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2024/03/01 (公開:2023/07/27)

ウェルビーイングに関する定期アンケート結果を公表~ 4年延べ約10万人対象。コロナ禍を経て、働く人々の実態に変化~


ウェルビーイングに関する定期アンケート結果を公表~ 4年延べ約10万人対象。コロナ禍を経て、働く人々の実態に変化~

株式会社イーウェル(以下「当社」)は、働く人々のウェルビーイングの変化を経年で調査するため、「Well-beingアンケート 働く人々の実態調査」を2019年から毎年度定期実施しています。

この度、健康経営およびウェルビーイング経営の研究を行う森永雄太氏(上智大学経済学部経営学科教授)に、最新の調査結果に関する総評をいただきましたので公表いたします。

当社では今後も森永氏と協力して働く人々のウェルビーイングの変化を調査すると共に、社会全体のウェルビーイング向上に取り組んで参ります。

▼アンケート結果を詳しくご覧になりたい方は、以下より資料をダウンロードしてください。

Well-beingアンケート




        

1.調査概要とサマリ


本章にて本アンケートの調査概要と結果のサマリを説明します。

   

1-1 調査概要

 

内容

企画・実施

 株式会社イーウェル

アンケート名称

 Well-beingアンケート 働く人々の実態調査

調査実施の背景

 ・当社の企業理念である「健康社会の実現」のため、働く人々の
  ウェルビーイングの経年変化を把握する

 ・特にコロナ禍においては人々の生活スタイルは大きく変化しているため、
  年1回定期的に実施することで細かい変化も正確に捉える

調査方法

森永氏監修の当社組織診断サービス「ウェルスコア」の設問を用いた独自WEBアンケート調査

調査期間

 計4回実施

 ①  2023年3月:有効回答数35,941名、回答者が所属する企業・団体数602

 ②  2022年3月:有効回答数20,352名、回答者が所属する企業・団体数541

 ③  2020年9月:有効回答数21,754名、回答者が所属する企業・団体数130 (※1)

 ④  2019年12月:有効回答数18,126名、回答者が所属する企業・団体数580

 ※1: 2020年9月分は対象企業・団体を限定して実施しております。


 

1-2 調査結果サマリ

①働く人々のウェルビーイングはコロナ禍において3年連続で低下

➁ウェルビーイングを下げている要因


 要因1:健康満足度の低下
      ストレス、プレゼンティズム、心身の不調に関する設問のネガティブ回答が経年で増加

 要因2:経済状況満足度の低下 
      現在の貯蓄状況、現在および将来予測される給与・賞与、将来の不測の事態(病気やケガ)、
             子育てに対する備えへの不安が2022年3月から2023年3月にかけて急増

 要因3:その他の低下要因

  • 「職場でのコミュニケーション不足」を感じている人が増加、特に個人業務が多い「カスタマーサポート・コンタクトセンター」でその傾向が強い
  • 「睡眠」「栄養バランス」など生活習慣に関する設問のネガティブ回答が2020年9月以降増加傾向 
 

2.本調査における「ウェルビーイング」の定義


コロナ感染拡大前の2019年12月から計4回実施した本調査では「ウェルビーイング(総合的な幸福度)」と「仕事・プライベート・生活習慣・健康・経済状況のという5つの要素の充足度・満足度」をそれぞれ10段階で自己評価していただいた結果の平均値を経年で比較、評価を行いました。

 

「5つの要素の充実度・満足度」それぞれの増減は「ウェルビーイング(総合的な幸福度)」の増減と高い相関があるとがわかっています。(5つの要素全てにおいて相関係数0.5以上) 



さらに本アンケートの設問(※2)は、各5つの要素をそれぞれの視点から細かく質問することで、働く人々の「ウェルビーイングな状態」を様々な角度から評価できるように設計しております。

 (※2)「要求度-資源モデル」「QWL(労働生活の質)理論」などを元に、森永氏のアドバイスを受けて設計した当社オリジナル設問(2023年3月は114問)




  

3.調査結果 詳細



以下より調査結果の詳細をご報告いたします。

 

本調査を行うことで、働く人々のウェルビーイングの経年変化を捉えることができました。

なお当社では組織診断サービス「ウェルスコア」を展開しております(本調査で実施したアンケート設問と同様)。概念的で捉えづらい「ウェルビーイングな状態」を可視化し、課題を見つけ解決までご提案いたします。


          

3-1 働く人々のウェルビーイングはコロナ禍において3年連続で低下


働く人々のウェルビーイングは、2019年12月以降、3年連続で低下しています。主な要因として5つの要素の内、「健康の満足度」「経済状況の満足度」が特に低下しています。「仕事の充実度」「プライベートの充実度」「生活習慣の健全度」は2020年9月以降、ほぼ横ばい傾向です。


 

            

3-2 ウェルビーイングを下げている要因1:健康満足度の低下


アンケート結果を細かく評価し、「健康の満足度」が経年低下している詳細な原因を深堀しました。

健康満足度を低下させている主な原因として、ストレス、プレゼンティズム、心身の不調に関する設問でネガティブ回答が経年で増加していました。左記傾向は、特に30代以降の世代が他と比較して増加率が高く、より心身への負荷がかかっている可能性が示唆されます。

   

3-3 ウェルビーイングを下げている要因2:経済状況満足度の低下


次に「経済状況の満足度」が経年低下している原因を深堀しました。

現在の貯蓄状況、現在および将来予測される給与・賞与、将来の不測の事態(病気やケガ)、子育てに対する備えへの不安が特に2022年3月から2023年3月にかけて急増しています。近年の物価上昇の影響が色濃く反映されていると考えられます。

 

3-4 ウェルビーイングを下げている要因3:その他の低下要因


その他、特徴的な低下要因も深堀しました。「職場でのコミュニケーション不足」を感じている人が2020年9月以降過半数以上となっており、特に個人業務が多い「カスタマーサポート・コンタクトセンター」でその傾向が強く出ています。

 

「カスタマーサポート・コンタクトセンター」では特に「同僚にどのような形で感謝や賞賛を伝えていいか分からない」と感じている割合が比較的高く、対策が求められます。

 

「睡眠」「栄養バランス」など生活習慣の設問のポジティブ回答が全体で2020年9月以降低下、全体の「週のリモートワーク実施日数」も2020年9月以降、経年減少傾向です。リモートワーク実施日数が少ない人ほど「睡眠」「栄養バランス」に関する設問のポジティブ回答が低下する傾向にあります。

 

アフターコロナにシフトするにつれて、リモートワーク実施率が減少すると共に、生活習慣も悪化しています。今後はリモートワークを行わない方への生活習慣サポートが重要になると考えられます。 


▼アンケート結果を詳しくご覧になりたい方は、以下より資料をダウンロードしてください。




       

4.総評 森永雄太氏(上智大学経済学部経営学科 教授)より

 

今回のリポートでは、株式会社イーウェルが実施してきた過去4年間の調査の結果が報告されており、2019年以来のウェルビーイングの動向や変化を把握する上で大変興味深い結果が示されています。ここでは調査結果のポイントとして2点を取り上げて考察したいと思います。

 

まず何よりも驚いたのが、2019年12月の初回調査以降、毎回ウェルビーイングの総合スコアが低下し続けているという点です。2019年からの4年間は、日本企業における従業員ウェルビーイングやウェルビーイングを重視するマネジメントに対する関心が高まってきた4年間ともいえます。

 

関心が高まる一方で、ウェルビーイングそのものが一貫して低下し続けているとしたら、何とも皮肉な結果といえるでしょう。この4年間はコロナ禍とも重なり、従業員の働き方や生活スタイルが大きく揺れ動きました。この間の変化が私たちのウェルビーイングに影響を与えている可能性も考えられますが、このような傾向が今後も続くのかどうかについて注意しつつ、然るべき対策を取っていく必要があるでしょう。

 

次に、ウェルビーイング低下の大きな要因として考えられるのが「健康の満足度」の低下にある点です。イーウェル調査では、ウェルビーイングを構成する次元として「仕事」「プライベート」「生活習慣」「健康」「経済状況」を想定しており、2022年から2023年にかけて低下したのは「経済状況」と「健康」であるとされています。

 

このうち「健康」は2019年の初回調査から低下を続けており、ウェルビーイング全体が低下する傾向の大きな要因となっていることがわかります。ウェルビーイングというと、ポジティブな感情を多く感じることなどを思い浮かべがちですが、それらの基盤となる健康状態も忘れてはいけないということを示しています。

 

この点について、より詳細に回答傾向を確認すると、ストレスを感じることに加えて頭痛や胃腸の不調といった症状をしばしば感じると回答している人の割合が増加しているようです。健康の側面からウェルビーイングの地盤沈下が起こらないような基礎固めが企業や経営者に求められているといえるでしょう。

 

なお本調査は日本の大企業で働く従業員を中心とした調査であり、直近の調査では35,000人以上が回答しているという点でかなり大規模な調査といえます。しかし一方で、調査対象者はサービス提供を行っている企業に限定されているという点でサンプルに偏りがあることは否めません。

 

また4回の調査の回答者数が異なることからもわかる通り、同一サンプルに対する調査を行っているわけではない点については、今回示された調査結果を経時的な変化として読み解く上で考慮する必要があるでしょう。

 

コーヒー

上智大学経済学部経営学科 教授 
森永 雄太  氏

≪略歴≫
神戸大学経営学研究科博士後期課程修了 博士(経営学)
専門は組織行動論・経営管理論
≪主要業績≫
『ウェルビーイング経営の考え方と進め方:健康経営の新展開』『職場のポジティブメンタルヘルス(共著)』等
日本労務学会研究奨励賞、経営行動科学学会発表論文優秀賞など。


5.組織診断サービス「ウェルスコア」のご紹介


当社組織診断サービス「ウェルスコア」は森永氏監修の元、設問設計を行っております(本調査で実施したアンケート設問と同様)。アンケートの結果を基に従業員の「ウェルビーイング」や「満足度」を数値により可視化。所属部門・性別・役職などの属性間の比較や他社比較によって課題を分析し、ソリューションの提案を行います。


 

5-1 他社サーベイと比較したウェルスコアの特長



①網羅性

  • 「ウェルビーイング」という網羅的な観点から課題を可視化
  • エンゲージメントだけでなく、バーンアウトに繋がる要因も可視化、課題として見える化します

②信頼性

  • ウェルビーイング経営の専門家による監修
  • 約10万件分のデータを使った統計解析により、信頼性の高いスコアリングロジックを実現
  • 他社比較はもちろん評価や行動履歴データとのクロス分析により、客観的に自社の強みと課題を把握できます

③具体的な施策のご提案

  • 分析結果のご報告のみにとどまらず、見える化した課題に対する具体的な施策までご提案いたします

 

▼お問合せはこちらまで

ウェルビーイングを可視化する組織診断サービス『ウェルスコア』|株式会社イーウェル


 

イーウェルで提供している福利厚生、健康経営などのサービスをご紹介!


株式会社イーウェル 運営会社ロゴ

著者情報

株式会社イーウェル ウェルナレ事務局

「人も、企業も、ウェルビーイングへ。」をテーマとして、企業の健康経営や福利厚生の支援を行う株式会社イーウェルが運営する、BtoB(人事総務向け)オウンドメディア「ウェルナレ」の編集部。
2021年7月にメディアリリース後、毎年60回以上、有名企業様とのコラボセミナーや官公庁の専門分野に特化した方を招いてのカンファレンス、大学教授による福利厚生勉強会の開催や専門家記事の掲載などを実施し、多くの方に好評いただいております。
人事部署や経営者が、会社のウェルビーイングを向上されるためのヒントを探して、日々活動しています。

 


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