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2024/03/01 (公開:2021/12/24)

カジュアルコミュニケーションによる組織活性化とは ~効果的なコミュニケーションによる従業員エンゲージメントの高め方~


カジュアルコミュニケーションによる組織活性化とは ~効果的なコミュニケーションによる従業員エンゲージメントの高め方~

現在、多くの企業が持続的に成長するには、少子高齢化、労働人口の減少など様々な社会課題があります。これらの社会課題に対し、企業が適切に対応できなければ、人材の採用や定着がうまくいかず、深刻な人材不足に陥ることが予想されます。最終的には、企業の生産性低下、離職率にまで影響を及ぼし、企業の存続すら脅かすことになるかもしれません。

このような状況に対応する為に、昨今、注目されているのがエンゲージメントの概念です。特に企業に関連するエンゲージメントには「仕事領域でのワークエンゲージメント」と「人事領域の従業員エンゲージメント」の2種類の定義があります。この双方のエンゲージメントを向上させることで、会社のサービスや生産性の向上、人材の定着に繋がっていくことが期待できます。

本記事では「人事領域=従業員」のエンゲージメントに焦点を当てて、カジュアルコミュニケーションとの関連性を解説していきます。

※本記事は、2021年10月14日に開催されたウェビナー『カジュアルコミュニケーションによる組織活性化とは~効果的なコミュニケーションによる従業員エンゲージメントの高め方~』の内容をもとに作成しています。

1. 従業員エンゲージメントとは

従業員エンゲージメントとは、従業員の会社に対する愛着心や思い入れといった意味です。このような感情は従業員側で自然発生することもありますが、多くのケースで、会社側が高める努力を行うことで、初めて従業員側に生じています。そのため、最近では、個人と組織が対等で、互いの成長に貢献し合う関係のことを指すとされています。

           

2.従業員エンゲージメントの背景

労働環境や働き方の変化に伴い、今まで以上に従業員エンゲージメントが注目されてきていますが、その背景を具体的に見ていきます。

            

2-1 終身雇用からキャリア型への変化

かつての日本では終身雇用の慣行が強かったので、同じ従業員がずっと同じ会社で働いてくれる事を前提としていました。しかし昨今は働き方が多様化してきている為、従業員が愛着を持てない、働きがいがないと感じると、自らにあう(と考えられる)働き方を求め、転職していくのが当たり前の時代となりました。この流れは今後ますます加速すると考えられています。

        

2-2 労働人口の減少

国立社会保障・人口問題研究所の推計結果表によると、少子高齢化の加速により2060年には労働人口が2020年に比較して約2500万人減少すると言われています。必然的に訪れる人材不足は企業にとって致命的な打撃にもなり得えます。今まで以上に厳しい人材獲得競争に打ち勝っていかなくてはなりません。

        

2-3 コロナ禍でのリモートワークの定着

リモートワークが定着化していくにつれて、人事評価への不安、運動不足、緊張感の低下、コミュニ―ションの希薄化など、様々な問題が表面化してきています。このような状況を放置していると、従業員のやる気が下がっていき、結果的に離職率が高まる可能性があります。

       

3.従業員エンゲージメントの考え方

従業員エンゲージメントとは、従業員の会社への愛着心、会社に貢献したい、という気持ちと言われています。この概念は一般的に使われる、「従業員満足度」とは異なります。従業員満足度は、給与や福利厚生、職場環境など「会社で働くことに、どれだけ満足しているか」の指標となります。あくまで企業がもたらしてくれる事柄に対しての受動的な満足度であり、自発的に貢献したいという姿勢とは異なります。心情的な満足度を満たし、従業員の能動的な姿勢を引き出すには、従業員エンゲージメントの向上が必要です。

            

3-1 従業員エンゲージメントの効果

従業員エンゲージメントを高めることで、離職率の低下、生産性や採用確定率などを向上させることができると言われています。

           

3-2 従業員エンゲージメントの高め方

従業員エンゲージメントを高めるには以下のポイントがあります。

  • モチベーションがアップするような環境作り
  • やりがいの創出
  • 経営者の考えを従業員へ周知する
  • 既存の人事評価の見直し

次項では、「モチベーションがアップするような環境作り」について、「カジュアルコミュニケーション」の観点から説明します。

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4.カジュアルコミュニケーションの効果

モチベーションアップを進める際に、比較的取り組みやすいモチベーションについて着目してみましょう。従業員のモチベーションアップをするには、彼らと会社との関り方を良い方向に持っていく必要があります。それには上司や同僚との気軽なコミュニケーションがとれているか否かが環境作りのポイントとなります。いわゆる「カジュアルコミュニケーション」が重要なのです。

          

4-1 カジュアルコミュニケーションの必要性

カジュアルコミュニケーションは、業務を円滑に進める為の潤滑油のような役割を担っています。例えば、オフィスの席で近くに座っている人との何気ない会話の中で、個人的な状況の共有や、共通の趣味などを話します。また一人で悩んでいた業務も、上司・同僚と気軽にコミュニケーションを取り合うことで、細かなアドバイスを受けやすくなり、結果として業務効率がアップします。

         

4-2 カジュアルコミュニケーションの方法

カジュアルコミュニケーションを、より円滑に促進する方法の1つに、社員を褒めたり、感謝を伝えたりする機会を増やすことが挙げられます。人はだれでも、褒められて嫌な気持ちはしないものです。他者から認められたいという欲求は誰もが持っている自然なことです。「褒める」ことで、どんな効果が生まれるのかを見ていきましょう。

①ピグマリオン効果
「人は期待されることによって成長が高まる」という心理効果があります。これは、ピグマリオン効果と呼ばれるものです。褒めることで、相手の気持ちや行動を、ポジティブに変化させることができると言われています。

②ドーパミンの増幅
人は褒められると、ドーパミンと呼ばれる快感ホルモンが放出されます。ドーパミンは意欲に関係する神経伝達物質で、放出されることで、気分が高まり幸せな気持ちになります。また、「褒めてもらえた」という喜びや安らぎが生まれ、褒めてくれた相手に対して信頼感が自然と高まるとされています。

③褒めた側の効果
褒められた人だけでなく、褒めた人にもメリットがあります。相手が喜んだり成長したりする姿を目にすることは、自身の成果として実感することにも繋がります。また、褒められた人と同様にドーパミンが放出されやすくなり、脳が活性化し、自身の気持ちや行動にもプラスの変化をもたらしてくれます。

雑談や日常会話などのカジュアルコミュニケーションの大切さを理解することで、社員との接し方も変わってくると思います。モチベーションが向上することで、もっと頑張ろうというやる気が生まれ、社員一人ひとりの帰属意識や従業員エンゲージメントの向上にも繋がっていきます。

         

4-3 環境変化により「褒める」コミュニケーションが希薄化

ここまで、カジュアルコミュニケーションにおける、「褒める」効果に着目してきました。 カジュアルコミュニケーションの効果は非常に大きいですが、昨今の急激な環境変化により、その効果が得にくくなっています。
コロナウイルスの影響から、各企業では以前よりもテレワーク化が促進されています。しかし、人と人がリモートで仕事をする環境が充実していく中で、会社におけるコミュニケーションは、以前より希薄になっていると言われています。

テレワーク下であっても、メールやzoomなどのツールがあれば、日常業務を進める上で必要な報告、連絡、相談などの基本的なコミュニケーションは取ることができます。そのため、「うちの会社のコミュニケーションは問題ない」と思いがちです。しかし、オフィスでの世間話や仕事終わりの飲み会の機会が減少したことで、社員同士の何気ない「日常会話」や「雑談」の機会が失われているケースが多くみられます。結果、「カジュアルコミュニケーション」がどんどん減少してきている、というわけです。
今後、企業においては新しいコミュニケーションツールを導入するといった対策が必要になってくるでしょう。

           

5.まとめ

ここまで見てきたように、感謝や称賛を伝えることで、働く人の心情に大きく影響し、また雑談や日常会話などのカジュアルコミュニケーションを活用することで、業務を円滑に進めることができ、モチベーションや生産性アップに繋がります。

環境が激変していく中、人材を定着化させ、企業が成長していく為にも、従業員エンゲージメントの向上は優先度の高い取り組みとなっていくと考えられます。

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著者情報

株式会社イーウェル ウェルナレ事務局

「人も、企業も、ウェルビーイングへ。」をテーマとして、企業の健康経営や福利厚生の支援を行う株式会社イーウェルが運営する、BtoB(人事総務向け)オウンドメディア「ウェルナレ」の編集部。
2021年7月にメディアリリース後、毎年60回以上、有名企業様とのコラボセミナーや官公庁の専門分野に特化した方を招いてのカンファレンス、大学教授による福利厚生勉強会の開催や専門家記事の掲載などを実施し、多くの方に好評いただいております。
人事部署や経営者が、会社のウェルビーイングを向上されるためのヒントを探して、日々活動しています。

 

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