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2024/03/01 (公開:2023/03/03)

健康経営は持続可能な経営をするための投資!? 解説から導入効果まで


健康経営は持続可能な経営をするための投資!? 解説から導入効果まで

健康経営とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。健康経営は次の2つの理由から、投資をする意義があります。
 

  • 人材採用力の強化につながる
  • 企業が負担する医療費を適正化できる

 本記事では、健康経営に投資をするメリットや、その際のポイントを解説します。今後、健康経営への投資は重要性を増すと考えられます。導入を検討している場合は、メリットや導入効果など、チェックしておきましょう。

         

1.健康経営とは




康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。ここでは、健康経営に関する以下の3つのポイントを解説します。
 

  • なぜ健康経営が必要とされているのか?
  • 政府が健康経営に取り組む理由とは?
  • コロナ禍でますます健康経営が重要に

それぞれ見ていきましょう。


   

1-1 なぜ健康経営が必要とされているのか?


健康経営が必要とされる主な理由は「生産年齢人口の減少」と「長時間労働などによる労働環境の悪化」です。少子高齢化による人口減少による、就労世代の不足が問題視されています。

 

労働人口が不足すると、従業員1人あたりの業務量が増えます。その結果、長時間労働など労働環境の悪化が懸念されるでしょう。

 

長時間労働が常態化すると、従業員がストレスによって心のバランスを崩してしまい、休職や退職に至るリスクも。以上のような理由から、健康経営は労働者が健康に長く働く上で重要とされている取り組みです。 

   

1-2 政府が健康経営に取り組む理由とは?


政府が健康経営の普及に向けて積極的な理由には、日本の人口減少が挙げられます。日本の人口は、2050年に9,708万人まで減少するという推計が発表されました。[注1] これは、2010年の12,806万人から約3,000万人の減少です。

 

さらに、人口における就労世代の占める割合が下がるとも想定されています。[注1]減少する就労世代が少しでも長く健康的に働けるよう、政府は国による認定制度や補助事業を開始しました。

 

少ない人数で高いアウトプットを出すことが、これからの時代には求められています。そのためには「労働者の健康」という資本を大切にすることが重要です。

 

[注1]経済産業省 「健康経営の推進について」

   

1-3 コロナ禍でますます健康経営が重要に



新型コロナウイルス感染拡大に伴い、健康経営により一層の注目が集まっています。健康長寿産業連合会の調査によると、健康経営に関する認定を受けた企業の75%が、健康経営が良い結果をもたらしたと回答しています。[注2]

 

健康経営に取り組んでいることで、このような突然のパンデミックによるダメージを抑えることができるでしょう。

 

[注2]健康長寿産業連合会「新型コロナウイルス流行下における健康経営の取り組み状況に関する調査結果」
 

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2.健康経営とは従業員への投資。そのメリットについて


健康経営は、従業員の健康への投資という意味合いがあります。個人が健康に気を付けようとしても、完璧に健康を増進・維持できるとは限りません。企業は従業員の健康に対して従業員任せにするのではなく、積極的な関与が求められます。

 

健康経営に対する投資は、従業員のメリットだけでなく、企業経営においてもメリットがあります。就労人口が減少している状況においては、従業員をより大切にすることが重要です。

             

3.健康経営 6つのメリット



企業が健康経営に取り組むメリットは、以下の6つです。

 

  • 病欠や大きな疾患による休職者の減少
  • 離職率低下
  • 従業員の活力やモチベーション、生産性の向上
  • 企業価値の向上
  • 人材採用力が高まる
  • 企業が負担する医療費を適正化できる

 健康経営は従業員だけでなく、企業にもメリットがあります。6つのメリットについて、それぞれ見ていきましょう。

 

          

3-1 メリット① 病欠や大きな疾患による休職者の減少


健康経営のメリットとしてまず挙げられるのは、休職者の減少です。健康経営の導入によって、心身の不調による疾病者や休職者の減少が期待できるでしょう。

休職者が発生しにくい職場では、人員不足を未然に防げたり、人員不足による従業員の負担増を防止できたりします。業務を円滑に進める上で、欠員が出ないことは大きな意味を持ちます。

            

3-2 メリット② 離職率低下


健康経営を導入すると、従業員の離職率低下が期待できます。厚生労働省の調査では、離職者の離職理由として「悪い労働条件」がトップに挙げられました。全体の28.2%が「労働条件(賃金以外)がよくなかったから」と回答しています。[注3] 賃金以外ということは、労働時間や有休の取りやすさなどが大きく関係しているでしょう。

 

健康経営は、労働環境を見直す上で有効な手法です。離職率が高いと思った場合は、健康経営が一つの解決策になるかもしれません。

 

[注3]令和2年転職者実態調査の概況

   

3-3 メリット③ 従業員の活力やモチベーション、生産性の向上



健康経営の導入によって、従業員のモチベーション向上や活力アップが期待できるでしょう。健康経営を実践すれば、仕事と生活のバランスが取ることができる可能性があります。

 

健康状態が良く仕事に取り組めれば、気持ちも前向きになり「さらに頑張ろう」という気持ちが湧いてきます。

 

心身ともに前向きに業務に取り組んでもらえる環境ができれば、生産性の向上も併せて期待できます。従業員一人あたりの生産性が改善されれば、同じ従業員数でもより大きな成果を出せるでしょう。 

 

3-4 メリット④ 企業価値の向上


健康経営を導入して積極的に取り組むと、企業の価値の向上も期待できます。大和証券の調べによると、健康経営に取り組んでいる企業の株価が上がっていることが判明しています。

 

調査では「健康経営銘柄2020」の採用銘柄35件を指数化し、10年間の成長を分析しました。分析の結果、健康経営銘柄で構成した指数が、東証株価指数(TOPIX)のパフォーマンスを上回りました。[注4] 健康経営への取り組みは、企業価値を高める重要な要素になると考えられます。
 

[注4]時事通信社「従業員の健康重視で株価もしっかり=「健康経営銘柄」とTOPIXを比較-大和証券」

 

3-5 メリット⑤ 人材採用力が高まる


健康経営を実践すると、人材採用力の強化が期待できます。近年、働き方の多様性や社会環境の変化によって、仕事だけでなく生活を重視する傾向が強まっています。

 

そのような状況下において、健康経営に取り組んでいることは求職者に魅力的に映るでしょう。その結果、優秀な人材の応募が増え、競争力の向上も狙えます。視点を大きくすると、健康経営に取り組むことは企業のイメージアップにもつながると言えます。


3-6 メリット⑥ 企業が負担する医療費を適正化できる



健康経営を導入すると、企業が負担する医療費の適正化ができるでしょう。従業員が健康であり続けられれば、健康保険の使用頻度が減少します。健康保険の使用頻度が少なくなれば、企業が負担する医療費の適正化につながります。

 

一方で、労働環境が悪い職場では、体調不良を起こす社員が多くなる可能性があります。その結果、企業の医療費負担も重くなってしまいます。


        

4.健康経営に取り組まないデメリット



従業員の健康維持は、企業の義務として労働契約法で義務付けられています。健康経営に取り組まず、劣悪な労働環境のままでいると、企業の義務を怠っているとみなされかねません。

 

また、労働環境が悪いと、体調不良者の続出や離職率の増加などのデメリットがあります。そうすると人材不足に陥り、従業員の業務量が増え、さらに負担がかかるという悪循環に陥ります。


5.健康経営を成功させる戦略について

健康経営を成功させるためには、次のような戦略設計が必要です。

 

  • 健康投資の目標を設定する
  • 解決したい健康課題の可視化
  • 課題解決のための施策立案
  • 取り組みを評価・改善するPDCA体制の構築

 それぞれの重要なポイントを紹介します。

          

5-1 投資する目的を明確に


健康経営は投資の1つです。まずは健康経営に投資する目的を明確にしましょう。目的によって取るべき施策が変わります。

 

企業価値の向上や資金調達のハードルを下げたい場合は「健康投資管理会計ガイドライン」に沿った設計がおすすめです。ガイドラインは、経済産業省が公表しています。政府によるガイドラインなので、外部からの評価が得られやすいことがポイントです。

 

ほかにも、社員の離職率改善や休職者発生率の改善など、企業の現状によってさまざまな目的が考えられます。


   

5-2 課題は何なのか?明確に


目標を設定したら、現状の課題を明確にしましょう。課題は企業の経営状況によって異なります。例えば、体調不良で欠勤する従業員数を減らしたい場合、残業時間や休日出勤数に着目してみましょう。部署・役職・時期など、分析することで傾向が見えてきます。

 

課題の可視化には、従業員へのヒアリングも有効です。現場からのリアルな声を吸い上げてみると、今まで気づけなかったような課題が見つかるかもしれません。

 

5-3 施策の企画



目標と課題が可視化されたら、課題を解決するための施策を考えます。例えば、特定の部署に残業が集中している場合、人員不足が発生しているかもしれません。人員不足解決に向けて、採用や社内の配置転換など打ち手が複数挙げられます。

 

事務作業に追われて、社員がストレスを抱えてしまっている場合ではどうでしょうか。従業員の負担軽減のために、システムを導入したり業務を外注化したりする施策が考えられます。施策を計画・実行するときは、施策の効果を検証する方法を決めておきましょう。

 

5-4 評価とフィードバック

施策実行時に決めた効果検証方法に沿って、施策の定期的な評価が必要です。評価の段階では、従業員の健康維持がどのくらい効果として表れているかを分析します。

しかし、健康状態が経営にどのような影響を与えたか、数値で表すのは難しいでしょう。そのため、あらかじめ効果測定のパラメーターを決めておくことがポイントです。一度の施策で満足するのではなく、PDCAを回す体制を構築・維持することも大切です。


        

6.健康経営の実施はコンサルタントが必要に



健康経営の導入を検討しているものの、何から始めるべきかお悩みではありませんか。そんなときは、一人で悩まずイーウェルにご相談ください。

 

イーウェルの健康経営コンサルタントが、健康課題の抽出や自社に合った施策を一緒に検討します。経営手法の数は、会社の数だけあります。健康経営の推進を検討しているなら、ぜひ下記よりお気軽にイーウェルへお問い合わせください。

健康経営の第一歩からPDCAの循環まで「健康経営推進支援サービス」

健康経営を推進する上で必要な「健康経営度調査」「健康投資管理会計ガイドライン」などを活用して、貴社の健康経営の第一歩からPDCAを回していくお手伝いをするコンサルティングサービスです。

 

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著者情報

株式会社イーウェル ウェルナレ事務局

「人も、企業も、ウェルビーイングへ。」をテーマとして、企業の健康経営や福利厚生の支援を行う株式会社イーウェルが運営する、BtoB(人事総務向け)オウンドメディア「ウェルナレ」の編集部。
2021年7月にメディアリリース後、毎年60回以上、有名企業様とのコラボセミナーや官公庁の専門分野に特化した方を招いてのカンファレンス、大学教授による福利厚生勉強会の開催や専門家記事の掲載などを実施し、多くの方に好評いただいております。
人事部署や経営者が、会社のウェルビーイングを向上されるためのヒントを探して、日々活動しています。

 

   


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