ダイバーシティを経営に取り入れるとは?
ダイバーシティという言葉を知っていますか?初めて聞く人は、東京お台場のダイバーシティ?と思う方もいるかもしれませんが、ここでいうダイバーシティ(Diversity)は「多様性」を意味する英語です。
また、「ダイバーシティ=女性活躍推進」だとは限りません。
企業の人事や組織において国籍や人種、性別や年齢を超えて活用する人材採用のビジネス用語として使われていますし、日本では、障がい者雇用や多様な働き方を表す時にも使われることが多いです。
様々な人材を活用して企業の生産性や競争力を高めるための経営戦略としても認知されています。
ここでは、ダイバーシティを経営に取り入れるメリットと課題をご案内します。
目次
1.ダイバーシティが注目される理由
企業の経営戦略にダイバーシティが注目される理由は、労働環境の変化や労働人口の減少、個人の価値観の多様化が背景にあります。
従来の日本企業の働き方は年功序列や終身雇用といった働き方が主流でしたが、今の時代労働者の価値観やキャリアに対する考え方も多様化し、「働き方改革」や「ワークライフバランス」といった実現も重要課題となっています。
また、少子高齢化といった労働人口の減少のなか、従来の採用方法では人材確保が難しくなってきています。
人材が確保できなければ、企業の発展どころか、会社を維持していくことも難しいでしょう。
そのような課題解決の一つとして、様々な人材を採用するダイバーシティを経営戦略として取り入れる企業も増えてきています。
2.ダイバーシティ経営のメリット
ダイバーシティを経営に取り入れることで、企業と従業員の双方にメリットがあります。様々な人材を活用することで以下の3つのメリットが挙げられます。
2.1 メリット① 優秀な人材の確保と業績の向上
経済産業省のダイバーシティ経営を取り入れら企業への調査「ダイバーシティ2.0一歩先の競争戦略へ」によると、ダイバーシティ経営を通じた多様性の受容によって最も得られた効果は「人材の獲得」と「業績の向上」です。
2.2 メリット② 創造性や革新性(イノベーション性)の向上
多様な人材の採用によりさまざまな経歴や個性、能力を発揮させることで、相乗効果により、創造性やイノベーション性の可能性が期待できます。
似たような視点や価値感をもった人材ばかりでは、意見はまとまりやすいかもしれませんが革新的なアイデアや問題解決などは生まれにくく、組織の競争力は低下します。
2.3 メリット③ 企業の評価の向上
ダイバーシティ経営を取り入れることで、従業員の個性を重視する組織風土がつくられてきます。そして社内の風通しや仕事への取り組み方が改善されるようになります。
また、社外にアピールすることで企業の評価の向上にもつながります。
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3.ダイバーシティの課題は?
ダイバーシティ経営を推進するためには、管理職にダイバーシティについての理解がないと、取り組みが進みません。
また、ダイバーシティ経営を取り入れることで、メリットばかりではありません。様々な人材の集まりから生まれるトラブルや課題が生じ、生産性の低下につながることもあります。
同質性の高い組織は、一度事柄が決まれば、コミュニケーションがスムーズで、効率的に物事が進みやすいですが、異質性の高い組織では職場でのあつれきや誤解が発生しやすくなります。
ダイバーシティの課題のひとつは、あらゆる異質な要素がトラブルの原因となり、まさつや葛藤を引き起こすことにあります。
単に多種多様な人材を採用するだけでは、企業メリットにつながらないばかりでなく、かえってデメリットが生じ、その結果、企業の生産性やパフォーマンスが低下してしまう可能性があります。
また、業務内容を明確にしておかないと、給料の格差や待遇に不平不満が出てくるでしょう。
<ダイバーシティの主な課題>
- ① あつれきや対立・誤解の発生
- ② コミュニケーションへの障害
- ③ チームワーク・パフォーマンスの低下
4.まとめ
労働者人口の減少や働き方改革によりダイバーシティの推進は今後さらに必要となってくるでしょう。
また、競争社会の中で、勝ち残る企業になるためにはダイバーシティ経営の考え方は必要ですが、ダイバーシティ経営は課題が多く、高い意識をもって取り組む必要があると思われるかもしれません。そして、様々な人材を集めるだけでは、企業や従業員にはメリットは生まれません。
全従業員がダイバーシティへの正しい理解と適切な行動を促進する意識改革がまず必要となりますので、研修等をおこなうことも大切です。
一朝一夕には意識改革や組織風土は変革されませんので、個人が身近なとこからまず、価値観の異なる人達に触れ、知見を広めてはいかがでしょうか。
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