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2024/01/15 (公開:2021/09/30)

インセンティブ施策とは?導入のメリットや企業の成功事例を紹介


インセンティブ施策とは?導入のメリットや企業の成功事例を紹介

人事領域におけるインセンティブとは、主に仕事の業績に応じて報酬を与える評価制度のことを言います。インセンティブと聞くと、営業目標を達成した社員へ、ボーナスのようなかたちで月給に上乗せして支払われるものをイメージされる方が多いかもしれません。

しかし昨今では、単なる金銭的な報酬のみではなく、モチベーション向上や自己実現につなげる施策として、個人の価値観とリンクさせながら、会社全体の生産性を上げるようなインセンティブ制度を導入する企業も増えています。インセンティブ制度は「社員と会社とのつながりを強化する施策」へとシフトしつつあるのです。 

ここでは、インセンティブ制度のメリットやデメリット、制度を導入している企業の事例についてご紹介していきます

 

1.インセンティブ施策とは

インセンティブ施策とは、「企業が持続的かつ中長期的に成長していけるよう、各社員のモチベーションを引き出す施策、動機づけ」のことです。営業目標やノルマを達成した際に支給される報奨金のことを指す場合が多いのですが、金銭以外にも、モチベーションアップの動機となるものはインセンティブ施策となります。

ビジネスシーンでは、基本的に大きく2つの意味で使用されます。

  1.個人の成績に合わせて支払われる報奨金(金銭)

  2.モチベーションを向上させるような動機づけ(金銭以外 

金銭以外の動機づけの例として、「表彰制度、福利厚生、キャリア研修、昇給」などがあげられます。インセンティブ制度は広い範囲で導入されているのです。 


  

2.企業のインセンティブを導入するメリットは?

ここでは、インセンティブ制度を導入した場合のメリットを紹介します

2.1 メリット① 社員のモチベーションを上げる即効性が高い

インセンティブ制度では、組織の特性に合わせて最適な評価サイクルを設定できます。そのため、年単位で業績と連動するボーナス支給よりも半期や四半期等短いスパンで社員の意欲を刺激することができます。更に月ごとに営業成績の表彰を行ったり、各週の目標達成度に応じて報酬を変動させたりすることで、社員に頻繁に刺激を与えることで、持続的に社員のモチベーション向上に影響を与えます

 

2.2 メリット② 評価基準の見える化により、やるべきことが明確になる

インセンティブ制度では、評価対象となる行動や具体的な指標を定めます。そのため、部下を評価する上司によって評価基準が異なるという問題を避けられますし、目標達成のために取るべき行動が明確になりモチベーションアップにつながります

 

2.3 メリット③ 求める人物像や行動が明確になる、会社のビジョン浸透につながる

インセンティブ制度を用いることで、間接的に会社がどのような人材や行動を評価するのかを社内に浸透させることができます。表彰される社員が何を評価されているのか具体的に示すということは、企業の方針を社員に理解してもらううえでとても効果的です。また、採用の面でも評価項目の明示によるロールモデルをアピールする際にも役立ちます

 

2.4 メリット④ 固定給アップよりコストが抑えられる

インセンティブは一時的な報酬であるため、固定給に比べ全体的なコストを抑えることができます。また固定給は一度上げると下げることは難しいですが、インセンティブは変動的なため、時期によってはコストを抑えメリハリをつけることで、社員の気を引き締めるという面でも効果的です


 

3.企業のインセンティブを導入するデメリットは?


ここまではインセンティブ制度のメリットを解説しました。ではインセンティブ制度がマイナスの方向に作用した場合、どのようなデメリットが発生するのでしょうか。

3.1 デメリット① 評価が一部の社員に偏る

目標達成した社員を明確に評価できる反面、成果を上げられない社員は取りこぼされます。評価されない社員は仕事への意欲が低下し、組織への帰属意識が薄れていく恐れがあります。組織全体を見渡し、ひとりひとりの社員の働きがいや、幸せとリンクするような制度設計になっているのかなど、すべての従業員にとって公平な仕組みになっているか注意する必要があります。

 

3.2 デメリット② 社員同士の関係性が悪化しチームワークを阻害する可能性がある

個人業績に寄せたインセンティブ施策を導入すると、個人主義的な思考が広まりチームワークが崩れる恐れがあります。成果を上げるため社員同士の競争意識が高まり、チーム内で営業ノウハウが共有されなかったり、協力体制が弱まったりするという事態が起こり得ます。インセンティブ施策を設定する際は、組織としての動きを妨げる要素や問題がないか、しっかり検討する必要があります。

 

3.3 デメリット③ 仕事の視野が狭くなる

評価される指標が明確なだけに、その業務内容にばかり注力し、仕事全体を俯瞰できなくなったり、自分の業務だけを重視して、従業員同士の連携が希薄になってしまったりすることがあります。目の前にある短期的な効果だけを追い求め、その結果業務効率を下げてしまう恐れがあるのです。インセンティブ施策を導入する際は、中長期的な視点で組織全体への影響を考慮することが大切です。 

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4.企業のインセティブをご紹介!

近年、インセンティブ制度を取り入れる企業が増えてきました。どういった経緯でインセンティブ制度を導入し、それにより、どのような効果が得られたのでしょうか。

ここでは4社の導入事例をご紹介します


4.1 導入事例① 株式会社メルカリ

フリマアプリ「メルカリ」を運営している株式会社メルカリでは、2017年からメルチップ(mertip)というピアボーナス制度を導入しています。

ピアボーナス制度とは、従業員の間で感謝の気持ちと共に報酬を贈り合う仕組みになります。従業員たちがお互いを尊重し助け合うような行動とインセンティブを組み合わせることで、組織で働いているという意識をより浸透させることができます。

他の従業員に認められてうれしいといった、他人からの評価をもらえるというインセンティブの側面もあるので、組織の結束力や従業員同士の関係性を維持しつつインセンティブでモチベーションアップを狙いたいという企業には効果のある施策となります。

メルカリでは、メルチップ導入以前にも、四半期ごとにサンクスカードで感謝を伝え合う制度を導入していましたが、メルチップ制度でより気軽にリアルタイムで感謝の気持ちを送りあえるようになりました。

メルチップの導入により、自分の行動に対する感謝が目に見えるようになり、「他拠点や他部署と連携が強まった」「気軽に感謝を伝えられる文化が強まった」「誰かが自分の仕事を見てくれていると感じる」といった、ポジティブな声が従業員から上がっているそうです。

参照元:https://mercan.mercari.com/articles/2017-10-24-151523/

4.2 導入事例② サントリーホールディングス株式会社

強化月間中ボランティアに参加した社員にボランティアポイントを付与し、そのポイントは、複数の選択肢の中から自身で交換先を選ぶことが可能という制度の導入により、ボランティア参加推進に成功し、参加者数を4倍に増やしました。

それまで、自社が取り組むボランティア活動に参加したいという意欲のある社員は大勢いるものの、その半数は機会がなく参加できていないという状況でした。今までボランティア活動をしたことがなかった社員に、参加するきっかけを与え、社員みんなで盛り上げられるような仕組みをつくりたいという理由から今回のインセンティブ制度を導入しました。

強化月間中に、初参加となった社員が多く、インセンティブ制度の導入により、社員がボランティア活動に参加するきっかけづくりに成功したのです。

参照元:https://hrnote.jp/contents/b-contents-incentive-190523/

4.3 導入事例③ パーソルプロセス&テクノロジー株式会社

インテリジェンス ビジネスソリューションズ(現パーソルプロセス&テクノロジー)の、コンサルティングカンパニーであるインテリジェンス ビジネスコンサルタンツ(現ワークスイッチコンサルティング)では、2017年5月1日から残業ゼロの従業員へ報酬を与えるというインセンティブ制度を導入しています。

インセンティブ制度は、成果や業績が指標になることが多い中、残業をせずに業務効率を上げることを指標にしたのは先進的な取り組みです。具体的には、残業ゼロの従業員へ約20時間分の残業代を報酬として与えるという仕組みで、残業をせずとも、業務効率を上げてパフォーマンスを発揮できるような組織作りを推進しています。

参照元:https://www.persol-pt.co.jp/news/2017/05/01/1694/


4.4 導入事例④ 株式会社サイバーエージェント

勤続インセンティブ制度の導入により、退職率を20%改善しました。同社では2000〜2003年頃、退職率の高さが深刻な課題となっておりました。そこで勤続インセンティブの制度を導入しました。本制度は、一定条件での退職時に報酬が支給されるものです。30歳から積立開始・勤続10年以上・40歳から受取可能で業績と連動し営業利益の一定率が分配されます。

本制度を導入した当時、世間は成果主義がもてはやされていた時期でした。しかし同社では、議論を重ね成果主義は日本になじまないとして導入せず、日本人はチームで取り組む方がパフォーマンスを発揮しやすいという結論を出しています。そして個人の成果に限らず、チームとしての働き方を評価対象にすることで、会社が従業員を大切にする姿勢を表すようにしました。そうして従業員のチームワークが高まり業績も向上したのです。

結果的にインセンティブ制度を導入したことで、退職率を30%から10%まで改善させています。

参考元:https://diamond.jp/articles/-/190882

 

5.まとめ

各社のインセンティブ制度の事例はいかがでしたでしょうか。この記事で紹介しているのはあくまで一例であり、効果的なインセンティブ制度を実施するためには、自社の抱えている課題と向き合うことや社員1人1人の価値観に合わせて考えることが大切です。

ここで紹介した事例を参考に、自社の課題解決に向けたインセンティブ制度の導入について、是非考えてみてください

 

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著者情報

株式会社イーウェル ウェルナレ事務局

「人も、企業も、ウェルビーイングへ。」をテーマとして、企業の健康経営や福利厚生の支援を行う株式会社イーウェルが運営する、BtoB(人事総務向け)オウンドメディア「ウェルナレ」の編集部。
2021年7月にメディアリリース後、毎年60回以上、有名企業様とのコラボセミナーや官公庁の専門分野に特化した方を招いてのカンファレンス、大学教授による福利厚生勉強会の開催や専門家記事の掲載などを実施し、多くの方に好評いただいております。
人事部署や経営者が、会社のウェルビーイングを向上されるためのヒントを探して、日々活動しています。

 


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