そもそもエンゲージメントって何?

最近、ビジネスの場でよく耳にするようになった『エンゲージメント(engagement)』という言葉ですが、皆さんきちんと理解して使用していますか。ここではエンゲージメントが注目されるようになった背景からエンゲージメントを高める必要性などを説明していきます。
目次
1.エンゲージメントとは?
エンゲージメント(engagement)とは主に「約束」「契約」の意味として用いられ、さらには「婚約」や「雇用」など様々な意味に使い分けられています。近年ではエンゲージメントには企業活動で使うビジネス用語としての「マーケティング領域のエンゲージメント」「人事領域のエンゲージメント」などに用いられるようにもなり、それぞれ意味合いも異なってきます。
2.企業におけるエンゲージメントの定義
企業で用いられる「マーケティング領域でのエンゲージメント」は企業と顧客との関係を表し、企業や商品・ブランドに対する、消費者やユーザーの愛着度を意味します。また、「人事領域のエンゲージメント」とは従業員の愛社精神や会社に対する愛着度を表し、従業員が愛社精神を持って仕事をすることが、企業と従業員が一体となる良い関係性になることだと捉えることができます。
いずれの場合も、相手に対してどれだけ絆が強く結ばれているかを考える際に使用される言葉となっており、企業と従業員、企業と顧客の関係性を表すのに重要な指標となります。
3.エンゲージメントはなぜ注目されている?
企業と従業員、企業と顧客の関係性を表す指標としての「エンゲージメント」という言葉を多く耳にするようになってきました。その要因として近年は働き方改革が大きく叫ばれ、それに加え新型コロナウィルスの影響により職場環境や働き方、さらに会社のあり方そのものが加速し変化し、以前の形に戻ることはないと思われます。
このような変化の中で社員の定着や活躍、生産性向上がさらに重要視され、「エンゲージメント」という言葉が注目されるようになってきました。その注目される背景には下記のようなことがあげられます。
①日本の人事制度の主体だった「終身雇用」が崩壊し、成果主義を導入する
企業の増加により人材の流動化が進んでいるため。
②従業員が会社に対してエンゲージメントが低い状態だと、従業員の不安な
状況を組織にまん延させ、社内全体が離職しやすい状況に陥ってしまうため。
③会社を成長させ続けるためには、生産性の向上が不可欠となるが、エンゲージ
メントが低いと従業員および会社の生産性を低下させてしまうため。
4.企業におけるエンゲージメントを高める理由は?
企業と従業員の関係性を表す指標である「エンゲージメント」を高めることによる企業のメリットは、主に以下の3つが考えられます。
一つ目は、従業員の離職率が改善され、長期勤務者が増加することです。会社への信頼度や愛着度が増えれば離職者は減り定着率向上につながります。転職するのが比較的容易な現代でも長期で働いてくれる社員が増えれば、会社にはノウハウや知識が蓄積され、さらには採用コストをおさえることもできます。
二つ目は、エンゲージメントが高まれば従業員からの口コミなどにより会社の評判も上がり、優秀な人材を採用しやすくなります。従業員皆が自分の会社に愛着を持ち充実した日々を過ごすことは、そこで一緒に働きたいと考える人も増え、優秀な人材も集まりやすくなり、組織力の高い企業へとなっていきます。
三つめは、エンゲージメントが高い状態だと、従業員個人と企業の生産性が高まり、必然的に業績アップにつながります。自分の会社に誇りを持ち愛着度が高いと、さらに業績を伸ばすためにはどうしたらいいか、もっと良い会社にするにはどうしたらいいか、というように様々な知識・ノウハウが会社に集約されるようになります。それにより会社も業績が上がり、従業員の主体性も生まれてくるという好循環が生まれてきます。
5.エンゲージメントを高めるために必要な考えは?
エンゲージメントの重要性について認識いただいたかと思いますが、では具体的にどのようにエンゲージメントを高めればいのか、以下に5つのポイントをまとめます。
▶従業員みんなが共感し、同じ方向を向けるような理念やビジョンが必要
▶ 社内での「褒め合う」賞賛文化を醸成することが必要
▶ 従業員がやりがいを持てるように仕事に裁量を与えることが必要
▶ 従業員に長く働きたいと思ってもらうため、働きやすい労働環境が必要
▶ 従業員が頑張った成果に対して適切に評価される仕組みが必要。
6.エンゲージメントを高めるため役立つツールはあるの?
企業と従業員のつながりの強さや絆などの目に見えないエンゲージメントを高めるためには、先ず自社の状況を把握することが必要です。そのためにはアンケートの実施が必要となりますが、「自社で内製化」する方法と既にある「測定サービス」を利用方法があります。
「自社で内製化」する場合コストは抑えられますが、実施に向けてのハードルも高くなることもあります。また、社内で時間やコストをかけたわりに実態がつかめられないというリスクもあります。
「測定サービス」を利用する場合は、信頼性・妥当性のある様々な測定サービスが各企業からリリースされているため、費用と目的を上手く検討して導入することができます。
※おすすめの測定サービス
ウェルスコア:https://www.ewel.co.jp/category/service/welscr/p17573/
7.まとめ
エンゲージメントに関して説明をしてまいりましたが、会社の業績・生産性を上げるためには、給与や待遇を上げることだけではなく、従業員を理解し従業員との関係性を良好にしていくこと、この会社のために貢献したいと思ってもらうことが重要となっています。
ただそれを継続し続けることは、日々変化している世の中の情勢や企業のおかれている立ち位置を常に理解し、従業員との関係性の変化を察知した上で、エンゲージメントを高めていく努力が必要となります。
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