健康経営優良法人に認定されるメリットは?申請スケジュールも解説
「健康経営優良法人に認定されたいけど、具体的にどうしたらいいかわからない」
「そもそも健康経営優良法人とはどんな制度?」
このような悩みをお持ちでないでしょうか?健康経営優良法人にもいくつかの種類があり、要件が複雑なため、どう取り組めばいいのか分かりにくいですよね。しかし、健康経営優良法人に認定されるメリットは大きく、特に採用に力を入れている企業は申請を検討したい制度です。
本記事では、健康経営優良法人とはどのようなものであるのか、健康経営優良法人になるための申請方法やメリットをわかりやすく解説します。
目次
1.健康経営優良法人とは
経済産業省による健康経営優良法人の定義は以下の通りです。
健康経営優良法人認定制度とは、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。
引用:健康経営優良法人|経済産業省
健康経営優良法人認定制度の目的は、社員の健康管理について積極的に取り組む企業が社会的に評価される環境にすることです。健康経営に取り組む優良な法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから評価されやすくなります。
また、健康経営優良法人認定制度には、大規模な企業等を対象とした「大規模法人部門」と、中小規模の企業等を対象とした「中小規模法人部門」の2つの部門があります。「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」では、認定基準や条件が異なるため、必ず確認しましょう。
1-1 健康経営優良法人が注目される理由
健康経営優良法人が注目される理由の1つは、少子高齢化です。少子高齢化により、労働人口が激減するため、一人あたりの生産性を高めることが重要となりました。そこで、従業員の健康維持や増進に取り組み、組織の活力向上を目指す流れが起ったのです。
健康経営優良法人には多くの企業が申請しており「健康経営優良法人2023」では、中小規模法人部門は14,012法人、大規模法人部門は2,676法人が認定されました。
1-2 健康経営優良法人に認定されるには
健康経営優良法人の認定要件は、「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」で異なります。ここでは「会社法上の会社」「士業法人」に該当する場合の条件を紹介します。
▼健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)
業種 |
従業員数 |
資本金または出資金額 |
卸売業 |
1~100名 |
1億円以下 |
小売業 |
1~50名 |
5,000万円以下 |
サービス業 |
1~100名 |
5,000万円以下 |
製造業その他 |
1~300名 |
3億円以下 |
参考:健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)認定申請書|経済産業省
「従業員数」と「資本金または出資金額」の基準のどちらかに該当すれば、中小規模法人部門に申請できます。
▼健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)
業種 |
従業員数 |
卸売業 |
101人以上 |
小売業 |
51人以上 |
サービス業 |
101人以上 |
製造業その他 |
301人以上 |
参考:健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)認定申請書|経済産業省
大規模法人部門は、中小規模法人部門よりも従業員数が多い企業が申請できます。
2.健康経営優良法人の認定基準:大規模法人部門
健康経営優良法人2024の大規模法人部門の認定要件は以下の通りです。
引用:経済産業省
健康経営優良法人制度の中には、通常の健康経営優良法人の認定とホワイト500があります。ホワイト500とは、健康経営優良法人制度の中にある「大規模法人部門」で認定された企業の、上位500位に与えられる称号です。
また、上記の表の「銘柄」とは「健康経営銘柄」のことです。特に優れた健康経営を行っている企業が表彰され、1業種最大5枠までしか選ばれません。8〜10月に行われる健康経営度調査の回答によって判断されます。
参考:健康経営銘柄|経済産業省
- 社内食堂に健康メニューを導入する
- 食育セミナーを実施する
- 食の専門家に相談する
2-1 認定までのステップ
大規模法人部門の申請認定フローは以下の通りです。
- ACTION!健康経営より「健康経営度調査票」をダウンロードし、必要事項を記載する
- ACTION!健康経営に申請書をアップロードする
- 認定委員会が審議する
- 日本健康会議において「健康経営優良法人」に認定される
なお、健康経営優良法人は申請時期が定められており「健康経営優良法人2024」の申請は、2023年10月20日に終了しています。
参考:健康経営優良法人2024認定・申請に関するご説明|健康経営優良法人認定事務局(経済産業省補助事業者日本経済新聞社
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3.健康経営優良法人の認定基準:中小規模法人部門
健康経営優良法人2024の中小規模法人部門の認定要件は、以下の通りです。
引用:健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)認定要件
健康経営優良法人の認定要件として大きく5つの項目があります。
- 経営理念(経営者の自覚)
- 組織体制
- 制度・施策実行
- 評価・改善
- 法令遵守・リスクマネジメント(自己申告)
なお、中小規模法人部門では、通常の健康経営優良法人の認定とブライト500で評価項目が分かれます。ブライト500とは「中小規模法人部門」で認定された企業の、上位500社に与えられる称号です。
「3.制度・施策実行」の項目について、通常の健康経営優良法人は7つ以上、ブライト500は13以上の項目を満たさなければいけません。
3-1 認定までのステップ
中小規模法人部門の申請認定フローは以下の通りです。
- 健康宣言事業に参加する
- ACTION!健康経営より「健康経営優良法人認定申請書」をダウンロードし、必要事項を記載する
- ACTION!健康経営に申請書をアップロードする
- 認定委員会が審議する
- 日本健康会議において「健康経営優良法人」に認定される
なお、中小規模法人部門も申請時期が定められており、健康経営優良法人2024の申請は、2023年10月20日に終了しています。
参考:健康経営優良法人2024認定・申請に関するご説明|健康経営優良法人認定事務局(経済産業省補助事業者日本経済新聞社
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4.健康経営優良法人に認定されることで得られる4つのメリット
健康経営の取り組みには、絶対的に正しい方法というのは存在しないため、最初は「健康経営の実施は本当に意味があるの?」と疑問を持つこともあるでしょう。健康経営優良法人に認定されることで大きく4つのメリットを得ることができます。
- 採用が有利になる
- 企業イメージが向上する
- 自治体や金融機関などのインセンティブが受けられる
- 生産性が向上する
4-1 採用が有利になる
健康経営優良法人に認定されることで、求職者が増えて採用が有利になることが期待できます。特に若年層においては、働きやすい環境であることや、福利厚生が充実していることを重視する傾向にあります。特に新卒採用を検討している会社は、健康経営に取り組むと人材が集まりやすくなるでしょう。
4-2 企業イメージが向上する
健康経営優良法人に認定された企業は、経済産業省のホームページに会社の名前が掲載されます。認定要件を満たし、従業員の健康管理を経営的な視点で考えて取り組んでいる法人として社会的に評価されるため他社からの信頼が得られるでしょう。
また、認定された場合、健康経営優良法人の証明としてロゴマークが付与されます。これにより、顧客や取引先に対してのイメージアップが図れます。
4-3 自治体や金融機関などのインセンティブが受けられる
健康経営優良法人に認定された企業に関して、地銀や信金による低利融資など、インセンティブを与える企業が増加しています。
また、健康経営に取り組むことで、保険料割引の特典を活用できる保険会社もあります。健康増進取組にもとづいて、保険料を割引する商品のある企業には主に以下があります。
- 第一生命保険株式会社
- 三井住友海上あいおい生命保険
- 三井住友海上火災保険株式会社
4-4 生産性が向上する
従業員の高い生産性を維持するには、健康的な生活を送ることが非常に重要です。なにかしらの病気や怪我をかかえたままでは、仕事へのモチベーションが下がり、十分なパフォーマンスは発揮できません。会社全体で協力し、従業員が健康的で働きやすい職場を目指すことで生産性も向上し、会社の業績アップが期待できるでしょう。
さらに、会社が従業員のストレスや健康へ配慮することで、離職率の低下にもつながることでしょう。
5.まとめ
この記事では、健康経営優良法人の概要や申請方法、認定されるメリットを解説しました。
多くの企業が認定を求めるほど、健康経営優良法人には魅力があります。特に従業員一人一人の健康状態が業績に直結する中小規模の企業は認定を目指すのが良いでしょう。しかし、健康経営優良法人の認定については、要件がやや複雑で、専門的な知識がないとスムーズに認定されることは難しいでしょう。
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