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(公開:2024/05/14)

≪2024年_世界幸福度ランキング≫日本の順位は?ランキングからわかる特徴を解説!


≪2024年_世界幸福度ランキング≫日本の順位は?ランキングからわかる特徴を解説!

今年も「2024_世界幸福度ランキング」が「国際幸福デー」に合わせて2024320日に発表されました。2023年はようやく新型コロナウィルスに関する問題も収束されましたが、調査対象期間は20212023年の3年間のデータがもととなっているため、新型コロナウィルスの影響は少なからず残っていることでしょう。

ロシアによるウクライナ侵攻が終結の様相をみせず悲劇的な状況が続く中、2023107日にはパレスチナのイスラム組織ハマスがイスラエルへの大規模な攻撃を仕掛け、イスラエルが報復を開始し現在も戦争が続き、イスラエル軍のガザ南部への攻撃は激しさを増しています。この武装衝突は調査対象期間の終わり頃に始まったため、今回のランキングには大きく反映はされてはいないと思われます。




         

1.世界幸福度ランキングとは?



 

冒頭でも述べましたが、「世界幸福度ランキング」は、毎年320日に「世界幸福度報告(World Happiness Report)」にて発表されています。この「世界幸福度報告」におけるランキングの発表は2012年に開始され、今年で13年目となります。320日は国連が定めた「国際幸福デー」として、幸福やウェルビーイングを啓発、促進するキャンペーンとしてスタートしました。

 

ジェイム・イリエンが提唱したのがきっかけとなったのですが、彼はインドの路上で捨てられ孤児院で過ごしたのち、アメリカ人の養母のもとで育ちました。そこで彼は自身の幸福に関して切実に実感するようになり、養母とともに活動を開始したのが、この「世界幸福度ランキング」の始まりです。

 

ウェルナレでは2022年より「世界幸福度ランキング」の結果を毎年掲載していますが、そこでも「世界幸福度報告」が公表されるようになった経緯(いきさつ)や、調査のための評価項目など詳細を解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。 

        

2.2024年の世界幸福度ランキング

今回の2024年の世界幸福度ランキングでは143か国の順位が発表されました。ランキングの対象国が前年の137か国より6か国増えています。本章では1位から100位までを掲載しますが、143位までの全ての順位をご覧になりたい方、さらに過去3年間の全順位の比較表をご覧になりたい方は、以下よりダウンロードしてください。


※ここをクリックすると「20202022年の全ランキング」「20212023年の全ランキング」それぞれの比較表もダウンロードすることができます。



出典元:“World Happiness Report”

         

                                    

3.2024年世界幸福度ランキング結果からわかる特徴



2024年に発表された世界幸福度ランキングの上位10位については、昨年と比較してほぼ大きな動きはありませんでした。特に1位のフィンランド、2位のデンマーク、3位のアイスランドの上位3か国は不動の順位となっており、幸福度が安定的に続いていると捉えて良いでしょう。

 

また昨年最下位グループだったアフガニスタン、レバノン、シエラレオネ、コンゴ、ジンバブエ、ボツワナ、マラウイなどの国々は、今年も同様に最下位グループで大きな変動はありませんでした。特に今年143位のアフガニスタンと142位のレバノンは、2023年と全く同じワースト2でした。

 

2024年の報告書では、年齢層別の幸福度について焦点を当てています。北米では2006年以降に15 歳から 24 歳の若者の幸福度が急激に低下し、高齢者よりも低い水準となっています。西ヨーロッパでも若者の幸福度は緩やかに低下し続けています。それまで西ヨーロッパは若者が最も幸福であり、その後中年まで幸福度が低下し、さらに高齢になると大幅に回復するというのが一般的でした

 

これとは対照的に中央ヨーロッパと東ヨーロッパではすべての年代の幸福度が急激に上昇しており、旧ソ連の国々と東アジアでも各年齢で幸福度が大幅に増加していています。ただ南アジア、中東、北アフリカでは各年齢で幸福度が低下しています。

 

今回の全体的な結果としては、幸福度が若者と高齢者で大きく異なり、1965年以前に生まれた人の人生評価は1980年以降に生まれた人より約4分の1ポイント高い状況となっています。また、2021年から2023年にかけて、「悲しみ、苦しみ、憎しみ、恨み、妬み、怒り、不安」などのネガティブな感情を持つ人は、どの地域でも男性よりも女性に多く見られました。 さらにほぼどの国でも、年齢が上がるにつれて男女差が大きくなっています。

 

また興味深いところでは、幸福と認知症の関連性についても触れています。世界的な高齢者人口の増加に伴い、世界の認知症患者数も増加すると予想され、認知症は生活の質と幸福の低下に関連しているため、高齢化する世界人口に対して、幸福を維持するためには認知症の予防が不可欠であるとしています。 

出典元:“World Happiness Report”

          

4.世界幸福度ランキングが上位で安定している国の特徴

前章でも述べましたが、1位のフィンランド、2位のデンマーク、3位のアイスランドは前年と全く同じ順位をキープしています。昨年10位以内に入っていた国で今年10位以内に入れなかった国はニュージーランドだけですが、それでも1つ落として11位になっただけです。代わりに昨年12位だったオーストラリアが10位に入ってきました。

 

よって、上位10位までの国は常に安定し幸福度をキープしています。その中でも大半の国がヨーロッパの国々で、さらに北欧諸国の国々が占めている状況です。1位のフィンランドの幸福度指数は前年7.804ポイントに対し、今年は7.741と若干ポイントを落としていますが、それでも2位のデンマークとは大きく差を開けている状況です。

 

なぜ北欧諸国が常に安定して国民が幸せに暮らしているのでしょうか。ウェルナレの過去の世界幸福度ランキングの記事でも解説していますが、北欧諸国では日々の生活を送るうえでの社会保障が手厚く充実しています。また国民はプライベートを大切にし、「幸福」は日常生活の中に存在するものという認識を持ち、日々の生活を楽しく有意義に送ろうとしているため、幸福度も常に安定して上位にランクインしているためです。

 

5.世界幸福度ランキングの順位が大きく変動した国の特徴

本章では前年と比較して、ランキングの順位が大きく上昇した国と、大きく下がってしまった国を一覧にしました。それぞれ変動が大きかった国の上位15か国を、昨年の順位と今年の順位を比較して、その差異が大きかった順に表示しています。これらの国々は何が原因で大きく変動したのか、国ごとに情勢などを調べてみるのも面白いでしょう。

   

5-1 順位が大きく上がった国

最も順位が上がった国はエルサルバドルで、昨年50位から今年33位となり17位も上昇しました。続いて、コスタリカ、メキシコ、ベトナムがそれぞれ11位上昇しています。

 

今年の特徴としては、ここの表には表記されていませんが、第二次世界大戦後長期にわたり共産主義政権下にあり、35年ほど前に民主化に移行された東欧や中欧諸国の順位が徐々に上昇していることです。特にチェコ、リトアニア、スロベニアの諸国が上昇しています。



出典元:https://worldhappiness.report/archive/

   

5-2 順位が大きく下がった国

最も順位が下がった国は、モンゴルで16位下降しています。続いてクロアチア、ネパールが15位下がりました。今回の調査では、ロシアによるウクライナ侵攻の影響が徐々に反映されるようになり、ウクライナは92位から105位へと順位を13位落としています。

 

また、チェコ、リトアニア、スロベニアなどの中欧・東欧諸国が上昇していると前述しましたが、その影響でアメリカが15位から23位に、ドイツが16位から24位へとそれぞれ8位順位が下がってしまいました。



 

出典元:https://worldhappiness.report/archive/

   

         

6.2024年日本の世界幸福度ランキングは51



今年の日本の順位は51位でした。前年の2023年は46位とその前の年よりも8位も上昇していたので、今年もその流れで、40位前半か30位台になれるのではと期待していましたが、少し残念な結果となってしまいました。2012年からの日本の幸福度ランキングの順位の推移は以下の表をご覧ください。

日本の世界幸福度ランキングの推移

日本の順位

2024

51位

2023

47位

2022

54位

2021

56位

2020

62位

2019

58位

2018

54位

2017

51位

2016

53位

2015

46位

2014

-

2013

43位

2012

44位



出典元:https://worldhappiness.report/archive/

 

日本が前年よりもポイントを落とした評価項目は、「GDP」「社会的支援」「人生の主観的満足度」です。特に「人生の主観的満足度」については前年の2023年が1.513ポイントだったのに対し、今年は1.261ポイントと大きく下降したため、全体のランキングに大きく影響したものと思われます。「人生の主観的満足度」のみの日本の順位は110位でした。「人生の主観的満足度」が1位の国は、ベネズエラで2.998ポイントとなっており、日本の倍以上のポイントとを獲得しています。

「汚職の無さ・頻度」のみの順位を見てみると、以前の日本はかなり低い順位でしたが、今年は27位に上昇しています。また「寛容さ」に関しては前年0.009ポイントから0.023ポイントへと数字的には改善されていますが、それでも世界の中でのランキングは137位という結果で、ほとんど最下位に近い結果となっています。

 

世界幸福度ランキング_評価項目と日本のスコア(内訳)

 

評価項目

2022年

2023年

2024年

一人当たりの国内総生産(GDP)

1,835

1.825

1.786

社会的支援(Social Support)

1,089

1.396

1.354

健康寿命(healthy life expectancy)

0.866

0.622

0.785

社会的自由(freedom to make life choices)

0.537

0.556

0.632

寛容さ(Generosity)

0.007

0.009

0.023

汚職の無さ・頻度(Perceptions of corruption)

0.218

0.207

0.219

ディストピア(人生評価/主観満足度)+ 残余値  (Dystopia + Residual)

1.487

1.513

1.261

総合ポイント

6.039

6.129 

6.060

 

出典元:https://worldhappiness.report/archive/

 

今回の「2024_世界幸福度ランキング」では国ごとに年齢層別の経年の幸福度について細かく調査しています。日本は全体的に30歳以下の年代が、他の年代よりも幸福度が高くなっているのが読み取れます。

また、リーマンショックの世界的な金融危機が起きた2008年から2009年頃は全年代の幸福度が一気に下がっていますが、その後、60歳以上は若干上昇するものの、他の年代と比較すると、幸福度が最も低い期間がしばらく続いていました。その後、2018年以降は45歳以上と60歳以上のグループの幸福度が急に高くなっています。逆に30歳以下はそれに反比例するように、下降気味となりました。



出典元:World Happiness Report “Statistical Appendix 1 for Chapter 2”

7.まとめ 

世界幸福度ランキングの評価項目には以下6つの項目があります。

  • 一人当たりの国内総生産(GDP)
  • 社会的支援(Social Support)
  • 健康寿命(healthy life expectancy)
  • 社会的自由(freedom to make life choices)
  • 寛容さ(Generosity)
  • ディストピア(人生評価/主観満足度)+ 残余値(Dystopia + Residual)


これを見ると、最後のディストピア(主観的な満足度)というものが、個人の幸福感に直結するようにも思われますが、国家としての幸福度としては、最もあいまいなもののようにも思われます。ディストピアの上位10位までのランキングは以下のとおりとなっています。

ディストピア(主観的満足度)のみの幸福度ランキング_TOP10

1

ベネズエラ

2

コンゴ (ブラザヴィル)

3

モザンビーク

4

ギニア

5

グアテマラ

6

メキシコ

7

エルサルバドル

8

ホンジュラス

9

コスタリカ

10

リトアニア


出典元:“World Happiness Report”


この結果を見ると、全体のトップ10に入っている国は一つもありません。強いて言えば、全体12位のコスタリカ、全体19位のリトアニア、全体25位のメキシコ、全体33位のエルサルバドルといったところでしょう。これら主観的満足度が上位の国の中には、経済的にあまり裕福な国でなくても、あるいは、その日暮らしの国民が多い国だったとしても、毎日愉快に楽しく過ごせれば、それが最も重要なことと考える国も含まれているのかもしれません。

 

日本の場合は、それぞれ個人が幸福だったとしても、あえてそれを開け広げてアピールする人が少ないように感じます。また、幸せだったとしても、自分よりもっと幸せな人はたくさんいるなどというように、自分を蔑んで見せている人も多いのではないでしょうか。外国とは根本的な考えの違いから、日本の主観的満足度は低いスコアになってしまうのかもしれません。 

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著者情報

株式会社イーウェル ウェルナレ事務局

「人も、企業も、ウェルビーイングへ。」をテーマとして、企業の健康経営や福利厚生の支援を行う株式会社イーウェルが運営する、BtoB(人事総務向け)オウンドメディア「ウェルナレ」の編集部。
2021年7月にメディアリリース後、毎年60回以上、有名企業様とのコラボセミナーや官公庁の専門分野に特化した方を招いてのカンファレンス、大学教授による福利厚生勉強会の開催や専門家記事の掲載などを実施し、多くの方に好評いただいております。
人事部署や経営者が、会社のウェルビーイングを向上されるためのヒントを探して、日々活動しています。

 


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