプランが始まった理由

「カフェテリアプラン」は名前の通り、さまざまな食事や飲み物のメニューから食べたいものを選んで注文できる「カフェテリア」に由来しています。要するに個人のニーズに即したものを個人が自由に選択するという、根本的な主旨が共通しています。

カフェテリアプランは、アメリカで福利厚生制度として1970年代に誕生し、1980年代に広まったと言われています。当時は従業員のニーズが多様化し始めたため、企業がそれぞれのニーズに合った福利厚生を提供できるよう、新しい福利厚生の仕組みがつくられたのです。

日本では1995年にベネッセコーポレーションが福利厚生として初めて導入したといわれています。その後、日本も従業員のニーズや価値観の多様化により、カフェテリアプランを導入する企業が増加傾向にあります。

          

3.カフェテリアプラン導入の4つのメリット

前章でも簡単に解説しましたが、本章では4つに絞ってカフェテリアプランのメリットを解説します。

          

3-1.公平性の維持

パッケージサービスのような画一的な福利厚生サービスとは異なり、カフェテリアプランは社員一人ひとりが自分の立場やライフスタイルに合わせた福利厚生サービスを範囲内で自由に選択できます。そのため、誰かがたくさん福利厚生サービスを利用し優遇されていて、誰かは使いたいサービスがなく優遇されていないといった不公平感が減少します。

      

3-2.従業員のニーズに対応

カフェテリアプランが浸透するまでの日本の福利厚生サービスは、基本的に企業が従業員に対して一方的に与えるだけのものでした。それに対し、カフェテリアプランを導入することにより、従業員が自分のニーズに合った、本当に必要な福利厚生を選べるようになります。また、その企業の中でも、少数の従業員が求めているサービスをメニューに追加・設定することが自由にできるため、社員の満足度向上にもつながります。

      

3-3.福利厚生費の明確な予算の確保

カフェテリアプランでは、年度始めに従業員一人ひとりにポイントを付与します。さらにカフェテリアプランの運営管理を代行会社に運営を委託する場合は、ポイント管理料(手数料)として、一人あたりの月単価も発生します。年間の予算上限は「社員数×年間付与ポイント」+「社員数×月管理料単価×12か月」となるため、事前に予算が明確になり、上限額を事前に確保できるようになります。

パッケージサービスの場合、いくつかのメニューに補助設定をした場合、どれだけ利用されるか明確にならないため、補助金額を暫定で予算確保した場合、予想以上に利用されて予算を上回ってしまうこともあり得ます。

      

3-4.企業からのメッセージを浸透

企業は自由にカフェテリアプランのメニューを設定できるため、カフェテリアプランを導入すること自体が、従業員に対して求めていることをメッセージとして伝えることができます。たとえば企業が「健康の維持・促進に励んでほしい」と望んでいる場合、「スポーツクラブ補助」とか「予防接種補助」のようなメニューを設定するのが理想的です。

また、自社の福利厚生のトップページに、社長の言葉として「なぜカフェテリアプランを導入したのか、どういった主旨でこれらの補助メニューを設定したのか」などのメッセージを明記すると、従業員たちにとっては導入の主旨を一層理解しやすくなります。

        

4.カフェテリアプラン導入の費用

従業員のライフスタイルに合わせた豊富な補助メニューを完備したカフェテリアプランを、自社でシステムの開発から運用まで全て賄おうとすると、莫大な時間と労力と費用が発生します。よってカフェテリアプランに秀でた知識を持ち、福利厚生業務の代行をおこなうアウトソーシング会社に委託をし、知識を共有しながらスムーズに運営を開始するのが望ましいでしょう。

本章では福利厚生業務代行会社にカフェテリアプランの開発・構築・運用を委託した際の一般的な費用をご案内します。なお、カフェテリアプランだけでは福利厚生として補えない部分もあるため、パッケージプランと併用して導入する企業が多く見られるため、平均的な費用をご案内します。


※引用元:アイミツ「福利厚生代行の平均費用と料金相場」https://imitsu.jp/cost/welfare/

        

5.カフェテリアプランの導入までの流れ

これまで解説してきた通り、カフェテリアプランを自社だけで構築し、運営管理していくことは非常に困難です。導入に向けて何をどうするのか、福利厚生制度全体を見直す必要があるのか、注意すべき点は何なのかといったことを、全て自社内で対応することは容易ではありません。かえってコストがかかってしまうことになってしまうかもしれません。

そこで専門の福利厚生代行会社に依頼し、現行制度の分析から評価、棚卸しをするところからスタートします。一般的に以下の流れでカフェテリアプランの構築をすすめていきます。



①    現状把握


まず、現状把握を目的に従業員アンケートを実施します。その結果、たとえば子育てや介護と両立して働いている従業員の意見が多ければ、両立支援サポート制度の強化を検討する必要があります。さらに、現在、福利厚生制度費用としてどの程度費用をかけていて、そのうち制度廃止・縮小する費用がどれくらいになるか、などカフェテリアプランの原資捻出のために棚卸しを実施します。

 

②     整理・見直し


現状制度の把握をした後には、社会環境、会社方針、従業員要望の観点を考慮しながら「福利厚生理念」「制度見直しの方針」「新制度導入の検討」を進める必要があります。ここが福利厚生制度見直しの大方針となり、最も重要な箇所となります。

 

③    社内調整


まずは上程資料の作成が必要となります。社内用の上程資料は、社内の各種データ・情報をとりまとめ、資料化する必要があるため大変な作業となります。その後、社内調整のために関連部署との打ち合わせを開催します。関連部署や労働組合様との打ち合わせは様々なご意見が出てくるため、思うように進めることが出来ず大変な業務になることもあります。

 

④    従業員への説明


福利厚生制度を変更する場合、従業員へ変更の経緯の説明や、会社からのメッセージを伝える必要があります。それと併せて新サービスの告知資料やご利用方法・マニュアルの展開も必要となります。カフェテリアプランの新制度を全従業員に浸透させ、利用率を伸ばしていくためには、分かりやすく自分たちにプラスになるものということをアピールすることが重要となります。

 

⑤    運用開始


カフェテリアプランなど新しい制度をスタートする際に、説明会を実施しマニュアルを配布したから終わりと考えず、従業員へ継続して発信していくことが重要です。会社のイントラネットなどを活用し、季節ごとに利用が多くなる補助メニューの利用方法などを紹介するなどし、様々な工夫をして制度の浸透を心がけていくことが大事なこととなります。

         

6.カフェテリアプランの注意点

カフェテリアプランは企業側と従業員双方にとって大変魅力的なものですが、注意しなければならない点も多くあります。本章では、導入する際に注意しておかなければならない注意点をまとめて解説します。

      

6-1.課税・非課税が混在

カフェテリアプランに設定する補助メニューには、給与とみなされて課税対象となるメニューと非課税メニューが混在するため、新しくサービスを開始する際、またはメニューを追加する際は、都度、条件を確認する必要があります。少しでも不安な箇所がある場合は、事前に税理士や管轄の税務署へ相談し、明確にしてからサービスをスタートしなければなりません。

※国税庁のホームページ「カフェテリアプランによるポイントの付与を受けた場合」にて詳細を解説していますので、一読することをお勧めします。

       

6-2.運営管理に手間がかかる

 カフェテリアプランでは、従業員に付与するポイントの管理をするためのシステムが必要となります。しかし、このような管理システムを自社で開発するのは、手間とコストがかかります。さらにシステムが完成し、運営が開始したあとも、メニュー内容の変更などにより、設計変更も随時必要となり、都度コストが発生します。従業員にあった福利厚生のメニューを設定し継続していくには、それなりに手間とコストがかかるのです。

また、カフェテリアプランの基本は、従業員が範囲内で自由にサービスを利用できることです。たとえば育児用品を店舗で購入して、領収書を発行してもらい、その領収書を添付して申請書を提出したとします。その際、申請書を確認する部門は、領収書の宛名が従業員本人の氏名となっているか(→他人の氏名になっていた)、但書きが育児用品と分かる品目になっているか(→育児用品と思えない品目になっていた)、発行日が対応年度の日付になっているか(→前年度の日付になっていた)、など取決めのルール通りにチェックをしなければなりません。その際このような不備があった場合は、本人に戻す手間も発生します。 

以上のように、カフェテリアプランはシステムの随時改修、申請書の内容チェックなど、通常運営でも人による手間も多くかかるのです。

      

6-3.ポイントの期限切れが発生する

カフェテリアプランで従業員に付与されるポイントには、有効期限があります。多くの企業では単年度精算方式を採用しており、ポイントが付与されてから一年以内に使用しなければ、ポイントは消滅してしまいます。従業員からすると、ポイントを年度内に使い切らないと、ポイントがなくなってしまうため、企業に対して不満を募らせる原因となってしまうこともあります。
                     

7.カフェテリアプランの導入事例

ここまでみてきた通り、カフェテリアプランは企業カラーや理念、従業員の年齢層などにより、導入内容が企業毎に異なります。ここでは一部の企業の導入事例を紹介します。

                

7-1.事例1 株式会社ベネッセコーポレーション

ベネッセコーポレーションが採用している福利厚生制度のなかのカフェテリアプランは、「いざという時の支援(セーフティネット)」「個人の自助努力促進」「育児・介護支援」を視点に組み立てられ、社員の自立を通じた生活向上の支援、生活リスクに対する備え・支援を行うことで、働きやすい労働環境を提供することを目指しています。これにより、従業員は自身の価値観や生活事情に応じて、自らのライフプランや必要性に合わせ、複数のメニューから選んで申請が可能となっています。

【主なカテゴリー】

住宅補助/出産・育児/子どもの教育・療育/介護/医療・健康増進/財産形成/ボランティア活動費補助

※株式会社ベネッセコーポレーションの福利厚生「カフェテリアプラン」については、こちらより確認できます。
https://www.benesse.co.jp/benesseinfo/saiyou/support/index.html

        

7-2.事例2 株式会社日立製作所

日立製作所は、従業員の価値観やライフスタイルの多様化に応えるため、カフェテリアプランを2000年に導入しています。さらに、育児・介護への従業員の対応を支援し、福利厚生の適正化と公平性を担保することを目指しています。


※出展元:株式会社日立製作所 新卒採用TOP⇒企業情報⇒福利厚生
https://www.hitachi.co.jp/recruit/newgraduate/company/welfare.html

          

8.まとめ

本記事の解説で「カフェテリアプラン」の運用やメリットなどをご理解いただけましたか?コストもかかりそうだし、自分の会社ではカフェテリアプランの導入は無理だと思っている担当者の方も、もし自社で導入したら、どのような変化が起こるだろうかと一度想像してみてください。

自分の会社だったら、どのような補助メニューを設定すると従業員の満足度が上がるか、どのような運用方法にして、会社として伝えたいことを人材採用サイトや募集ページに記載してアピールしたら、どれくらい社員の応募者が増えるのだろうか、などと仮定してみてください。

そして、それが現実的に進められそうだと思ったら、一度経営層に提案してみたらいかがでしょうか。もしかしたら「カフェテリアプラン」という福利厚生制度に馴染みがないだけで、詳細を説明したら前向きになってくれるかもしれません。

カフェテリアプランは大企業だけのものというイメージは、すでに一昔前のものとなっています。現在は中小企業でも、従業員満足度向上のため、会社の信頼度アップのためにカフェテリアプラン導入の重要性は高まっており、従業員数が多くなくてもコストを抑えて導入できるプランを、福利厚生代行会社各社はそれぞれ用意しています。一度前向きに各社から話を聞いてみてはいかがでしょうか。


監修者 株式会社イーウェル 健康経営推進室


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