コロナ禍のストレス状況とその影響~コロナ時代に従業員を支える福利厚生制度とは~

2020年から続く新型コロナウイルス感染症の拡大により、様々な変化に対応せざるを得ない状態が1年以上継続しています。生活の変化や行動制限は、働く人にはどのような影響を及ぼしているのでしょうか。
本記事ではまず社会全体、そして働く人にスポットをあて、コロナ禍における変化と影響を深堀りしたうえで、先進的な取り組みをされている企業様の事例をご紹介いたします。
※本記事は、2021年9月30日に開催されたウェビナー『データでみるコロナ禍の影響 ~コロナ時代に従業員を支える福利厚生制度とは~』の内容をもとに作成しています。
目次
1. コロナ禍における変化
厚労省のアンケート調査によると、『コロナ禍で「減った」と感じるものは何か』という問いでもっとも多かった回答は、「運動量」でした。一方で「増えた」と感じるものは、「ゲームをする時間」「睡眠時間」となっており、いわゆる『おうち時間』が多くなっていることは明らかです。このような変化が長期にわたり続くことにより、どういった影響があるのでしょうか。
2020年8月~9月に実施されたアンケートでは、約8割の方が新型コロナウイルスに関連したストレスを感じると回答されています。具体的には、「自分や家族の感染への不安」の他に、「自粛による生活の変化」「自分や家族の仕事・収入」「人間関係の変化」など、新型コロナウイルス拡大に伴う生活スタイルの変化に対して、不安を感じる方が多い傾向にあります。
2.コロナ禍におけるストレス状況と要因
コロナ禍においては、何らかの形でがストレスを感じている方も多いように見受けられます。 本章では、具体的なストレスの要因と考えられること、およびその現状を解説いたします。
2.1 コロナ禍の長期化によるストレスの変化
働く人にとって、「テレワークの導入」が大きな変化のひとつと言えますが、仕事をする環境の変化が1年以上も継続している状況で、どのようなストレスを感じているでしょうか。働く人へのアンケートで、2020年6月と2021年2月のストレス状況を比較すると、仕事面では以下3つのストレスが特に悪化しています。
①上司のサポート(在宅勤務が長期化したことで上司からのサポートの機会が減少)
②雇用の安定性 (業績不振や事業の縮小、休業日の増加)
③変化への対応 (情勢が変化するなかで企業側が臨機応変な対応ができていない)
https://www.peacemind.co.jp/newsrelease/archives/300
2.2 在宅勤務時のストレス
在宅勤務開始当初は、「人と会うことによるストレスが減った」「通勤時間がなくなり自分の時間が増えた」といった声もありましたが、予想以上に在宅勤務期間が長期化していることにより、ストレスを感じる人が増えています。
① コミュニケーション不足
コロナ禍により外出する機会が減ったことにより、「今日は誰とも話さなかった」という日がある方も多いのではないでしょうか。また、仕事のプレッシャーを感じながら自宅で黙々と仕事をすることも、孤独感や閉塞感を感じやすくなる要素のひとつと考えられます。
② ONとOFFの切り替えができない
在宅勤務により、出勤や退社のような気持ちの切り替えにつながる行動がなくなるため、途中で長時間休憩を取ってしまったり、終業時間以降もだらだらと仕事をし続けてしまい、結果的に長時間労働になってしまうケースがあります。
③ 運動不足
運動をすることで、気分のリフレッシュや精神的な安定につながるセロトニンが分泌されストレスが緩和されやすくなります。前述のとおり、コロナ禍で運動量が減った人が増えていますが、運動不足は身体の不調だけでなく、気分が落ち込みやすくなってしまうなど、精神面にも影響が出ることが分かっています。
④ 仕事環境が整っていない
コロナ禍で初めて在宅勤務を経験する人も少なくないため、「自宅に仕事ができる環境が整っていない」「机や椅子が長時間作業をするのに向いていない」というケースがあります。また、家族に気を遣いながら仕事をせざるを得ないといった人も多く、集中できないことでストレスを感じてしまいます。 コロナ禍の長期化により、ただでさえストレスを感じる方が多い中で、これらの要因により働く人のストレス悪化に繋がっています。
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3.先進企業の取り組み事例
前述の通り、働く人のストレスが悪化している中で、従業員様の体調不良や離職を少しでも減らすために、会社には「従業員のサポート」を目的とした取り組みが求められてきています。ここからは、先進的な取り組みを実施されている事例をご紹介いたします。
3.1 オンライン海外ツアー
A社では、毎年恒例となっていた社員旅行がコロナ禍により中止となりましたが、部署や事業所を越えたイベントを通じて、エンゲージメント向上に繋げていきたいという思いからオンライン海外ツアーを実施しました。
旅行気分をさらに味わえるようにと、外国料理のお弁当やお菓子なども事前に準備し、参加者全員が楽しめる機会となったようです。
3.2 オンライン雑談
B社では、リモートワークの導入に伴い、従業員間のコミュニケーション、特に日常的な雑談が減少していることを課題視していたことから、昼休憩の時間を活用してオンライン雑談会を実施しています。雑談なのでもちろん参加や退室は自由で、よい気分転換に繋がっていると好評だそうです。
3.3 オンライン交流会
C社では、新入社員が入社時からリモートワークになり、モチベーション低下が懸念されていたため、新入社員が既存社員と交流を持てるような質問会や昼食会をオンラインで実施しています。オンライン上であっても、何度か交流を持った既存社員がいると安心感に繋がりますね。
3.4 オンラインカウンセリング
D社では、リモート勤務が続くことで心身の疲れやストレスを感じる声が社員から挙がっていたため、外部のメンタルサポートプログラムを企業側が費用を負担して実施しています。対面でのカウンセリングに比べて心理的なハードルも低く、またいつでもどこでも相談できるといったメリットもあり、利便性も高い制度ですね。
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4.まとめ
コロナ禍による企業の取り組みは幅広くありますが、ご紹介した企業様では、「オンラインだからできること」にスポットを当てて前向きなサポートを実施しているという特徴がみられます。もちろん、新しい取り組みを始める際には自社の経営理念や風土にマッチするかどうかをきちんと検討する必要はありますが、このコロナ禍は、新しい取り組みを会社主導で進めていくよい機会になるかもしれません。 従業員のストレスの増加や、モチベーションの低下を招くことにならないよう、会社側から仕組みや制度を作り、提案していくことが重要です。
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