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2024/01/15 (公開:2021/12/17)

レジリエンスとは?注目される理由や高い人の特徴を解説


レジリエンスとは?注目される理由や高い人の特徴を解説

「レジリエンス」という言葉を聞いたことはありますか?聞いたことがある方は、正しく意味を理解していますか?「レジリエンス(resilience)」とは一般的に「復元力、回復力、弾力(しなやかさ)」などと訳されます。この「レジリエンス」という言葉は、心の回復力(精神的な強さの指標の一つ)として心理学的な意味で使われる重要なものでしたが、近年は社会的にも注目されるようになってきました。

本記事では、ストレスを多くかかえている現代社会の生活を営むうえで注目を集めている「レジリエンス」について深堀していきます。

1. レジリエンスの意味について!

「レジリエンス」とは元々は工学や物理学の分野で使われていた言葉です。物質や物体に外力が加わると変形しますが、その時にどれくらいの力を吸収できることができるのか、また、どれくらの力で取り除くと元の形に戻ろうとするのか、この一連の流れが物質や物体の持つ「レジリエンス」です。

レジリエンスはその後、心理学的な意味で注目されるようになりました。第二次世界大戦下でのホロコーストの孤児の追跡調査により、元孤児には過去のトラウマから抜け出せないタイプと、克服して充実した人生を過ごすせるタイプの両方が存在することが判明しました。それよりレジリエンスの心理学的な意味合いが「困難や脅威に直面した時に上手く適応できる能力・上手く適応する過程・適応の結果」のように定義されるようになったのです。

           

2.レジリエンスが注目された背景は何?

当初、心理学的なレジリエンスは「精神の回復」として使われていましたが、近年では、社会的に広く注目されるようになってきました。その理由は社会の中で個人のパフォーマンス向上が求められるようになってきたからです。今の世の中を強く生きていくためには、ストレス耐性や変化に対する適応力・目標達成力などが重要と考えられるようになりました。これらを自身のものとして吸収するには、レジリエンスが役立つと認識されるようになったのです。

時代が進むにつれ、企業・従業員の業務は多忙となり、人間関係などのストレスが精神的な疲労へと誘います。特に働き盛りの年代の従業員は、精神的危機に直面することも増え、レジリエンスで耐性をつけておいた方が良いと考える企業が増えてきました。

このような背景により、レジリエンスは社会全般や各企業から注目されるようになったのです。

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3.レジリエンスが必要と思われる人材はどんな人

ビジネスの現場では、ストレスを柔軟に対処し自身で回復できる能力として、レジリエンスの必要性が高まっています。社会生活を営むうえではレジリエンスが低いよりも高い方が良いのは理解できますが、では実際にレジリエンスが低く、もっと必要だと思う人とはどのような人でしょうか。

以下にあげますが、皆さんそれぞれ何かしら当てはまるものがあると思います。まずは自分を客観的に見られるように、全てを受け入れるのも大事なことです。

3.1 すべてがマイナス側に動く

レジリエンスが低い人は、以下のようにマイナスに向ってしまう、または陥ってしまう人が多いようです。

  • ストレスを溜めやすい
  • 落ち込みやすい
  • 目の前の失敗にとらわれすぎる
  • 一喜一憂して結果ばかりに目がいく
  • 自尊感情が少ない
  • 自己肯定感が低い
  • 自分の強みよりも弱みに目がいく
  • なかなか立ち直れない
  • 生きる気力を持てていない
         

3.2 悪い方向に思い込む

レジリエンスが低い人は、以下のように、全てを「悪い方へ悪い方へ」と思い込む人が多いようです。

  • 他人を頼れずに一人で悩んでしまう
  • 過去のトラウマや不安を抱えている
  • 課題に対して最初からどうせ無理と決めつける
  • 自分の力を過小評価している
         

3.3 良い面もある

レジリエンスが低い人は、悪いことばかりではありません。以下のように良い面もあります。

  • 真面目で頑張り屋さん
  • 完璧主義でこだわりがつよい
            

4.レジリエンスが注目される理由は?

これまでもレジリエンスは精神の回復において重要なものでしたが、第2章で述べた通り現代においては社会的に広く注目されています。それは社会の中で1人1人のパフォーマンスの向上が求められるようになってきたなどの理由があります。

この章ではレジリエンスが注目されている理由3つを解説していきます。

          

4.1 ストレス耐性を高めるため

日々多忙な業務や職場での人間関係など、現代社会で生きていくにはストレスを避けて通ることはとても困難です。

ストレスへの対処が適切に行われないと、心身の疲労やうつ病などの精神疾患にかかってしまう危険性もあります。そのため、一人ひとりがレジリエンスを高めることにより、自分自身のストレス耐性を強くし、自ら心身の健康を保つことができるようになります。

                

4.2 変化への適応力を身に付けるため

ビジネスの現場では、日々さまざまなイレギュラーな場面に遭遇するため、適切に対処できる適応能力が求められます。たとえば転勤や職場異動、組織改革や吸収合併など、突然の変化が起こることもあります。勤務環境の変化は知らないうちに心身への負担となる可能性もあるため、状況に応じ柔軟な思考力が求められるようになります。

                

4.3 目標達成能力を養うため

新入社員や若手社員は自信の将来の基盤となる「強い思考」を身につけるため、レジリエンスの向上が重要です。新人の頃から失敗することを恐れて、何にも挑戦しない状態では、学びを研鑽する機会や将来へ飛躍する可能性を失ってしまいます。

また反対に、全てに意欲的で失敗しても前向きに立ち向かう思考があれば、多くの経験が可能となります。

新人だからこそ失敗の経験から学習し得られることも多いため、予めレジリエンスの向上に取り組み、「強い思考」を備えておくことで、今後の成長につながることが可能となります。

            

5.レジリエンスを持つ人材の共通点はあるの?

レジリエンスが高い人には共通する3つの特徴があります。ここでは「レジリエンス」を高める3つの要素について解説します。

          

5.1 新奇性追求

新奇性追求とは、新しいことを追求する気持ちのことです。

この要素が高いと、知らないことや体験したことのないものに興味や関心をもち、意欲的に取り組むチャレンジ精神が生まれてきます。何事にも果敢にチャレンジする主体性につながっていく要素のことです。

この要素が低いと、自分の範疇だけでの生活を好み、保守的な姿勢になってしまいます。他者とのかかわりや、知らないことへの探求心を意図的にさける傾向があります。

          

5.2 感情調整

自分の気持ちや感情をコントロールする力のことです。

この要素が高いと、自分の本心ではなくても、周囲の状況に合わせた会話や行動をとったり、それにより起こるストレス状況に応じて、自ら気分転換をしたりすることができるようになります。気持ちを穏やかにすることができ、自分の感情のムラにより仕事などに影響を及ぼすことが少なくなります。

この要素が低い場合、一時の感情に流されて本来の目的ではない言動をしたり、その場の雰囲気を壊してしまう行動をとってしまうこともあります。ADHDという「注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害」の傾向がある人も、この感情調整の要素が低く、感情をコントロールする力が弱いです。

            

5.3 肯定的な未来志向

未来や将来に対して肯定的に考えることができる力です。

単なる楽観的な態度だったり、あきらめによる怠慢的な態度ではなく、未来に向かって希望をもち、そのために努力できる力のことをいいます。この要素が高いと、将来に対して堅実な希望をもち、様々な障害などに対して努力することができるようになります。

例えば、ハードルの高い昇進試験あっても、その先の合格や昇進後をイメージしてポジティブに頑張ったり、諦めずに粘り強く取り組んだりすることなどが挙げられます。 この要素が低いと将来に悲観し、すぐに諦めの姿勢を示してしまうことが多いです。「やってもムダ」「将来的に何の役にたつのだろうか」などの理由で課題に取り組まないなど、否定的な考え方になり希望を見いだせないようになってしまいます。

     

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6.まとめ

現代のストレス社会の中で心身ともに健康を保ち、仕事で最大限の成果を出すためには、日々自分の周りに生まれるストレス耐性を強くしていくことが不可欠となります。もし、今の生活がストレスだらけと感じるならば、レジリエンスを高めるために自分の思考や感情、行動などに意識を向けることから始めるのもいいかもしれません。

さらにレジリエンスは、現代社会におけて成長していくためにも必要なものとなっています。レジリエンスは適応力や回復力を表すものとして、身につけることにより企業の存続に結び付く強さに繋がる重要なものと認識されるようになってきています。

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著者情報

株式会社イーウェル ウェルナレ事務局

「人も、企業も、ウェルビーイングへ。」をテーマとして、企業の健康経営や福利厚生の支援を行う株式会社イーウェルが運営する、BtoB(人事総務向け)オウンドメディア「ウェルナレ」の編集部。
2021年7月にメディアリリース後、毎年60回以上、有名企業様とのコラボセミナーや官公庁の専門分野に特化した方を招いてのカンファレンス、大学教授による福利厚生勉強会の開催や専門家記事の掲載などを実施し、多くの方に好評いただいております。
人事部署や経営者が、会社のウェルビーイングを向上されるためのヒントを探して、日々活動しています。

 


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