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健康経営優良法人に認定されるメリットは?申請スケジュールをわかりやすく解説


健康経営優良法人に認定されるメリットは?申請スケジュールをわかりやすく解説

「健康経営優良法人に認定されたいけど、具体的にどうしたらいいかわからない」

「そもそも健康経営優良法人とはどんな制度?」

 

このような悩みをお持ちでないでしょうか?健康経営優良法人にもいくつかの種類があり、要件が複雑なため、どう取り組めばいいのか分かりにくいですよね。しかし、健康経営優良法人に認定されるメリットは大きく、特に採用に力を入れている企業は申請を検討したい制度です。

 

本記事では、健康経営優良法人とはどのようなものであるのか、健康経営優良法人になるための申請方法やメリットをわかりやすく解説します。 


 

     

1.健康経営優良法人とは

経済産業省による健康経営優良法人の定義は以下の通りです。

健康経営優良法人認定制度とは、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。

引用:健康経営優良法人|経済産業省

健康経営優良法人認定制度の目的は、社員の健康管理について積極的に取り組む企業が社会的に評価される環境を作ることです。健康経営に取り組む優良な法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから評価を受けやすくなります。

 

また、健康経営優良法人認定制度には、大規模な企業等を対象とした「大規模法人部門」と、中小規模の企業等を対象とした「中小規模法人部門」の2つの部門があります。「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」では、認定基準や条件が異なるため、必ず確認しましょう。


1-1 健康経営優良法人が注目される理由

健康経営優良法人が注目される理由の一つは、少子高齢化です。少子高齢化により労働人口が激減するため、一人あたりの生産性を高めることが重要となりました。これにより、従業員の健康維持や増進に取り組み、組織の活力を向上させる流れが生まれたのです。

健康経営優良法人には多くの企業が申請しており「健康経営優良法人2024」では、中小規模法人部門は16,733法人、大規模法人部門は2,988法人が認定されました。


1-2 健康経営優良法人に認定されるには

健康経営優良法人の認定要件は、「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」で異なります。ここでは「会社法上の会社」「士業法人」に該当する場合の条件を紹介します。


▼健康経営優良法人2025(中小規模法人部門

業種

従業員数

資本金または出資金額

卸売業

1~100名

1億円以下

小売業

1~50名

5,000万円以下

サービス業

1~100名

5,000万円以下

製造業その他

1~300名

3億円以下


参考:健康経営優良法人2025(中小規模法人部門)認定申請書|経済産業省


「従業員数」と「資本金または出資金額」の基準のどちらかに該当すれば、中小規模法人部門に申請できます。

 

▼健康経営優良法人2025(大規模法人部門)

業種

従業員数

卸売業

101人以上

小売業

51人以上

サービス業

101人以上

製造業その他

301人以上



参考:健康経営優良法人2025(大規模法人部門)認定申請書|経済産業省


大規模法人部門は、中小規模法人部門よりも従業員数が多い企業が申請できます。

 

2.健康経営優良法人の認定基準:大規模法人部門

健康経営優良法人2025の大規模法人部門の認定要件は以下の通りです。

健康経営優良法人2025(大規模法人部門)認定要件

引用:健康経営優良法人2025(大規模法人部門)認定要件

 

健康経営優良法人制度の中には、通常の健康経営優良法人の認定と「ホワイト500」があります。ホワイト500とは、健康経営優良法人制度の中にある「大規模法人部門」で認定された企業のうち、上位500社に与えられる称号です。

また、上記の表の「銘柄」とは「健康経営銘柄」のことです。特に優れた健康経営を行っている企業が表彰され、1業種ごとに最大5社までしか選ばれません。810月に行われる健康経営度調査の回答によって判断されます。

 

参考:健康経営銘柄|経済産業省
 
 

2-1 認定までのステップ

大規模法人部門の申請認定フローは以下の通りです。
 

  1. 「ACTION!健康経営」より「健康経営度調査票」をダウンロードし、必要事項を記載する
  2. 「ACTION!健康経営」に申請書をアップロードする
  3. 認定委員会が審議する
  4. 日本健康会議において「健康経営優良法人」に認定される


なお、健康経営優良法人の申請時期は定められており、大規模法人部門「健康経営優良法人2025」の申請は、2024年10月11日に終了しています

 

参考:健康経営優良法人2025認定・申請に関するご説明|健康経営優良法人認定事務局(経済産業省補助事業者日本経済新聞社

 

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3.健康経営優良法人の認定基準:中小規模法人部門


健康経営優良法人2025の中小規模法人部門の認定要件は、以下の通りです。
健康経営優良法人2025(中小規模法人部門)認定要件

 

引用:健康経営優良法人2025(中小規模法人部門)認定要件

 

健康経営優良法人の認定要件として、大きく5つの項目があります。

  • 経営理念(経営者の自覚)
  • 組織体制
  • 制度・施策実行
  • 評価・改善
  • 法令遵守・リスクマネジメント(自己申告)

 

なお、中小規模法人部門では、通常の健康経営優良法人の認定とブライト500で評価項目が分かれます。「ブライト500」とは「中小規模法人部門」で認定された企業のうち、上位500社に与えられる称号です。

さらに、健康経営優良法人2025からは、中小規模法人部門において、「ブライト500」の次の称号として「ネクストブライト1000」が認定される予定となっています。

 

「制度・施策実行」の項目について、通常の健康経営優良法人は7つ以上、「ブライト500」は13以上の項目を満たさなければいけません。


 

3-1 認定までのステップ

 
中小規模法人部門の申請認定フローは以下の通りです。

  1. 健康宣言事業に参加する
  2. 「ACTION!健康経営」より「健康経営優良法人認定申請書」をダウンロードし、必要事項を記載する
  3. 「ACTION!健康経営」に申請書をアップロードする
  4. 認定委員会が審議する
  5. 日本健康会議において「健康経営優良法人」に認定される


なお、中小規模法人部門も申請時期が定められており、健康経営優良法人2025の申請は、202410月18日に終了しています

参考:健康経営優良法人2025認定・申請に関するご説明|健康経営優良法人認定事務局(経済産業省補助事業者日本経済新聞社

 

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4.健康経営優良法人に認定されることで得られる4つのメリット



健康経営の取り組みには、絶対的に正しい方法というのは存在しないため、最初は「健康経営の実施は本当に意味があるの?」と疑問を持つこともあるでしょう。しかし、健康経営優良法人に認定されることで大きく4つのメリットを得ることができます。
 

  • 採用が有利になる
  • 企業イメージが向上する
  • 自治体や金融機関などのインセンティブが受けられる
  • 生産性が向上する

以下、順を追って説明します。

4-1 採用が有利になる


健康経営優良法人に認定されることで、求職者が増え、採用が有利になることが期待できます。特に若年層においては、働きやすい環境であることや、福利厚生が充実していることを重視する傾向にあります。特に新卒採用を検討している会社は、健康経営に取り組むと人材が集まりやすくなるでしょう。

4-2 企業イメージが向上する


健康経営優良法人に認定された企業は、経済産業省のホームページに社名が掲載されます。認定要件を満たし、従業員の健康管理を経営的な視点で考えて取り組んでいる法人として社会的に評価されるため、他社からの信頼が得られるでしょう。

 

また、認定された場合、健康経営優良法人の証明としてロゴマークが付与されます。これにより、顧客や取引先に対してのイメージアップが図れます。

4-3 自治体や金融機関などのインセンティブが受けられる

健康経営優良法人に認定された企業には、地方銀行(地銀)や信用金庫(信金)による低利融資など、インセンティブを付与する機関が増加しています。
 

また、健康経営に取り組むことで、保険料割引の特典を活用できる保険会社もあります。健康増進取組に基づいて保険料を割引する商品を提供している企業には、以下のような企業があります。

 

  • 第一生命保険株式会社
  • 三井住友海上あいおい生命保険
  • 三井住友海上火災保険株式会社

4-4 生産性が向上する

従業員の高い生産性を維持するには、健康的な生活を送ることが非常に重要です。何らかの病気や怪我をかかえたままでは、仕事へのモチベーションが下がり、十分なパフォーマンスを発揮できません。会社全体で協力し、従業員が健康的で働きやすい職場を目指すことで生産性も向上し、会社の業績アップが期待できるでしょう。

 

さらに、会社が従業員のストレスや健康に配慮することで、離職率の低下にもつながることでしょう。

5.健康経営優良法人認定の注意点・デメリット

メリットが多い健康経営優良法人認定ですが、全くデメリットがないわけではありません。

以下に認定に関する注意点を記載しますので、申請する際には確認しておきましょう。


5-1 申請手続きに手間・時間がかかる

健康経営優良法人に認定されるための認定項目には毎年変更があります。

同じ設問もありますが、毎年一定の改定が行われており、企業の理念や体制を問う設問から、実際に実施した回数や参加者の人数・割合など、結果を具体的に確認する設問が増えてきています。

健康経営に取り組んでいるというだけでなく、その実施内容をきちんと計測し、結果に結びつけているかを確認することが求められています。つまり、真剣に取り組み、健康経営優良法人認定を目指すためには、実施内容の計測、社内のデータ収集とその分析が必要になります。そのため、手間と時間がかかります。


5-2 認定を維持するには毎年申請する必要がある

「健康経営優良法人2025(大規模法人部門)認定要件」などの表現からもわかる通り、この認定は毎年行われています。

健康経営優良法人に認定され、健康経営を推進していると内外にアピールするためには、毎年申請し、認定を受け続ける必要があります。

さらに、毎年認定項目に変更があるため、前年と同じ内容では認定されない可能性もあります。認定を継続するためには、毎年内容を確認し、健康経営を推進し続ける必要があるでしょう

これらはデメリットといえ、担当者にとってはかなり大変な申請作業になりますが、健康経営は社員のためにも、継続的に次のステップへ進むべきものです。趣旨を理解し、健康経営優良法人として、毎年認定され続けられるよう努めることが必要です。


6.まとめ

この記事では、健康経営優良法人の概要や申請方法、認定されるメリットについて解説しました。

 

多くの企業が認定を求めるほど、健康経営優良法人には大きな魅力があります。特に、従業員一人一人の健康状態が業績に直結する中小規模の企業は、認定を目指すのが良いでしょう。しかし、健康経営優良法人の認定には要件がやや複雑であり、専門的な知識がないとスムーズに認定されることは難しいかももしれません。

 

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著者情報

株式会社イーウェル ウェルナレ事務局

「人も、企業も、ウェルビーイングへ。」をテーマとして、企業の健康経営や福利厚生の支援を行う株式会社イーウェルが運営する、BtoB(人事総務向け)オウンドメディア「ウェルナレ」の編集部。
2021年7月にメディアリリース後、毎年60回以上、有名企業様とのコラボセミナーや官公庁の専門分野に特化した方を招いてのカンファレンス、大学教授による福利厚生勉強会の開催や専門家記事の掲載などを実施し、多くの方に好評いただいております。
人事部署や経営者が、会社のウェルビーイングを向上されるためのヒントを探して、日々活動しています。

運営会社:株式会社イーウェル

 

        

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