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2024/05/07 (公開:2024/01/24)

健康経営で働き方改革に取り組みたい方必読!具体的な方法を教えます


健康経営で働き方改革に取り組みたい方必読!具体的な方法を教えます

働き方改革の取り組みのひとつで、最近注目を集めるようになってきたのが「健康経営」というキーワードです。健康経営とは、企業が従業員の健康管理に配慮することで個々のスキルや能力を高め、生産性の向上や職場環境の改善につなげようという、経営戦略の一環です。

 

この記事では、健康経営が注目を集める理由や取り組むメリットなどの基本的な情報を解説するとともに、健康経営の具体的な事例についても紹介します。


 

         

1.働き方改革で「健康経営」が注目されている理由



そもそも、働き方改革の背景にある要因のひとつに「少子高齢化にともなう労働力不足」があります。人口減少が進む日本で、労働力が減っても生産力を維持するには、従業員一人あたりの生産性を高めることが大切です。

 

しかし、無理に働かせて生産性を上げようとすれば、従業員が健康を害して欠勤や休職を繰り返すなど、かえって生産性を下げるかたちになります。従業員が健康状態を維持できなければ、貴重な労働力が失われるだけでなく、医療費負担が増え、さらに企業のイメージ低下につながって売上や雇用にも影響を与えるといった、大きな損失をもたらす可能性が高まるでしょう。

 

健康経営とは、従業員が心身ともに健康な状態を維持しながら働ける労働環境をつくることで、個々のスキルや能力を高められ、生産性の向上や職場環境の改善につなげることが大きな目的です。

 

従業員がいきいきと健康で働けるようになれば、仕事へのモチベーションや集中力が高まり生産性の向上が期待できますし、仕事への満足度が高まることで休職や離職といった人材流出も防げるようになります。

1-1 健康経営と働き方改革の違いとは?


前述の通り、「健康経営」と「働き方改革」は双方密接な関係性があります。この二つはどちらとも生産性向上や業績の向上、さらに優秀な人材の確保などにつながることが最終目的となっています。よって、健康経営と働き方改革は一体のものとしてとらえて、包括的に取り組み、さまざまな施策を実施していくことが大切です。

 

経済産業省商務情報政策局ヘルスケア産業課で策定した『企業の「健康経営」ガイドブック~連携・協働による健康づくりのススメ~(改訂第1版)』では、健康経営の評価指標の中に働き方改革でもある「就業環境に関する制度・施策」の項目も含まれています。具体的には以下の内容となっています。

 

就業環境に関する制度・施策例と評価指標例

就業環境に関する制度・施策例

評価指標例

長時間労働抑制施策

・長時間労働者数

・従業員1人平均年間総実労働時間数

・従業員1人平均年間所定外労働時間数

・施策満足度

有給休暇取得奨励

・年次有給休暇取得率

・従業員1人平均年次有給休暇取得日数

・施策満足度

復職支援

・対象者満足度

・対象者復職率


出典元:経済産業省:『企業の「健康経営」ガイドブック~連携・協働による健康づくりのススメ~(改訂第1版)』

    

1-2 健康経営とは


まず「健康経営」とは何か、基本をしっかり復習しておきましょう。経済産業省は「健康経営」を以下のように定義しています。

 

「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。健康経営は、日本再興戦略、未来投資戦略に位置づけられた「国民の健康寿命の延伸」に関する取り組みの一つです。

引用元:経済産業省「健康経営」


経済産業省はこの「健康経営」を推進させる目的で、平成26年度から「健康経営銘柄」を選定し、さらに、平成28年度には「健康経営優良法人認定制度」を創設しました。「健康経営」を推進させるためには、優良な健康経営に取り組む法人を「見える化」することが重要であるとしました。

「見える化」とは、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから「この企業は、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる」と評価を受けることができる環境を整備していることを明確にすることです。

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1-3 働き方改革とは


続いて「働き方改革」について復習しましょう。「健康経営」が経済産業省の政策だったのに対して、「働き方改革」は厚生労働省の労働政策となります。現在、日本は以下の状況に直面しています。

  • 少子高齢化にともなう生産年齢人口の減少
  • 育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化

このような状況の中で、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題となっています。この課題解決のために、就業者の置かれたそれぞれの事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く人一人ひとりが、より良い将来の展望を持てるようにすることが、「働き方改革」の目指すものとなっています。


  

2.働き方改革の一環で健康経営を行うことのメリット



健康経営を実践する企業にもたらされるメリットには、生産性が向上すること以外にも次のようなことが挙げられます。

          

2-1 従業員の休職者や離職者を未然に防げる


従業員の健康管理に配慮した健康経営を実践することで、体調不良を起こす従業員が減り、従業員の休職や離職を防ぐことにつながります。

さらに、体調を崩す従業員が減れば病院にかかる機会も減るため、事業者が負担する医療費の軽減も期待できるでしょう。
 

          

2-2 企業ブランドのイメージアップ


従業員の健康を損ねる問題が多発すると、取引先や消費者、株主などステークホルダーからの評価が下がり、企業イメージに深刻な影響を与える可能性があります。

従業員の健康に配慮した経営を実践することで、こうした悪いイメージをつくることなく、ブランド価値の維持を図れるようになります。
 

2-3 健康経営認定により採用優位へ


政府が推奨する「健康経営優良法人認定制度」の認定が受けられることも、自社のブランド価値を高め、企業イメージのUPにつながります。

健康経営優良法人認定制度とは、優良な健康経営を実践している法人に対して日本健康会議が選定し、認定する制度のことです。認定法人は毎年増え続けており、2022年には「大規模法人部門」で2,299法人、「中小規模法人部門」で12,255法人が認定されました。この数からも、健康経営への関心の高さがうかがえます。

またこうした認定は、就活生やご両親の企業選びの重要な決め手となり、採用優位になると言われております。

 

              

3.ワーク・ライフ・バランスにも健康経営は影響を与える



健康経営が重視されるようになった背景には、労働環境に対する従業員の意識や価値観の変化が大きく影響しているでしょう。

 

かつては仕事が生活の中心にあり、仕事のやりすぎでプライベートにも良くない影響を与えることもありました。しかし近年では、仕事とプライベートのバランスが取れた「ワーク・ライフ・バランス」が重視されるようになり、「仕事も充実して、プライベートも楽しみながら生活したい」という考え方が主流になりつつあります。

 

健康経営を実践している企業であれば、従業員は仕事にやりがいを感じやすくなりますし、休みを取得しやすくなることでプライベートも充実できますから、ワーク・ライフ・バランスを実現しやすい環境づくりにも寄与するのです。

3-1 多様な働き方を認める動き


内閣府の男女共同参画局は、「第5次男女共同参画基本計画~すべての女性が輝く令和の社会へ~」を、政府一丸となって着実に実行し、特に、計画の中間年の令和5年度に向けて取組を更に加速させていくために、『女性活躍・男女共同参画の重点方針 2022』を策定しています。

 

そこでは、仕事と生活の両立においては多様な働き方の定着が必要としています。終身雇用が当たり前でなくなった昨今、働き方の多様性・柔軟性に関する関心が高まり、副業や兼業、転職に対する意識にも変化が見られています。

 

勤務地も、ワーク・ライフ・バランスに関わる重要な要因と認識されるようになり、テレワークが浸透する中で、勤務地選択の余地が生まれ、就職先の決め手や選び方における変化や、地方移住の傾向等が見受けられています。

 

令和5年3月の 内閣府男女共同参画局 『仕事と生活の調和推進のための調査研究~多様で柔軟な働き方推進に向けた企業の取組に関する調査~報告書』 では企業における多様で柔軟な働き方に関する先進的な取組を調査しました。

 

調査結果として、多様で柔軟な働き方推進に向けた企業の取組内容として、「転勤制度の廃止・縮小等」、「退職者の就業継続支援」、「場所にとらわれない働き方」、「社内外の副業・兼業」、「休日・休暇制度の柔軟化」の5つを主要な事項とし、好事例と見込まれる企業10社を調査対象としました。以下に取り組み内容の一覧をまとめています。

ヒアリング調査対象企業における具体的な取組内容

引用元:内閣府 男女共同参画局 『仕事と生活の調和推進のための調査研究~多様で柔軟な働き方推進に向けた企業の取組に関する調査~報告書』


3-2 ワークスタイルの変化による健康経営への影響


多様な働き方を推進していくことは、従業員個人のワークスタイルも変化していくこととなります。従業員の働きやすい環境づくりのみに目を向けて追求していると、健康面やメンタル面で思わぬ落とし穴にかかることもあるので要注意です。

 

たとえばリモートワークは、業務管理やコミュニケーション、相談、会議、報告などすべてパソコン一つで仕事ができるワークスタイルです。組織のメンバーはどこにいても仕事ができるため効率的で、生産性の向上やコスト削減には繋がりやすいと思われがちです。ただし、外出の機会が減ることによって運動不足になることも考えられます。

 

また、リモートワークは従業員同士が会わなくなり、コミュニケーション不足になるため、人によっては孤独感が高まり精神的に落ち込んでしまうこともあります。リモートワークが続くと、メンタルヘルスなどに患ったとしても、なかなか周りの人は気づいてあげられず、本人も相談しにくい状況となってしまいます。

 

複数の会社で働くことが可能なダブルワークについても、在宅で複数の業務を完結することが可能となるため、収入増加のことばかりを考えると、ついついオーバーワークになってしまうこともあります。規則正しい生活を意識した自己管理ができないと、仕事の終わり時がわからなくなり、昼夜逆転するなどして健康にも悪影響を及ぼしてしまう可能性もあります。



4.健康経営で働き方改革を進めるポイント



健康経営を推進し、従業員の健康に投資をしていくことは、人材不足が深刻化している今、人材戦略として欠かせない取り組みとなっています。従業員の健康に配慮した取り組みは、従業員の健康維持・向上に加え、「職場環境の改善」や「働きやすさ」にもつながります。

よって本記事冒頭でもお伝えした通り、健康経営を推進していくことは、働き方改革を推進していくことでもあります。ここでは、そのポイントについて解説します。


4-1 従業員の休職者や離職者を未然に防げる


近年、従業員に対して賃上げや物品支給、各種サービス提供よりも、労働環境を意識した取り組みを実施している企業が増えているようです。その背景として、労働環境やライフスタイルに対する従業員の価値観が時代と共に変わってきているからです。

 

健康経営に重要性を置き、働き方改革に積極的な企業は、従業員にとっても健康経営によって生き生きとした働き方をサポートしてくれるため、大きな魅力を感じる企業となります。そのような企業は従業員の満足度を高め、働きやすい環境へと導いてくれるため、仕事に対するモチベーションが向上し、さらにプライベートも楽しくなるという好循環となり、離職者も大きく減少することとなります。

 

また、働き方改革により残業時間の削減や荷重労働の見直しなど労働環境を整えることで、疾病などによる欠勤や休職などによって希少な労働力が失わることもなくなり、従業員の生産性を高められるようになります。

4-2 従業員のニーズを把握し適切に進行させる


3章でも説明しましたが、働き方改革と銘打ち、全員リモートワークに移行するなどと強制されても、中にはリモートワークが体質的に合わなかったり、相談相手ができず孤独にさいなまれて、メンタル面で病んでしまったり人も出てくるかもしれません。また、業務に適さない家庭の椅子で終日仕事をすることで腰を痛めてしまうこともあります。

 

まず企業として着手しなければならないのは、自社ならではの働き方改革に取り組むプランを考えることからのスタートです。以下の流れを参考に、働き方改革に取り組みやすい「風土・土台作り」から進めていくのが良いでしょう。

 

①組織の現状を理解する

残業時間や有給休暇取得率等のデータを分析、アンケート調査や従業員からのヒアリング、従業員同士の意見交換の場を設定するなど
 

②目指す姿を共有する

経営者と推進担当者が双方で統一した取り組み内容を発信することが重要
 

③現状と目指す姿とのギャップを考える

考えられる要因をメンバー全員で書き出し、そこで出てきた問題を明確にするために、業務配分や分担について普段感じていることについてディスカッションを実施
 

④実行策・アイデアを考える

ディスカッションにより、出てきた解決策やアイデアなどをもとにした施策を実行に移す

 

⑤振り返りと実行策の見直し

実施している施策が問題なく運用されているか、定期的に効果検証をしながら、さらに有用な施策を模索し、見直しや改善を実施


        

5.いざ健康経営へ!具体的な方法とは?



健康経営を実践している企業では、具体的にどのような取り組みを行っているのでしょうか。取り組みによる成果を含めて、事例をいくつか紹介しましょう。

          

5-1 食生活の改善で健康への意識を高める


牛丼チェーン店を展開する吉野家ホールディングスでは、従業員の食生活の改善を目的にCWO(チーフ・ウェルネス・オフィサー)という部門を設置。食生活の改善が必要な役職者などを対象に、スマートフォンの食事管理アプリを活用した健康経営を実施しています。

これにより、肥満の兆候がみられた役職者の多くが10㎏以上の減量に成功。他の従業員もダイエットを意識するようになり、全社員が健康への関心を高めています。

          

5-2 健康状態が一目でわかるシステムを導入


化学工業薬品の製造や販売をしているナガオ株式会社では、自社オリジナルのセルフチェックシステムを導入することで、健康リテラシーの向上を推進しています。セルフチェックシステムとは、血圧や体重などの測定データや問診による回答などをシステム上に入力すると、健康状態の結果と個別アドバイスが提示。さらに、将来の健康状態の予想までも自動出力されるというシステムです。

 

また、従業員一人ひとりにあわせた多様な働き方も提供しており、これらの施策により離職率は0.5%と低い水準で推移しています。採用の観点でも、求職者が増え、健康経営推進が自社の成長につながっていると感じているようです。

           

5-3 健康経営で残業時間の減少&有給取得率がアップ


ITサービスを提供するSCSK株式会社では、業務で身体を動かすことが少ないシステムエンジニアに対して、さまざまな取り組みを実施しています。たとえば、残業時間を月20時間以内にする取り組みを実施したことで、平均残業時間を18時間にまで減らすことに成功。有給休暇の取得率も97%にまで向上しました。

また、ウォーキングの推奨や食事をはじめ生活習慣の改善に関する取り組みも実施するなど健康経営を促進させることで、営業利益の増加にも寄与しているそうです。

      

5-4 楽しみながら健康に対する意識を醸成


自動車販売会社のネッツトヨタ山陽株式会社では、「けんこうプログラム」というプロジェクトを実施。社員に電子万歩計を携行してもらい、月間の歩数を個人・部署別で集計して全社に公表するほか、コンテストも開催するなど楽しみながら継続できるしくみをつくっています。

また、社員食堂ではカロリー別でおかずが選べる仕出し弁当を提供することも、健康に対する意識の醸成につながっています。さらに、店舗内にはマッサージ機などを置いた「健康コーナー」を設置。お客様も利用でき、健康に関する話でコミュニケーションの活性化も図れているようです。

      

5-5 管理者・経営層が積極的に関与


株式会社笠間製本印刷では、部署ごとに残業時間の目標に設定させ、達成した場合には管理者の賞与に反映させるという制度を設けています。管理職のパソコンには、定刻になると強制的にシャットダウンするシステムを導入。管理職が早く帰宅することで、従業員も帰りやすくなる社風をめざしています。こうした取り組みから、残業時間の大幅な削減に成功しているようです。

 

健康経営に対する意識は経営層も高く、ルーチンワークのRPA化や従業員への教育に対する投資を積極的に実施するほか、代表取締役の呼びかけでマラソン大会に参加して参加者全員が完走するといった、社員との交流が深まることにも貢献しているようです。

健康経営の第一歩からPDCAの循環まで「健康経営推進支援サービス」

健康経営を推進する上で必要な「健康経営度調査」「健康投資管理会計ガイドライン」などを活用して、貴社の健康経営の第一歩からPDCAを回していくお手伝いをするコンサルティングサービスです。


6.まとめ:健康経営は多角的なアプローチが重要



働き方改革を前提とした健康経営は、生産性を高めたり自社のブランドイメージの向上につなげたりするうえで有効な手段です。また、働き方の多様化が進む現代において人材募集の観点からも経営に貢献します。

 

この記事では健康経営の具体的な取り組みを紹介しましたが、重要なことは「自社に適した方法を導入すること」です。従業員の意識や自主性から行動しないと長続きしませんから、まずは従業員が健康に関してどのような課題を抱えているかをデータで見える化したり、直接ヒアリングしたうえで、それを改善できそうな施策から始めるとよいでしょう。

 

健康経営は、経営層などの上層部の積極的な関与も重要です。従業員が長く続けられる方法を採用できるよう、さまざまなアプローチから検討してみてはいかがでしょうか。

 

株式会社イーウェル 運営会社ロゴ

著者情報

株式会社イーウェル ウェルナレ事務局

「人も、企業も、ウェルビーイングへ。」をテーマとして、企業の健康経営や福利厚生の支援を行う株式会社イーウェルが運営する、BtoB(人事総務向け)オウンドメディア「ウェルナレ」の編集部。
2021年7月にメディアリリース後、毎年60回以上、有名企業様とのコラボセミナーや官公庁の専門分野に特化した方を招いてのカンファレンス、大学教授による福利厚生勉強会の開催や専門家記事の掲載などを実施し、多くの方に好評いただいております。
人事部署や経営者が、会社のウェルビーイングを向上されるためのヒントを探して、日々活動しています。

 

    

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