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(公開:2022/06/15)

健康経営の効果的な取り組みについて解説~推進企業の成功事例を紹介~


健康経営の効果的な取り組みについて解説~推進企業の成功事例を紹介~

健康経営に取り組みしているが思ったように成果がでない、ということはありませんか。

本記事では、健康経営を効果的に推進している企業の成功事例を紹介いたします。

 

         

1.健康経営に取り組む目的とは

健康経営とは、従業員の健康が将来的に収益性等を高める投資であるとの考えのもと、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践することです。


従業員が心身ともに健康的に働けるよう環境を整備することは業務の生産性向上や、医療費の削減、休職・離職率の改善にも繋がります。

また企業価値やブランドイメージの向上により、株価上昇や採用市場での優位性も見込まれます。 

             

2.健康経営の効果的な進め方


健康経営は企業毎にさまざまな進め方がありますが、効率的に進める方法はあるのでしょうか。企業により直面している課題も異なっているため、これが正解という進め方はありませんが、一般的な取り組み内容を紹介します

          

2-1 進め方① 目的を決め、実施するための体制を整備


自社の経営理念や経営方針及び事業計画に基づき、健康経営の目的を決める。

また、健康経営のPDCAサイクルを実施するための社内体制を整える。

 

健康診断の数値改善も大切ですが、自社の経営理念や経営方針に沿って目的を決めると、企業価値やブランドイメージ向上に繋がります。

トップダウンで組織体制を整えることも、円滑に健康経営を進める上で大切です。

         

        

2-2 進め方② 具体的な取組み内容を決定


自社の健康課題を確認し、具体的な施策を決定する。

 

健康診断データやストレスチェックの分析、また、従業員の年齢構成や性別など多角的に分析することで、健康課題が浮かび上がってくる場合もあります。課題を明らかにした上での、課題解決策の立案・実施が必要です。

 

併せて、取組みの進捗が分かるような具体的な数値目標(可能であれば中期的に)を決定することが望ましいです。

 

          

2-3 進め方③ 成果の確認と見直し


可能な限り定義が明確な数値で成果を確認する。

 

なお、独自の指標を使う場合は、算出方法を統一する。また同業種・同業界において共通化が可能な指標を用いて成果を確認し、経年変化も示しておくとよいでしょう。

改善されなかった場合においては、原因を可能な限り特定した上で、次のステップへ移行することが望ましいです。



              

3.健康経営の成功事例


実際に健康経営を行っている企業の事例をご紹介いたします。

          

3-1 事例① 伊藤忠商事株式会社

 

①目的と体制


社員の能力開発と共に「健康力」増強こそが企業行動指針である「ひとりの商人、無数の使命」を果たす人材力強化の礎であるという考えに基づき、健康経営における会社の方針を「伊藤忠健康憲章」において明文化。

 

社長COOの下、健康管理に対する万全な体制を構築。また企業理念である「三方よし」の実現に向け、従業員の約80%が所属している労働組合と労働安全衛生の取組み内容と実施状況についても協議。

 

②具体的な取り組み内容


定期健康診断の100%受診継続

がんとの両立支援策の推進

社員食堂での健康メニューの提供

禁煙治療補助プログラムの推進

自らの健康状態を管理できる健康管理システムの導入や、生活習慣病予備軍への個別プログラム、喫煙率低下への支援を強化。

 

「予防」「治療」「共生」の3つの観点からなる、がんとの両立支援体制を構築し推進している。

 

③成果


定期健康診断受診率

  2020年度100%

健康力指数(BMI等)の2010年度比改善率

  2019年度比▲1%

がんとの両立支援

  がん・長期疾病による離職率0%継続

ストレスチェック高ストレス者比率

  2020年度2.5%

喫煙率

  10年前比6.8%減


※出典元:伊藤忠商事「労働安全衛生・健康経営」

https://www.itochu.co.jp/ja/csr/society/safety/index.html

 

            

3-2 事例② SCSK株式会社

①目的と体制

社員一人ひとりの健康は、個々人やその家族の幸せと事業の発展の礎である。社員が心身の健康を保ち、仕事にやりがいを持ち、最高のパフォーマンスを発揮してこそ、お客様の喜びと感動に繋がる最高のサービスが提供できる。

 

最高経営責任者が「健康経営推進最高責任者」に就き、健康関連施策を企画・実施する「ライフサポート推進部」と、社員が運営する「SCSK働きやすい職場づくり委員会」、保険給付・保険事業を担当する「SCSK健康保険組合」が担っています。お互いに連携し、それぞれの役割から効果的に施策を実施しています。

 

②具体的な取り組み内容

 健康課題への抜本的な対策として、「スマートワーク・チャレンジ」・「どこでもWORK」・「健康わくわくマイレージ」という3つの取り組みを段階的に開始。

 

【健康に関する4つの施策の展開】

  • 健康管理の施策

  健康診断:受診率100%、事後措置実施率100%を目標に実施。医療に繋ぐべき社員を適切に医療に繋げることで、職場の安全衛生管理の強化、健康診断結果の良化と医療費の適正化を図っています。

 ストレスチェック:毎年1回ストレスチェックを実施し、受検率90%以上を維持。高いストレスが見られた社員には医師との面談を勧奨してメンタルヘルス不調を未然に防止します。

 

  • 健康増進の施策

 健康わくわくマイレージ:健康的な行動習慣の定着と健康診断結果の良化を目的とした施策。健康の維持・増進に向けた行動習慣と、年1回受診の定期健康診断結果をポイント化し、獲得したポイント数に応じてインセンティブを支給する仕組みの導入。健康保険組合のシステムとも統合し、社員の利便性向上と健康増進に関するコラボヘルス推進を強化。

 卒煙チャレンジ:卒煙を希望する社員に無償で提供する卒煙プログラムの導入。

 

  • 健康リテラシー向上の施策

 健康リテラシー(ヘルスリテラシー)を「自ら健康を決定する力」と位置付け、健康関連施策の土台として各種向上施策を展開。

 

  • 安心感とリスク対応の施策

 治療と仕事の両立支援:フレックスタイム制度やリモートワーク制度の全社適用、すべての社員が働きやすい職場づくりを目指し、環境整備に取り組む。

 高度医療見舞金制度の導入し、大きな病気をしても安心して治療と仕事を両立できる環境を提供。

 

③成果

  • 再検査・受信報告の大幅な上昇。(2019年度:100%、2020年度99.1%)
  • 特定保健指導参加率、20%代から68.8%へ上昇。
  • 該当率は社員平均年齢が上昇する中で横ばいを続けている。
  • 喫煙率:25.7%⇒14.1%への減少。
  • 行動習慣や社員意識、生産性など様々な面で成果が現れています。

 

※出典元:SCSK株式会社「健康経営」

https://www.scsk.jp/corp/csr/social/health/index.html

 

                

3-3 事例③ キヤノンマーケティングジャパングループ

①目的と体制

従業員一人ひとりが健康で活き活きと働けるということは、従業員と家族の幸せは、個々のパフォーマンスが最大限に発揮されることであり、それが企業の成長、持続性につながると考えています。

 

キヤノンMJはもとよりキヤノンMJグループの健康管理が高いレベルで標準化されるよう、2018年よりグループにおける健康支援政策、運用の統一化。

 

②具体的な取り組み内容

      • 自己健康管理力向上の推進強化と健康風土醸成

「健康管理3ヵ年計画」に基づき、全従業員一人ひとりが自分の健康に目を向け行動を起こしていくよう、個別および集団アプローチによる生活習慣改善の啓発活動を行っている。

          • こころの健康づくり対策の強化

4つのケアと3つの予防策を軸にさまざまな教育、相談などのプログラムを行っている。

          • 安全配慮の徹底と重症化予防

怪我や病気があっても安心して仕事を継続できるよう、必要とする従業員への就業上の配慮と個別のサポートを徹底して行っている。

 

          • 効果的ながん検診受診の習慣化とがん予防

がんの早期発見のために、キヤノン健保による年代ごとのがん検診補助制度を設けるとともに、受診の習慣化に向けて全社的に啓発活動を展開している。

 

          • 感染症予防対策の強化

 海外渡航者、出張者への予防接種の実施や予防啓発の実施、定期健康診断時の風疹抗体検査同時実施、様々な感染症についての情報提供などの対策を実施してきました。

 

          • グループ健康管理体制の強化

労災の発生を未然に防止するために、これまでに起きた労災や作業環境の実態に照らし合わせて関係部門と議論・検討し、グループ統一の安全衛生基準・ガイドラインを10種類以上(5S基準、重量物安全取扱基準、高所からの転落・落下防止ガイドラインなど)策定。グループ各社の安全衛生・健康支援への取り組みを強化し、グループ一体となった活動を推進。

 

③成果

 

2019年

2020年

生活習慣改善意識行動「実行段階」者の割合

 36.8%

 40.8%

睡眠で休養が取れていない者の割合

 30.3%

 28.1%

喫煙率

 男性27.2%、女性4.8%

 男性25.1%、女性4.1%

高ストレス者率

 10.3%(2018年)

 8.5%

定期健康診断受診率

 -

 100%

平均月間所定外労働時間(組合員)

 10.7時間/月

 9.8時間/月

 

出典元:キヤノンマーケティングジャパングループ「健康経営」

https://canon.jp/corporate/csr/social/workplace


                

3-4 事例④ 第一生命

①目的と体制

お客さまの健康を望む気持ちに応えていく社会的責任を果たすため、「第一生命グループ健康宣言“いきいきダイイチ110”」を宣言し、「第一生命グループ企業行動原則」に「健康増進」を追記するとともに「健康増進基本方針」を新たに制定。

 

社長直轄の「DSR推進委員会」傘下に「ワーク・スマート専門委員会」を設置し、「健康経営」を強力に推進しPDCAを回している。

 

②具体的な取り組み内容

  • 健康診断受診の徹底

 定期健康診断後の再検査の受診勧奨の徹底、健康保険組合が実施しているメタボリックシンドローム対策としての特定健診・特定保健指導を会社として全面的にバックアップすることで、定期健康診断有所見率(以下、有所見率※)の低下に取り組む。

  • 生活習慣改善の取組み

全国の各事業所の健康課題に合わせた健康セミナーや測定会を開催。健康増進キャンペーンの実施や健康イベントの開催など、全社を挙げて健康増進に取組む。社員一人ひとりの健康増進取組みに対してインセンティブを付与する「ヘルスケアポイント制度」を導入。

  • 禁煙取組

「禁煙の日」と制定し、禁煙の重要性を呼びかけるポスターの掲示など、禁煙の啓発活動を積極的に行っている。また、アプリを使った禁煙支援プログラムの提供や禁煙外来補助の自己負担額を全額補助。

 

③成果

 

2008年

2020年

男女別有所見率(法定項目のみ)

 男性66.9%

 女性60.7%

 男性65.6%

 女性58.8%

生活習慣病罹患率 高HbA1c者割合

 14.0%

 10.2%

乳がん検診

 全国平均の倍近い約50%の受診率


※出典元:第一生命「社員の健康増進」

https://www.dai-ichi-life.co.jp/dsr/employee/health.html
 

                

3-5 事例⑤ マルハニチロ株式会社

①目的と体制

従業員一人ひとりが心身ともに健康であり、個性や能力を最大限に発揮できることが企業の持続的な発展につながる。「食」に関するさまざまな事業活動を通じて、世界の人々の健康づくりに資することで、社会に貢献する。

 

取締役専務執行役員が統括の下、健康保険組合・人事部・健康管理室(産業医、保健師、臨床心理士、看護事務員)で構成する専門組織を設置し、連携を図っている。

 

②具体的な取り組み内容

  • 健康診断およびその事後措置

健康診断の受診率100%を目標と掲げ、その事後処置に関しても保健師による個別案内を活用して数値の改善を進めるべく取り組んでいる。

  • ストレスチェック実施と分断

全事業所に対しストレスチェックを実施。メンタル不調者や予備軍への早期対応、そして職場環境改善につなげることを目的とし、データに基づく職場改善フォローの強化を図っている。

  • 新入社員に対する予防措置のための臨床心理士面談

メンタルヘルス不調にならないための基礎知識および予防方法の習得を目的とし、工場や支社も含めた新入社員全員に対して、当社臨床心理士が個別面談を実施。

  • 従業員のヘルスリテラシ―向上

従業員のヘルスリテラシー向上を目的とし、各種セミナーを通じて従業員の健康増進を図っている。

  • 自社商品を活用した健康経営推進への取組み

お客さまの健康維持増進を支援する自社商品を活用し、従業員の健康増進を図っている。

 

③成果

 

2019年

2020年

健診受診率

 100%

 100%

二次健診(再検査・精密検査)受診率

 51.2%

 61.2%

保健指導実施率(有所見者面談率)

 29.6%

 37.2%

喫煙率

 31.1%

 26.9%

30分以上の運動習慣の推移

 21.1%(2017年)

 26.9%

自社商品を活用した「DHAチェレンジ」
参加者前年度比

 -

 50%増

自社商品を活用した「DHAチェレンジ」
中世脂肪値前年比

 -

 平均約19%低下


※  出典元:マルハニチロ株式会社「健康経営の推進」

https://www.maruha-nichiro.co.jp/corporate/sustainability/social_value/employee/management/

                  

4.まとめ

健康経営の成果は一長一短では出にくいものです。取り組み結果を確認し軌道修正を行いましょう。また社内の状況変化とともに取り組み内容を変化させることも効果的です。

まずは社内の状況を正確に把握し、それぞれにあった目標をたてて実行していきましょう。

 

 

監修者 株式会社イーウェル ウェルビーイング経営推進室

          

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