ダイバーシティマネジメントとは
ダイバーシティマネジメントとは、「多様性」「異質なモノが数多く存在する」を意味するダイバーシティと、経営や管理を意味する「マネジメント」が組み合わさった言葉です。ダイバーシティマネジメントとは、企業や組織における用語として「多様な人材を積極的に活用し、生産性を高めよう」という考え方として使われています。
ここ数十年の変化の中で、「男性」中心のビジネス現場おいて、「女性活躍推進」が中心として取り上げられることもありました。しかしダイバーシティの本来の意味は、女性活躍だけのことを指すだけではなく外国人、高齢者、若者、障がい者…なども含まれます。
さらに、このようにカテゴリーで分けられるような目に見える多様性のことだけではなく、価値観や、考え方、経験の違い、性格など、目に見えない様々な違いのことを尊重して受け入れ、企業の戦略に活かしていくことがダイバーシティマネジメントの主流になりつつあります。
目次
1.ダイバーシティの種類
ダイバーシティには、「デモグラフィー型」「タスク型」「オピニオン型」の3種類があります。この3種類はダイバーシティの本質を理解するために重要なものとなっています。多くの日本企業がダイバーシティを推進するにあたって「デモグラフィー型ダイバーシティ」を実施しています。
1-1 デモグラフィー型ダイバーシティについてご紹介
デモグラフィー型のダイバーシティは、国籍・人種・年齢・障害などの表層的な性質が挙げられます。制度や人事戦略の見直しなどによって達成が可能となっています。現在多くの企業で推進しているダイバーシティは、女性活躍やLGBT(※LGBTQ+等の表現方法もあり)の方など様々な属性の人材の採用・活用を推進しています。
1-2 タスク型ダイバーシティについてご紹介
タスク型ダイバーシティとは、能力・経験・知識など実力の多様性のことを意味しています。個人の能力や知識、過去の経験や価値観など、目に見えない内面の多様性のことを総称してタスク型ダイバーシティと呼んでいます。
タスク型ダイバーシティは、企業経営において組織のパフォーマンスにプラスになると言われています。組織の中で多様な知見や能力を持った人が集まることにより、イノベーションを生み出しやすくなるためです。
1-3 オピニオン型ダイバーシティついてご紹介
オピニオン型ダイバーシティとは「意見の多様性」を意味し、組織の一人ひとりの個性的で多様な見方・意見を表明することで、相乗効果を生み出したり意思決定に活かしていこうとする考え方です。自由な雰囲気の中で立場や役割を越えて意見や見解が活かされている状態こそが、組織や集団としての知のシナジーを生み出すという考え方となっています。
2.ダイバーシティの歴史
日本でダイバーシティの考え方が認識され始めたのは、1980年代から1990年代にかけて男女の雇用差別などが問題になっていた時期となります。その頃、日本では差別を是正するための法律が次々と制定されました。
1985年には「男女雇用機会均等法」が制定され、職場における男女の雇用の差が禁止されました。1999年には「男女共同参画社会基本法」が制定され、企業において男女の人権を尊重することが義務化されました。男女の待遇の平等が義務化される中、ダイバーシティについて考え、推進する流れが少しずつ高まっていきました。
2000年代から現代においては、ダイバーシティマネジメントを取り入れた経営が広がっていきます。日本では「少子高齢化」がダイバーシティ推進へのきっかけとなりました。「少子高齢化」による労働力人口の減少が進むと、労働力の確保が困難になるため、女性や障がい者、外国人といった多様な人材を採用しなければならないことは明白となりました。企業のさらなる成長において世界を視野に入れた商品・サービスの展開を検討する必要性も生じてきました。
3.ダイバーシティマネジメントを導入するメリット
ダイバーシティマネジメントを導入することにより得られるメリットについて、企業側と従業員側のそれぞれの観点より説明いたします。
3-1 企業側のメリット
① 多種多様な意見やアイデアの統合とイノベーションの創出
同じ考えをもった従業員同士で意見交換をするよりも、多様な意見やアイデアを集めたほうが、企業や組織の意識改革やイノベーションを起こす可能性が高まります。ダイバーシティとイノベーションには有意な関係性があることが統計的に認められています。(ボストンコンサルティンググループ調査結果より)また、多様化するユーザーニーズにも対応できるため、機会損失を防止する役割としても有効となります。
② 人材の定着化と生産性の向上
多様な人材を採用するためには、採用条件の枠を広げ、社員にとって働きやすい環境を整備する必要があります。これらの実施により多様な考えの人材が確保できるだけでなく、社員の定着率や企業に対する社員の満足度を向上させることにもつながります。その結果、社員のモチベーションも上がり、会社全体の生産性もアップすることができます。
③ 企業の社会的評価と信頼度アップ
従業員が満足してや働きやすい職場環境は、企業の社会的な評価や信頼度を向上させます。ユーザーからの印象もアップするため、自社の商品やサービスの購入・申し込みなどの成果にもつながります。企業の良い評判を知ったことにより優秀な人材が集まりやすくなるため、優秀な人材を安定的に採用することが可能となります。
3-2 従業員側のメリット
① 価値観や仕事の増幅
多様な人材が一緒に働くことは、従業員にとってさまざまな価値観や意見に触れる機会を増やすこととなります。それにより視野が広がりさまざまな価値観を認めて受け入れるなどの成果を授受して、従業員は自身の価値観や仕事の幅を広げることができるようになります。
② 多方面での活躍
企業での旧態依然の「縦割り体質」の脱却にもつながるため、役割分担や部署の垣根を超えた人材配置やプロジェクトなどの実施も可能となります。一人一人の活躍の場が広がるため、従業員は多方面で個人のスキルや能力を発揮することができます。
③ 個性の尊重
日本の会社では昔から協調性を重視してきたため、個性の強い人材は受け入れ難い傾向が強くありました。しかし、ダイバーシティマネジメントの実現により、個性が尊重されるようになると、多種多様な考えを持っている誰もが働きやすさを感じられるようになります。
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4.まとめ
現在の日本では、多様な価値観を企業にもたらすダイバーシティの考え方は、新たな考え方や技術を取り入れて新たな価値を生み出し、社会にインパクトのある革新的な環境づくりに貢献するという認識として定着しつつあります。今後は労働力減少に備えるためにも多様な人材を受け入れるというダイバーシティマネジメントをさらに発展させ、従業員一人ひとりが多様性を受容し、良い刺激を与えあえる組織づくりを進めていくことが重要なカギとなります。
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