健康経営度調査〈フィードバックシートについて〉

健康経営度調査〈フィードバックシート〉とは?
健康経営度調査〈フィードバックシート〉をご存知ですか?「健康経営度調査票」を提出した方であれば、提出後、必ず目にしたはずです。このシートには、「健康経営」の視点から、健康経営の偏差値、課題、変化といった非常に重要な情報が盛り込まれています。
令和3年度の健康経営度調査に伴うフィードバックシートは12月中旬に回答企業に送られています。本記事では令和3年度フィードバックシートの変更点および、健康経営度調査について徹底解説していきます。
目次
1.健康経営度調査とは
「健康経営度調査」は経済産業省により2014年から例年実施されています。企業が実際に「健康経営」に取り組んでいるかの状況分析をするもので、「健康経営銘柄」選定や「健康経営優良法人(大規模法人部門)」のための情報を得ることも目的の一つです。調査回答を以て、次年度の健康経営銘柄や健康経営優良法人・ホワイト500の選定が行われるというだけでも、その重要性が感じ取れます。
調査へ回答し、健康経営優良法人(大規模法人)の認定基準に適合することで、その申請書が取得できるようになるのも特徴です。つまり健康経営優良法人の認定を目指すのであれば、調査に参加するのが第一歩となります。
調査に回答すれば、フィードバックシートが返ってきます。なお、フィードバックシートは大規模法人部門が対象となります。
1.1 調査対象
大規模法人部門に該当する企業が主な対象となります。なお、令和3年度から中小規模部門の申請書も健康経営度調査と内容が重なる箇所がかなり多くなりました。日本の企業に求められる健康経営の要件が標準化されてきたと言えるでしょう。
※健康経営優良法人認定制度における大規模法人部門と中小規模部門の区分け
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/downloadfiles/kenkokeiei_shinseikubun.pdf
1.2 内容について
健康経営に必要な要素は年々変化しているため、調査票の中身も合わせて変わってきます。
ただし、大きな傾向はあります。
【5つのフレームワーク】
・経営理念・方針
・組織体制
・制度・実施実行
・評価・改善
・法令遵守・リスクマネジメント
5つのフレームワークは、経営の根幹から施策の実行までが以上に連動しているか、などの観点から定められたものです。全てのフレームワークが均等に評価されるのではなく、@「重みづけ」が行われています。「重みづけ」は健康経営の社会的な変化にあわせて設定されます。
また、2022年11月にはより詳細な項目ごとの配点も公開されています。
【最新】2023年 健康経営認定の傾向分析 【ダウンロード用資料】
健康経営のご担当者は、ぜひダウンロードしてご覧ください。
2.健康経営度調査の内容
2.1 調査票の入手方法
調査表は電子媒体で入手することになります。経済産業省から調査を委託された企業より、専用URLの案内が連絡されます。
① 自動的に届く企業
上場企業であれば、調査が受け付け開始された時点で、「調査依頼状等案内」が電子メールや郵送で届きます。
非上場企業の場合は、前回、回答済みであったり、調査表発送依頼が行われていれば、電子メールが届きます。
② 新規で申し込む企業
新規で申込を行う企業・法人は、経済産業省のWEBサイトからURLにアクセスし、法人名など企業情報を登録します。
【2023年度】
https://enq.nikkei-r.co.jp/e/23hcn/
メールアドレスを登録すれば、専用URL、ID、パスワードが書かれたメールが送付される形です。
●スケジュール
健康経営度調査は、例年8月下旬から開始されることが多いです。10月下旬まで調査期間が設けられており、提出後、フィードバックシートが認定事務局から送られてくる流れです。なお、令和3年度健康経営度調査から、健康経営度調査の提出と申請がセットになっておりますので、健康経営度調査提出後は特に申請等の追加業務はありません。
●調査票サンプル
令和4年度健康経営度調査 調査票【サンプル】
https://kenko-keiei.jp/wp-content/themes/kenko_keiei_cms/files/r4.kenkoukeieidotyousahyou.sample.pdf
調査票は、「従業員の健康の保持・増進」を担う部門(人事や労務部門が該当することが多いです)が回答しなくてはいけません。項目によっては経営陣や保険者にも協力いただくこともあるでしょう。
とても細かく記入する必要があるため、調査開始時期からスケジュールを意識して取り組む必要があります。
2.2 健康経営度調査フィードバックシートサンプル
令和3年度健康経営度調査 結果サマリー(フィードバックシート)【サンプル】
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/kenko_iryo/kenko_toshi/pdf/007_s04_00.pdf
自分が全体比較してどのレベルにあるかもフィードバックシートからよくわかります。評価項目ごとに全体やトップ企業の点数と比較して自社の点数を確認できるため、非常に参考になります。まさに、健康経営の「成績表」と言えるでしょう。
経済産業省のWEBサイトには、「よくある質問(Q&A集)」といったコンテンツもあります。
調査に挑戦する前に、事前に情報を仕入れておくことをおすすめします。
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3.フィードバックシートの変更点および活用法
3.1 フィードバックシートの変更点
令和3年度健康経営度調査のフィードバックシートは、いくつか変更点がありますので解説します。
① 総合評価がわかるようになった
従来は側面ごとの偏差値と総合得点のヒストグラムの記載でしたが、側面ごとの偏差値と総合評価の偏差値が記載されるようになりました。結果、より精緻に総合評価がわかるようになりました。また、直近5年の総合評価も振り返られるようになりました。
② 評価の詳細分析に対応するQ番号が明記された
このことにより、具体的に課題を改善していくポイントがすぐにわかりるようになりました。同時に強みが何なのかも具体的にわかるようになりました。
③ 調査票の回答内容の一部が掲載されるようになった
「健康経営の戦略」「情報開示媒体」「重点を置いている具体的な施策とその効果」について、調査票の回答内容が掲載されるようになりました。なお、健康経営度調査で公開について同意した企業のフィードバックシートは経産省のホームページで公表されます。そのため、成績だけでなく具体的な内容も社外に発信していくことになります。
3.2 フィードバックシートの活用法
今回の変更点を踏まえフィードバックシートの活用法について解説します。
まずは、文字通りフィードバックを受けて振り返りに活用することです。総合評価はこれまでの健康経営の取り組みの相対評価の軌跡です。評価の詳細分析は健康経営の取り組みを具体的にブレイクダウンしたものです。社内での取り組み(絶対評価)のみならず、回答企業内や同業種内での評価や評価の変遷を定量的にとらえ、経営層への訴求や自社の強み弱みの把握の深みが増します。
また、今回から具体的なQ番号が示されたため、次年度の取り組みポイントも具体的に把握することが可能となりました。
続いて、フィードバックシート自体が健康経営の外部発信ツールとなりえる点です。試験的に令和2年度の健康経営度調査フィードバックシートは事前に同意を得られたホワイト500認定企業のみ公開されていましたが、令和3年度健康経営度調査より、ホワイト500の条件としてフィードバックシートの公開に同意が必要となりました。そのため、令和3年度の健康経営度調査フィードバックシートはより多くの企業のものが公開となることが予想されます。これは言い換えますと健康経営の成果や実際の取り組みを経産省の健康経営のページから社外に発信するということになります。
健康経営は企業の持続的成長に必要な取り組みと位置付けられており投資家や求職者からの注目も高まっています。自社媒体のみならず多くの媒体で取り組みを発信していくことは有効な取り組みです。
4.まとめ
回答をしていくだけで、「健康経営とはどんな事をすればよいのか」が理解できる仕組みなっているのが、健康経営度調査です。
健康経営について取り組み始めたばかりという企業であっても、まずは調査に参加してみましょう。フィードバックシートをしっかりとチェックし、自社の優れた部分、足りない部分を認識することが「健康経営」の第一歩となります。
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監修者 株式会社イーウェル 健康経営推進室
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