なぜ福利厚生の利用率が低いのか?原因と対策を詳しく解説
「せっかく福利厚生制度を整えているのに、なぜか利用率が低い」そんな悩みを持つ企業様は多いのではないでしょうか?
充実した福利厚生は、従業員の満足度や定着率向上に大きく貢献します。 しかし、制度が従業員に知られていなかったり、利用しづらかったりする場合は、その効果を十分に発揮できません。
本記事では、福利厚生の利用が進まない理由を深掘りし、従業員にとって魅力的な制度づくりのポイントを解説します。ぜひ、自社の福利厚生制度を見直す際の参考にしてください。
目次
1.福利厚生の利用率が低い原因とは?
福利厚生は、従業員やその家族の生活の質を向上させるために企業が提供する制度です。企業文化や価値観を示す手段でもあります。そんな福利厚生の利用率が低い理由として、主に以下の3つの原因が考えられます。
- 福利厚生の認知度が低い
- 利用手続きが煩雑
- 従業員のライフステージに合っていない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1-1 福利厚生の認知度が低い
さまざまな福利厚生制度を用意しているにもかかわらず、従業員がその存在を十分に認識していないことがあります。特に、複雑な制度や選択肢の多い福利厚生は、情報提供が不十分だと利用を躊躇させる要因となりえます。
福利厚生の認知度が低い原因の一つに、入社時のオリエンテーションで制度について十分な説明がされていないことがあります。また、従業員が日々の業務に追われ、福利厚生について考える余裕がないことも利用率を低下させる一因です。
1-2 利用手続きが煩雑
利用手続きが煩雑であることも利用率を低下させる大きな要因です。例えば、書類を何枚も書かないと利用できない福利厚生は、多くの従業員が利用をためらってしまいます。特に、ワークライフバランスが問われる現代においては、忙しい業務の合間に手続きを行うことがストレスとなり、結果として利用率が低下します。
1-3 従業員のライフステージに合っていない
福利厚生制度が従業員の多様なニーズやライフステージに対応していない場合、利用率が低下します。
例えば、若い世代の従業員が多い企業においては、育児休暇や住宅手当といった福利厚生のニーズは低いかもしれません。一方で、家庭を持つ世代にはそれらの制度を求める人が比較的多いでしょう。ライフステージの変化に応じた福利厚生の見直しが求められます。
2.福利厚生の利用率を向上させるチェックポイント
福利厚生は導入して終わりではなく、従業員にしっかり使ってもらって初めて効果が出ます。そのためには、魅力的な制度内容にするだけでなく、利用しやすい仕組みを作ることも大切です。
ここからは、従業員にとって使いやすい福利厚生にするための3つのチェックポイントを見ていきましょう。具体的には以下の3つが挙げられます。
- 手続きを簡略化できるか
- 従業員へ周知できているか
- 従業員の満足度はどうか
チェックポイントを定期的に確認し、改善を行うことで、福利厚生制度の利用率向上を図ることができます。魅力的で、利用しやすい福利厚生を提供することが、企業の成長にも寄与するでしょう。
2-1 手続きを簡略化できるか
福利厚生制度の利用手続きが複雑だと、従業員は利用を躊躇してしまう可能性があります。企業は福利厚生の利用手続きをできるだけ簡単にする工夫が必要です。
具体的には、手続きのデジタル化や、手続きのフローを図で示すなど、視覚的にわかりやすくすることが効果的です。また、定期的な研修や説明会を開催し、従業員が気軽に質問できる環境を整えるとよいでしょう。従業員が自分で簡単に情報を得られるようにすることも重要です。こうした取り組みは、手続きの負担を軽減し、福利厚生の利用を促進します。
2-2 従業員へ周知できているか
いくら充実した福利厚生制度があっても、従業員に十分に周知されていなければ意味がありません。効果的な周知方法を検討し、実行することが大切です。
社内報やニュースレターでの情報発信、ポスターやリーフレットの配布などを活用して情報を提供しましょう。従業員が福利厚生に対して関心を持つようになれば、利用率も自然と向上します。
また、新入社員研修の中で福利厚生制度について説明する機会を設けることも有効です。さらに、利用者の体験談や活用事例を紹介することで、具体的なイメージを持ってもらうことができます。
2-3 従業員の満足度はどうか
福利厚生制度の最終的な目的は、従業員の満足度向上です。定期的に従業員の満足度調査を実施し、改善点を把握することが重要です。アンケートやヒアリング調査を通じて、各制度の利用状況や満足度、改善要望などを詳細に把握します。
調査結果を分析し、従業員のニーズに合わせて制度を柔軟に見直すことで、より効果的な福利厚生制度を構築できます。例えば、選択型の福利厚生プラン「カフェテリアプラン」の導入などが考えられます。
3.利用率が高い福利厚生
2020年に報告された独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査結果をもとに、利用率が高い福利厚生を紹介します。利用率が高い福利厚生は以下の通りです。
福利厚生の内容 | 利用率(%) |
食堂 | 58.9 |
食事手当 | 53.4 |
社員旅行の実施、補助 | 47.3 |
診療所・健康管理センター等医療施設 | 43.4 |
社内預金制度 | 39.5 |
運動会等のレクリエーション活動の実施 | 39.3 |
外部飲食店で利用できる食券等の配布 | 38.4 |
ノー残業デー等の設置 | 38.1 |
人間ドック受診の補助 | 37.6 |
有給休暇の日数の上乗せ | 37.4 |
ここでは、住宅関連、健康関連、食事関連の福利厚生について、具体的に解説します。
3-1 住宅関連の福利厚生
住宅関連の福利厚生は、従業員の住居に関する支援を提供するものです。代表的なものには、住宅手当や社宅制度があります。住宅手当は、月々の賃貸費用を補助する制度です。経済的な負担を軽減することで、居住地選びの自由度を高めます。特に都市部では賃貸住宅のコストが高いため、手当の支給は従業員にとって非常に助かるポイントです。
社宅制度は、企業が所有している住居を従業員に貸与する制度です。社宅に住むことで、家賃の負担が軽減されるだけでなく、企業との繋がりを感じることもできます。特に新卒入社の若手社員にとって、初期費用の負担が少ないのは大きなメリットです。
3-2 健康関連の福利厚生
従業員の健康問題は、生産性の低下に繋がり、組織全体の業績にも影響を及ぼす可能性があります。健康関連の福利厚生は、従業員の心身の健康を守るために重要です。主な制度として、お得にジムを使えるような制度や、メンタルヘルスケアに関する制度などがあります。企業がスポーツジムに登録をすると、自社の従業員が割引価格で利用できる福利厚生などがあります。また、予算に余裕のある企業の場合は、社内にジムを作るのもよい方法です。お昼休みや終業後に気軽に使えるため、従業員の満足度が高まるでしょう。
メンタルヘルスケアは、ストレス社会においてますます重要になっています。専門のカウンセリングサービスを従業員に提供することで、気軽に相談できる環境が整い、高い生産性を維持することができるでしょう。
3-3 食事関連の福利厚生
食事関連の福利厚生は、食事を通して健康維持と業務効率の向上を図るものです。社員食堂がある企業では、栄養バランスの取れた食事を手ごろな価格で提供することが可能です。社内で食事を摂ることで、同僚とのコミュニケーションも増え、チームワークの向上につながります。食事補助は、ランチやディナー代の一部を企業が負担する制度です。これにより、従業員は経済的負担を軽減できるだけでなく、健康的な食事を摂取することができます。
4.福利厚生の利用率を高めるにはアウトソーシングがおすすめ
福利厚生のアウトソーシングは、企業にとって効率的かつ効果的な選択肢です。
専門業者に委託することで、自社が用意する制度ではカバーしきれなかった多様なニーズに対応できます。従業員一人ひとりのライフスタイルや価値観に合ったサービスを享受できるようになるでしょう。専門家が福利厚生の導入や運用を行うため、従業員に利用を促しやすくなることもメリットの一つです。あわせて読みたい
5.福利厚生の利用率が高まるとどうなるのか?
福利厚生を充実させるメリットは、以下の通りです。
- ワークライフバランスが整うことで、従業員が充実した日々を過ごせる
- 職場環境が向上し、従業員の士気や達成感を高められる
- 子育てや介護などのライフステージの変化があっても、心配なく働き続けられる
- 優秀な人材が集まりやすくなり、採用が円滑に進む
- 従業員の満足度と会社への愛着が高まり、長く働き続けてくれる
- 健康的な従業員が増え、仕事の質と量が向上する
- 企業の評判が良くなり、社会からの信頼が高まる
- 福利厚生の充実により、税制上の優遇措置を受けられる
充実した福利厚生を活用することで、従業員の生活の質が向上し、仕事への満足度も高まります。福利厚生を通じて会社からのサポートを実感することで、従業員のモチベーションが向上するでしょう。結果として、従業員が最大限に能力を発揮できる環境が整い、企業の業績向上が期待できます。
6.福利厚生サービスの選び方
ひとくちに「福利厚生」といっても、サービスの内容や利用の仕方はさまざまです。自社に合った福利厚生を選択するためにも、以下のポイントをチェックしましょう。
- 目的を明確にしているか
- 従業員のニーズを満たしているか
- 手続きは簡単か
6-1 健康関連の福利厚生
福利厚生サービスの選び方において、最初に考慮すべきは、その導入目的です。
企業が福利厚生を導入する背景には、従業員のモチベーション向上や、採用・定着率の向上といった多様な目的があります。目的が明確であれば、どのようなサービスが必要か、優先すべき施策は何かを判断しやすくなります。6-2 従業員のニーズを満たしているか
サービスの選定にあたっては、従業員のライフスタイルや価値観を考慮し、幅広いニーズに応えるプランを選ぶことが求められます。
例えば、若い世代が多い企業では、レジャーや旅行関連のサービスが人気かもしれません。一方、育児中の従業員が多い場合には、育児支援制度などが喜ばれるでしょう。
また、福利厚生を選ぶ際は、公平に使えるかも確認しましょう。一部の従業員だけが利用できる制度を導入すると、制度を利用できない従業員の不満が高まる恐れがあるため、注意が必要です。
6-3 手続きは簡単か
福利厚生サービスの利用手続きが簡単であることも重要な要素です。簡潔な手続きや分かりやすい案内が整備されていることが、従業員がサービスを利用するかどうかの大きな分かれ目となります。
オンラインで手続きが完結できるサービスや、福利厚生の問い合わせ先を明示するなど、使いやすさを追求することが肝要です。
7.まとめ
福利厚生は、従業員の満足度向上、ひいては企業の成長にも繋がります。しかし、せっかく導入しても利用率が低いままでは、その効果を最大限に発揮できません。課題を克服し、従業員にとって魅力的で使いやすい福利厚生制度を構築することが重要です。
手続きの簡略化や周知活動を強化することが利用率向上に直結します。また、福利厚生サービスの選定には、導入目的の明確化や利用手続きの簡便さを考慮することが不可欠です。
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