「ウェルビーイング経営」のサポートメディア

  1. TOP
  2. 働き方改革
  3. 労働生産性とは?計算方法と向上させるための5つのポイントを解説
2022/11/01 (公開:2022/06/24)

労働生産性とは?計算方法と向上させるための5つのポイントを解説


労働生産性とは?計算方法と向上させるための5つのポイントを解説

働き方改革が推し進められる中、労働生産性が注目を集めています。労働生産性の向上を目指せば、コスト削減や人手不足の解消につながり、従業員の満足度向上も狙えます。

 

本記事では、労働生産性の意味や計算方法、労働生産性向上の5つのポイントを徹底解説。また、生産性の向上に成功した企業の事例も紹介するので、働き方改革や経費削減に取り組む際はぜひ参考にしてください。

 

         

1.労働生産性とは



労働生産性とは、従業員1人または1時間あたりでどれほどの利益を生産できるかを数値化したものです。労働生産性を求める過程で人件費なども算出でき、コストを調べる際にも活用できます。基本的に、労働生産性は金額や個数で表し、増加傾向にあれば効率良く商品を生産できていると評価できるでしょう。

 

以下では、生産性の定義や測定方法などを具体的に解説します。高い生産性を確保するためにも、ぜひ参考にしてください。

 

          

1-1 生産性の定義

そもそも、仕事や業務における生産性の定義とは、労働時間に対して生まれた成果の相対的な評価のことをいいます。すでに発生している業務の生産性を測定することで、改善策や新しいシステムを導入するきっかけにもつながるでしょう。

 

業界や職種、重視したいポイントに合わせて生産効率を評価できるのが、生産性を算出するメリットです。以下では、生産性の具体的な種類や測定方法を紹介します。

①生産性の主な種類

生産性には、具体的に下記の2種類があります。

  • 物的労働生産性
  • 付加価値労働生産性


物的労働生産性は、生産された商品の大きさや重さ、個数を用いて測定します。従業員1人あたりの生産量や、1時間あたりの生産個数などで表すことが可能です。生産量の他に、販売金額や販売個数などでも表せるため、同業他社との比較もできます。

 付加価値の成果基準を図りたいときに使われるものが、付加価値労働生産性です。付加価値労働生産性は、売上から原材料(外部購入分を含む)を除いた金額を用いて算出します。自社の商品サービスが、どれだけ効率的に付加価値を生み出したのかを把握したいときに使われます。

      

②生産性の測定方法

生産性を測定するときの基本となる概念は、下記の通りです。

 生産性=アウトプット/インプット

 生産された商品やサービスの成果をアウトプットで表し、生産にかかった時間や人数などをインプットとして計算します。例えば、10万円の商品を10時間で生産した場合の生産性は1ですが、5時間で生産できるようになれば生産性は倍になります。生産性を数値化すれば、具体的な効率の向上具合が測定できるので、業務内容の改善にも取り組みやすくなるでしょう。



          

1-2 「企業の労働生産性」と「国際社会の労働生産性」の違い

企業と国際社会が算出する労働生産性には、下記のような大きな違いがあります。

 

  • 国際社会が用いる労働生産性:GDP
  • 企業が用いる労働生産性:物的や付加価値労働生産性

 日本の内閣府が発表するGDPは、国内で生産された商品サービスの付加価値を表した数値です。国内の景気を判断するために用いられ、他国とも比較できます。

GDPが国全体の生産性を算出するのに対し、企業が算出する労働生産性はあくまで企業内の生産効率を評価するものです。


 

2.労働生産性の計算方法


自社の労働生産性を把握する際には、目的に応じて用いる計算式が異なります。今回紹介する計算式は、以下の通りです。

 

  • 物的労働生産性
  • 付加価値労働生産性
  • 人件費

それぞれの計算式の特徴を把握し、業務改善のために活用しましょう。以下で詳しく解説します。

          

2-1 物的労働生産性の計算式

商品の個数や重量で測定できる物的労働生産性の計算式は、下記の通りです。

 

 1人あたりの物的労働生産性

 物的労働生産性=生産量/労働者数

 1人1時間あたりの物的労働生産性

 物的労働生産性=生産量/労働投入量

※労働投入量=労働者数×労働時間

 

例えば、従業員が1,000人の職場で、携帯電話が1万個生産されたとします。この場合の1人あたりの生産個数は、1万(個)/1,000(労働者数)=10(個)です。物的労働生産性として算出した数値が大きくなるほど、効率良く業務が行えていると評価できます。物的労働生産性は客観的なデータとして理解しやすく、社外の発表資料で使いやすいのことが特徴です。
         

        

2-2 付加価値労働生産性の計算式

付加価値労働生産性の計算式は、以下の通りです。

 

 1人あたりの付加価値労働生産性

 付加価値労働生産性=付加価値額/労働者数

 1人1時間あたりの付加価値労働生産性

 付加価値労働生産性=付加価値額/労働投入量

※労働投入量=労働者数×労働時間

 

付加価値額とは、粗利と同じで、売上から材料の原価や外注加工費を除いた金額を指します。例えば、生産した10万円のスマートフォンの原価が5万円だとすると、付加価値額は5万円です。その値を労働者投入量で割ると、付加価値労働生産性が算出できます。

 

          

2-3 人件費の計算方法



人件費の計算方式は、以下の通りです。

人件費 = 付加価値額 - 人件費以外の費用

 

付加価値額とは、下記4種類の費用をまとめた金額のことを言います。

 

  • 人件費
  • 企業運営費
  • 経常利益
  • 減価償却費


人件費の計算方法は、上記4項目の合計から人件費以外の費用を引くだけなので、シンプルです。人件費のみを求める場合、それ以外の項目をあらかじめまとめておくとスムーズでしょう。なお、人件費には給与や社会保険料の他に、会議費や接待交通費なども含まれます。


              

3.労働生産性の判定方法



労働生産性の良し悪しを適切に判定するためには、下記3つの観点を用いましょう。

 

  • 経年比較
  • 属性(KPI)比較
  • 他社比較

 従業員数や利益などは増減しやすいので、労働生産性も変化しやすいです。定期的に労働生産性を記録し、過去の数値と比較することで、算出した労働生産性を適切に扱いやすくなります。

 

また、部門によって測定すべき労働生産性も異なるでしょう。正確に測定するには、部門ごとにKPIを設定することが重要ですKPIとは、「1人当たりの売上高」や「年次有給休暇取得率」など、目的に応じた測定項目のことです。長時間労働は経営陣にとっても懸念材料になるため、適切なKPIを設定し、効率良く生産性の向上を目指しましょう。

 

算出した労働生産性は、必要に応じて他社と比較することも大切です。特に、残業時間や有給休暇の取得率は、応募者も注目しやすい項目です。より多くの優秀な人材を確保するために、他社が算出する労働生産性の数値も意識しながら取り組みを進めましょう。


        

4.労働生産性向上の4つのメリット


どの企業においても、労働生産性の向上を図ることは可能です。労働生産性の向上に取り組むと、以下4つのメリットがあります。

 

  • 人手不足の解消
  • 同業他社との競争力アップ
  • コスト削減
  • 労働者のワークバランス向上

 近年では人手不足が叫ばれており、業務内容の改善に悩む企業も多いことでしょう。以下では、それぞれを詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

          

4-1 メリット①人手不足の解消


労働生産性の向上は、人手不足の解消に役立ちます。企業にとって、事業の成長や売上アップのために、労働者の確保は非常に重要です。しかし、現代の日本は労働人口が減少しており、単純に人員を増やすという方法を取りにくい企業もあるでしょう。

 

労働生産性を算出すると、事業の改善点を見つけやすくなります。必要に応じて新しいシステムを導入できれば、少ない人員でも生産性の向上が見込めます。

           

4-2 メリット②同業他社との競争力アップ

労働生産性の向上によって、企業としての競争力アップを期待できます。事業活動において、同業他社との競争は欠かせません。他社に負けないためには、少ないコストで多くの利益を生み出す工夫が必要です。高品質な商品を限られたリソースで作り出せるように、付加価値労働生産性の計測と向上に取り組みましょう。

商品の付加価値をアップさせるのに大切なことは、他社にはない魅力やメリットを加えることです。付加価値労働生産性を他社と比較し、現状での自社の強みと弱みを客観的に分析してみましょう。自社ならではの強みが分かれば、競争力アップにも取り組みやすくなります。

           

4-3 メリット③コスト削減



無駄なコストが削減できることも、労働生産性を向上させるメリットです。特に、物的労働生産性や人件費を分析することは、コスト削減に有用です。

 

従業員1人あたりの生産性が高まれば、より多くの利益を短時間で生み出せます。また、現状の生産性を把握できると、必要に応じて新システムの導入なども検討しやすくなるでしょう。初期投資は必要ですが、長期的な視点ではコスト削減につながります。

                   

4-4 メリット④労働者のワークライフバランス向上

労働生産性の向上は、従業員のワークライフバランスの向上にも役立ちます。ワークライフバランスとは、仕事と生活両方の充実性を指す言葉です。労働生産性が向上し、限られた時間で高品質なサービスを生産できるようになれば、長時間労働などの従業員の負担も軽減できます。

 

ワークライフバランス向上に役立つ企業の取り組みとして有名なものが、働き方改革です。下記の記事では、働き方改革の詳細を解説しているので、興味がある人は併せてご覧ください。

働き方改革が注目される背景とは?導入のメリット・デメリットも解説」

イーウェルで提供している全てのサービスをご紹介!

5.労働生産性向上の4つのポイント


労働生産性の向上を図るには、下記4つのポイントに着目しましょう。

 

  • 現状分析
  • 無駄な業務の削減
  • 新システムを導入
  • 従業員のスキルアップ

現状分析から始め、必要に応じてシステムの導入やスキルアップの支援などを行うと、生産性の向上が期待できます。以下では、それぞれ詳しく解説します。



          

5-1 ポイント①現状分析

生産性の向上を図るには、費用対効果などの現状分析から始めることが重要です。日頃の業務を可視化し、どのタスクにどれほどの時間がかかっているかを明確にします。また、人手を優先的に補うべき場所があるかどうかも検証しましょう。

 

業務を可視化する際には、現場の従業員や担当者としっかり話し合うことが大切です。業務に対する不安や不満などを洗い出すと、あらゆる課題を把握しやすくなります。

           

5-2 ポイント②無駄な業務を減らす



生産性向上のため課題を把握した後に行うべきことは、無駄な業務の削減です。従業員が現状のタスクで手いっぱいの状態では、新規事業やさらなるサービスの向上に取り組みたくても着手できません。日々の業務を見直し、無駄を減らせれば、生産性も向上するでしょう。

 

具体的には、マニュアルの改訂がおすすめです。従業員は決められた流れに基づいて業務を進めています。すでに作成されているマニュアルを見直し、無駄な箇所を削除しましょう。また、担当者によって作業の進め方にムラができないよう、作業内容を細かく決めることも重要です。


           

5-3 ポイント③新システムの導入

新システムの導入も、生産性の向上に役立ちます。業務内容に適したITシステムを活用すれば、人手不足の解消やヒューマンエラーの予防が期待できるでしょう。初期費用がかかってしまいますが、結果的に生産性が向上するので、長期的なメリットは大きいです。

 

例えば、従業員同士で使えるチャットツールを導入すると、下記のような情報共有も行いやすくなります。

 

  • 取引先との商談や社内会議の内容の共有
  • 業務マニュアルの共有

 

資料のペーパーレス化なども併せて進めれば、さらに効率は良くなるでしょう。ツールを導入した社内コミュニケーション方法の詳細は、以下で詳しく解説しています。興味がある人は、併せてご覧ください。

「オンラインでつながる社内コミュニケーションとは」


      

5-4 ポイント④従業員のスキルアップ

労働生産性の向上には、個人のスキルアップも欠かせません。新システムの導入でカバーできれば理想的ですが、中にはITシステムでは代替できない難しい業務も発生します。

 

資格取得の支援や定期的な研修などを行い、従業員のスキルアップをサポートすることが大切です。システムで代用できる業務と人間が行うべき業務を明確化し、従業員のスキルアップとともに全体としての生産性向上を目指しましょう。


        

6.生産性向上施策の企業の導入事例



多くの企業が、労働生産性の向上を推し進めています。ここからは、長期的なコスト削減や売上向上の取り組みに成功した下記2つの事例を紹介します。

 

  • 導入事例①営業所のお客様対応業務をコールセンターに集約
  • 導入事例②チャットツールで情報共有を簡素化

 それぞれ詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

          

6-1 導入事例①営業所のカスタマー対応業務をコールセンターに集約

1つ目は、負担の大きい業務を独立した部署で対応することで、スタッフの負担が軽減された事例です。ダイニチ工業株式会社では、カスタマー対応を各営業所が行なっていました。そこで、本社にコールセンターを設置し、カスタマー対応を集約する形へ変更します。

 

コールセンターに寄せられた要望は、必要に応じて各営業所へ割り振られる仕組みを作りました。その結果、各営業所の負担が軽減され、定時退社や有給休暇の取得しやすくなったのです。

 

また、コールセンターではシフト制で専門のスタッフが担当するため、24時間の対応も可能です。顧客の都合に合わせて問い合わせられる体制を作れたことも、成果の一つです。

           

6-2 導入事例②チャットツールの導入で情報共有が簡単に

2つ目に紹介するのは、ITシステムの導入で業務の負担を軽減できた事例です。ESMシステム株式会社では、口頭でのコミュニケーションが多く、伝達内容を確認するにはメモを取ることが必須でした。そこで、業務効率や記録のしやすさを向上させるために、チャットツールを導入しました

 

後からでも連絡内容を確実に確認できるようになったので、コミュニケーション面でのトラブルの減少に成功しています。また、ツールによっては業務遂行に必要な申請などをチャット上で行えます。業務にかかる待ち時間が軽減されたことで、スピード感を持って仕事を進められるようになったようです。


        

7.まとめ 現状分析で業務サポートツールを活用しよう



労働生産性の意味や計算方法、向上させるためのポイントなどを紹介しました。労働生産性の計算方法は複数あるので、企業の業務内容によって適切に使い分けましょう。また、労働生産性を確実に向上させるには、現状分析を徹底することが大切です。

 

必要に応じてITシステムや新たな制度などの導入を検討すれば、結果的に他社との差別化を図れるかもしれません。今回の記事を参考に、労働生産性の向上を推し進めていきましょう。

 

監修者 株式会社イーウェル ウェルビーイング経営推進室

    

Related keywords

Related article

Recommend

メルマガ登録

最新情報や
お役立ち資料を自動受信