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2023/12/08 (公開:2023/04/27)

健康経営はどんな企業の課題を解決できるのか?経営課題につながる導入方法とは


健康経営はどんな企業の課題を解決できるのか?経営課題につながる導入方法とは

近年、離職者の軽減やパフォーマンスの向上を目的に「健康経営」が注目を浴びています。しかし、健康経営という言葉は知っているものの、内容や実施方法が分からない人も多いのではないでしょうか。

 

この記事では、健康経営の認知度や取り組み方、健康経営によってもたらされるメリットを解説します。自社の成長に大きく貢献する健康経営を詳しく学んでいきましょう。

 

         

1.「健康経営」はどれくらいの経営層に認知されているのか?




健康経営とは、社員の健康管理を経営に組み込んで戦略的に実践する経営手法です。しかし、認知度はそれほど高くないのが現状です。東京商工会議所の調査によると、企業のおよそ70%は健康経営について深くは知らないことがわかっています。[注1]

 

【健康経営の認知度】

  • 「健康経営」という言葉を、意味も含めて知っている … 29.0%
  • 言葉だけは知っている、意味はわからない … 39.5%
  • 言葉自体知らない … 31.5%

 健康経営という言葉自体の認知度は年々増しているものの、浸透まではしていないようです。

[注1]東京商工会議所「健康経営に関する実態調査 調査結果」


   

1-1 健康経営を実施してみたい企業はどれくらい?

東京商工会議所の同調査によると、約20%の企業は健康経営をすでに実施しています。また、これから実施したいと考えている企業は半数以上と、ほとんどの企業が健康経営に前向きであることが分かりました。[注1]

 

【健康経営への取り組み】

  • 健康経営を実施している … 20.8%
  • まだ実施していないが、準備はできている … 8.7%
  • 実施したいと考えはいるものの、手をつけられていない … 54.3%

しかし、まだ準備段階にすら至っていない企業が多いです。社内における健康経営の必要性が、他の経営課題に比べまだ低いことが考えられます。健康経営が企業にとってどれだけの影響を与えるかを正しく認識することが、直近の課題でしょう。

 

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2.経営者が感じている企業の課題とは?

日本能率協会の調べによると、多くの経営者が課題に感じていることは、以下の通りです。[注2]

 

  1. 収益性向上
  2. 人材の強化
  3. 売り上げ・シェア拡大

 それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

[注2]:一般社団法人日本能率協会「日本企業の課題2022」

 

          

2-1 TOP1:収益性向上

多くの企業が課題としてあげたのは、収益性の向上です。毎年の調査結果でも上位ではありましたが、2022年には前年から2.6%上昇して1位となっています。3年後の課題としては2位であり、各企業がいかに収益性向上を重要視しているのかが伺える結果となりました。

 

特に、ここ数年は世界的なパンデミックによるニューノーマルが確立され、売り上げ回復のための新たな戦略が必要となっています。それゆえ、収益性向上が目下の課題とされているのです。 

        

2-2 TOP2:人材の強化


収益性向上に次いで挙げられたのは、人材の強化です。2021年の調査から4%上昇し、3年後の課題では1位となっています。少子高齢化による人口減少が著しい日本において、少ない人材でいかに多くのアウトプットしていくかは重要です。

 

転職が当たり前になった現代では、人材の流出をいかに防ぐかも考えなければなりません。優秀な人材に長く働いてもらえるよう、企業は工夫を続ける必要があります。 

          

2-3 TOP3:売り上げ・シェア拡大



3番目に多く挙げられたのは売り上げ・シェアの拡大です。これは3年後・5年後の課題でも3位にランクインしています。経年でみるとポイントは年々上昇しており、重要性の高さは高まっています。

 

特に売り上げに関しては、経営戦略などの実施結果を確かめる際の指標にもなるでしょう。経営方針を考える上でも、多くの企業が重要視している数値と言えます。   

      

3.健康経営は企業の何を解決してくれるのか?



前項まで取り上げた課題は、全て健康経営を通してアプローチできます。以下では、前項であげた3つの課題に健康経営がどのような効果をもたらすのかを解説します。

          

3-1 解決してくれること① 生産性向上による収益性向上

健康経営を実施することで、生産性向上による収益性向上が期待できます。社員が心身ともに健康であれば、労働意欲が湧き、業務に対して積極的に取り組めるためです。反対に、ストレスや過労による体調不良が続くと、労働意欲や生産性の低下が懸念されます。

 

生産性に直結するおおよその事柄は、健康であればこそ成り立つものです。多くの社員が健康でいれば、それだけ業務効率が上がり、生産性向上につながるためのアイデアが湧きやすくなります。

            

3-2 解決してくれること② 離職の減少に寄与

健康経営の実施は、人材の強化にもつながります。特に離職率の増加と人材確保の難しさは、健康経営によって好転させられる可能性が高いでしょう。

 

離職率に関しては、メンタルヘルスによる離職が深刻な課題です。厚生労働省の調査によると。メンタル面の不調が原因で休職・退職した人は全体の10%、そのうち退職に至った人は4.1%です。[注3]  健康経営による健康面への不安の払拭は、離職の減少に寄与する可能性は高いでしょう。

 

健康経営は新たな人材の確保にも役立ちます。健康経営を実践すれば「社員の健康に配慮している企業」と認知され、ブランドイメージ向上につながるでしょう。労働環境を重視する優秀な人材の応募増加が期待できます。
 

[注3]:厚生労働省「令和3年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況」

   

3-3 解決してくれること③ 企業イメージの向上



健康経営は、売り上げ・シェア拡大に間接的な影響を与えます。

健康経営は企業イメージのアップにつながります。イメージが良い企業のサービスや商品は消費者も手が取りやすく、結果的にシェア拡大につながり、売り上げアップにもつながる可能性があります。


        

4.効果のある取り組みにするためのコツとは?



健康経営を実施するための手順と、効果的な実践方法を解説します。健康経営の実施手順は以下の通りです。

 

  1. 目的を決める
  2. 社内に実施を発表する
  3. 体制を整える
  4. 課題を明確にする
  5. 計画を策定する
  6. 評価・改善する

 まずは健康経営に取り組む目的を明確にしましょう。以下の観点で検討すると、目的が明確になりやすいです。

 

  • なぜ健康経営に取り組むのか
  • 健康経営を行った先の目標
  • プロジェクトチームのメンバー決め
  • 推進の方向性

 上記の項目を決めておけば、方向性がハッキリとし、次のステップもスムーズに進みます。

次は社内に健康経営の実施を発表します。全体会議や朝礼で代表者が発表したのち、社内連絡で周知徹底するなど、連絡方法も決めておきましょう。

続いてプロジェクトチームの発足や部署ごとに担当者を任命するなど、健康経営に関する体制を整えていきます。代表者やプロジェクトチームのメンバーに「健康経営アドバイザー」を取得してもらうのも良いでしょう。

社員の資格取得が難しい場合は、外部からアドバイザーを招く方法もあります。その際は、経営や保険に関する資格を併せ持っている人が多い「健康経営エキスパートアドバイザー」がおすすめです。健康経営アドバイザーよりも多角的なアドバイスをしてくれます。

 

体制が整ったら、自社の課題を明確にします。分析する指標の一例は、以下の通りです。

 

  • 健康診断の受診率
  • ストレスチェックの結果
  • 残業時間
  • 求職者数
  • 離職者数

 

各データの数値を分析し、取り組むべき課題を明確にしましょう。部署ごとに分析すると、より詳しいデータが見えてきます。

次は見えてきた課題をもとに、計画を策定します。健康経営の計画は中長期的な目線で立てましょう。健康は毎日の積み重ねであり、結果として現れるまでに時間がかかるためです。そのため、はじめからコストのかかる計画を立ててしまうと、後から苦しくなる可能性もあります。初めは低コストで手早く始められる内容がおすすめです。

実施した計画は、1ヶ月毎など定期的に評価するタイミングを決めておきましょう。目標から逆算し、必要に応じてテコ入れをしていくことが大切です。また、途中経過を社内全体で共有すると、社員の意識向上にもつながります。効果的な健康経営の実践例としては、以下の内容をご参照ください。

 

①長時間労働の改善や休暇日数の見直し

長時間労働改善と休暇日数の見直しは、社員のモチベーション向上に繋がります。「定時消灯日やノー残業デーの設定」といった取り組みを行い、ワークライフバランス適正化を図るのも有効です。

 

②ストレスチェックの実施

厚生労働省が定めるストレスチェックの努力義務は「労働者50人未満の事業所」とされています。ストレスチェックは、健康経営の課題を把握するうえで重要な指標です。たとえ50人未満であっても行うべきでしょう。

 

③健康診断受診の推進

定期受診を業務の一環として、就業時間内に受診してもらうのもおすすめです。受診率が100%になるとともに、従業員の健康課題が把握しやすくなります。


5.無関心層への効果的アプローチは欠かせない




健康経営を実施するにおいて、多くの企業が直面する課題が無関心層への社員へのアプローチです。健康に無関心な社員は、社内での周知だけでは関心を寄せてくれないでしょう。かといってセミナーを開いたとしても、積極的に参加してくれるとは限りません。そのため、社内の人間をどのように巻き込むかについて苦心する企業は多くあります。

このような悩みを解決するため、イーウェルでは無関心層への効果的なアプローチ方法や成功事例をまとめた資料を用意しています。健康経営を成功させたいと考えているのであれば、ぜひ参考にしてください。以下で詳細な内容を紹介します。


        

6.健康経営コンサルティングサービスの活用



たとえば株式会社イーウェルでは、企業の健康経営推進を幅広く支援しています。提供している主なサービスは、以下の通りです。

  • 健康経営推進支援サービス
  • 従業員・組合員の健康データ一括管理
  • 健康施策実行支援サービス

他にも、健康経営や福利厚生に関する数多くのサービスを用意しています。今や多くの企業が健康経営の重要性に気が付いています。

しかし、結果が出るまでに時間がかかるため、なかなか実施に踏み出せない企業も多いことでしょう。専門家に任せることで、自社の状況に合わせた無理にない計画を策定してくれるため、健康経営の導入が加速するでしょう。適材適所でプロのサービスを取り入れつつ、より効率的な健康経営に取り組んでみてはいかがでしょうか。

健康経営の第一歩からPDCAの循環まで「健康経営推進支援サービス」

健康経営を推進する上で必要な「健康経営度調査」「健康投資管理会計ガイドライン」などを活用して、貴社の健康経営の第一歩からPDCAを回していくお手伝いをするコンサルティングサービスです。

 

株式会社イーウェル 運営会社ロゴ

著者情報

株式会社イーウェル ウェルナレ事務局

「人も、企業も、ウェルビーイングへ。」をテーマとして、企業の健康経営や福利厚生の支援を行う株式会社イーウェルが運営する、BtoB(人事総務向け)オウンドメディア「ウェルナレ」の編集部。
2021年7月にメディアリリース後、毎年60回以上、有名企業様とのコラボセミナーや官公庁の専門分野に特化した方を招いてのカンファレンス、大学教授による福利厚生勉強会の開催や専門家記事の掲載などを実施し、多くの方に好評いただいております。
人事部署や経営者が、会社のウェルビーイングを向上されるためのヒントを探して、日々活動しています。

 

 

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