銀の認定とは? ~金の認定との違いも解説~

「銀の認定」という言葉をご存知でしょうか?
昨今、話題に上りやすい「健康経営」と深く結びついた制度です。特に東京都内で事業を営まれている中小企業で自社の「健康経営推進」を考えている方にとっては、重要な制度になります。どんな制度か、きちんと理解しておきましょう。
目次
1.「健康優良企業制度」と「健康企業宣言」
健康優良企業を目指す企業の中から、一定成果を上げた企業を認定するのが「健康優良企業制度」です。
「健康企業宣言」は、企業が健康促進に取り組むことを、内外に宣言する行為を指します。健康企業宣言の目的は、健康づくりに注力した企業の証明である、健康優良企業「銀の認定」「金の認定」を取得することにあるのです。
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2.健康優良企業認定制度に参加するメリットは?
「健康優良企業認定制度に参加するとメリットがもちろんあります。今回はその一部ではありますがご紹介いたします。
2.1 メリット① 生産性の向上
「健康優良企業認定」を目指す企業は、経営側の意思が従業員に伝わりやすくなります。会社が本気で健康づくりに取り組むとなれば、従業員も前向きに健康化を目指してくれます。
その結果、従業員のパフォーマンスが向上し、労働生産性向上につながります。
2.2 メリット② プレゼンスに貢献
従業員の健康づくりを推進している企業、というイメージは、外部にも好印象をもたらします。
「銀の認定」を取得しました!というニュースをプレスリリース化するだけでも効果があります。取引先や顧客、株主も、ステークホルダーにもどんどん発信していきましょう。
3.健康優良企業認定を受けるにはどうしたらいいの?
大まかに、以下の段階を経て認定となります。
- 「健康企業宣言」
- 「課題への取り組み」
- 「認定」

健康企業宣言から健康優良企業認定までの流れ
※出展:健康保険組合連合会東京連合会『健康企業宣言「銀の認定」・「金の認定」を目指しましょう』より
健康優良企業認定は「健康企業宣言東京推進協議会」が運営しています。協議会には、「東京都」「東京都商工会連合会」「健康保険組合連合会東京連合会」「東京都医師会」といった顔ぶれが参画しています。
参加条件としては、東京都内に所在地のある医療保険者(協会けんぽ東京支部、健康保険組合、国民健康保険組合)加入企業・団体等であることです。また東京都以外が所在地だったとしても、上記に加入していれば宣言(参加)可能です。
以下では、認定にあたってのステップについて解説していきます。
3.1 ステップ1「健康企業宣言」
認定を受ける第1歩は、「健康企業宣言」を実施することです。
流れ1:推進体制を作ってみる
企業の健康づくりを開始するために、まずは推進体制をつくります。責任者を指名し、何がミッションなのかを共有しましょう。
流れ2:チェックシートで課題可視化
つぎに自社の状況を把握しましょう。把握には専用の「チェックシート」を使います。「チェックシート」で課題を発見し、どこから取り組むかを決めていきます。
流れ3:健康企業宣言に応募する
いよいよ応募です。自社が取り組む課題を「協会けんぽ」が発行した応募用紙に記入します。記入したら、FAXなどを使って申請しましょう。参加は無料になっています。申請後、健保組合より、「健康企業宣言 宣言の証」が交付されます。
流れ4:従業員に伝える
ただ宣言をするだけでは、効果は見込めません。責任者が主導し、職場に「宣言の証」を掲示しておきましょう。社員全体に告知する場やツールがあれば、どんどん発信していきましょう。社内だけでなく、社外にも発信することで、より覚悟も定まっていきます。
3.2 ステップ2「健康づくり」への取り組み
宣言をしたら、実際に取り組みを開始します。チェックシートを参考に進めていきます。自社にとって、「運動不足」が課題なのか、「喫煙率」が課題なのか、「健診への取り組み」が課題なのか、は企業それぞれだと思います。
3.3 ステップ3「健康優良企業認定」
「健康企業宣言の証」が発行されてから、実際に課題に取り組んだのち、約1年が経過してから「健康企業宣言実施結果レポート」に「誓約書」(法令遵守について)を添え、健康保険組合に提出してください。
1年というのは目安ですので、もっと早く取り組み達成を成し遂げた場合は、その時点で提出可能です。ただし、6か月以上は最低でも取り組みをしないといけない事に注意してください。
「健康企業宣言実施結果レポート」が審査され、見事80点以上を達成した企業には「健康優良企業 銀の認定証」が交付となります。
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4.「銀の認定」と「金の認定」
認定証には「銀」と「金」の2種類があります。この2つは審査基準が異なり、難易度も違ってきます。まずは「銀の認定」(健康企業宣言実施結果レポートStep1」を目指してみましょう。もし、すでに「銀の認定」を取得している、という企業であれば、 「健康企業宣言チェックシート Step2」に挑戦することができます。
4.1 銀の認定
職場の健康づくりの環境を整える 【取り組み項目】
①健診結果活用
②健康づくり環境の整備
③食
④運動
⑤禁煙
⑥心の健康
4.2 金の認定
健康経営を推進し、従業員だけでなく家族の健康づくりも促進。さらに安全衛生面の改善にも取り組む 【取り組み項目】
①健診・重症化予防
②健康管理・安全衛生活動
③メンタルヘルス対策
④過重労働防止
⑤感染症予防対策
⑥健康経営
5.健康優良企業認定が受からなかったらどうなる?
受かるにしろ、落ちるにしろ、「健康企業宣言実施結果レポート」は提出しましょう。提出すれば、健康企業宣言取組み企業の登録期間(宣言期間1年)が更新されます。基準を満たさなかった部分を見つめなおし、継続して取組み達成を目指していきます。
もしも途中で諦めてしまった場合は、所定の「辞退届」を健康保険組合へ提出する必要があります(すでに認定されていて、辞退する場合も同様です)。辞退届を出すことのペナルティはないため、時期を改めて挑戦することもできます。
6.まとめ
「銀の認定」にしても「金の認定」にしても、いわゆる「健康経営」の内容に即した内容となっています。中小企業が「健康経営優良法人」認定資格に申請する場合、東京都に所在地があれば、「銀の認定」が必須条件となっています。
認定のための努力は、優良法人認定にも沿っているので、絶対に無駄にはなりません。健康経営の第一歩として、「銀の認定」を目指してみてください。
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