テレワーク導入には、どんな課題があるのか?

新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、2020年よりテレワーク導入企業が急速に広がりを見せています。
テレワークの導入により、柔軟な働き方になり、集中力やイノベーションが発揮しやすくなったり、ワーク・ライフ・バランスの実現がうまくできたり、と多くのメリットが挙れます。しかしその反面、テレワーク導入の勤怠管理上の問題点も浮き彫りとなってきました。
目次
1.テレワーク導入の問題点について
そもそもテレワークとは働く場所を特定せず時間にとらわれず、情報通信技術(ICT = Information and Communication Technology)を活用して働くスタイルのことです。
これまでの働き方では生まれなかった多くのメリットがある一方、実際にテレワークを導入すると様々な問題に直面したり、不安な気持ちになる社員もいます。
テレワークにおける問題点は大きく4つに分類されます。今回は「業務上の課題」「セキュリティ上の課題」「コスト上の課題」「準備や運用における課題」についてご紹介します。
1.1 問題点① 業務上の課題
企業内にてテレワークをしやすい部門とそうではない部門があります。
そのため、テレワークを実施できない部門で勤務する従業員が不満と感じる場合もあり、従業員間、部門間で不公平感が生まれる可能性があります。
また、製造業、サービス業、医療・福祉関連、運送業や建設業などテレワークの導入自体が難しい業種・業態もあります。
その他、コミュニケーション不足により従業員の生産性が下がったり、上司が部下の行動を把握しづらくなり人事評価や人材育成がしにくくなる場合もあります。
また、気楽に取引先との対面による商談ができなり、商談機会の減少の結果として業績が低下することもあり得ます。さらに、オンラインによるワークフローシステムが整備されていないことにより、上司や取引先からの承認に時間を要し、承認のために、わざわざ出社をしなければならないケースもあり、生産性が低下してしまいます。
1.2 問題点② セキュリティ上の課題
テレワークでは従業員一人一人が会社から貸与されたノートパソコンなどを使用することとなりますが、パソコンに対するウイルス攻撃やパソコン自体の紛失、不正アクセスなどにより情報漏洩が起きることがあります。
特に、近年注目されているシェアオフィスなどで勤務する場合は、資料の取り扱いやPC画面を開けたままの離席など細心の注意を払わなければなりません
1.3 問題点③ コスト上の課題
企業が新たにテレワークを導入する場合は、必要なシステムや機器の準備にコストがかかります。
例えば、従業員に貸与するパソコンやタブレットなどの情報端末の費用、Wi-Fiなど通信環境整備のための費用、勤怠・労務管理ツールやWeb会議ツールなどのクラウドサービス導入費用、ペーパーレス化を目的としたオンライン上で確認できるツール導入費用などが挙げられます。
1.4 問題点④ 環境整備や人事労務管理等の課題
自宅にてテレワークをする場合は、Wi-Fiなどの通信環境やパソコン、長時間の業務に適した机や椅子、静かな部屋などを整えなければなりません。
また、リアルタイムでのチームメンバーの進捗状況が把握しにくいため、自分に今求められているタスクが不明確になったり、管理者も明確な指示やアドバイスが難しくなったりして、プロジェクトの進行に支障をきたすこともあり得ます
従業員自身での自己管理も難しくなり、テレワーク中にサボってしまうこともあれば、一方で労働時間とプライベートの時間の線引きが難しくなり、過剰労働となってしまうこともあり得ます。
テレワークは成果で評価されることがほとんどのため、成果を出すためにサービス残業が増える懸念もあり、企業としても実際の労務実態を把握しにくいのが現実です。
その他、通勤時間の短縮に伴い運動不足に陥りやすくなります。
運動不足が積み重なると、肥満やメタボリックシンドローム、糖尿病、高血圧など、生活習慣病のリスクが増加することも危惧しなければなりません
2.企業担当者が勤怠管理でチェックすべきポイントについて
テレワークは新しい働き方として導入・検討する企業も増えている一方で、従業員の労務管理を行う難しさもあります。
従業員の顔が見えないからこそ、企業担当者が注意すべきポイントをクリアにしておくことが必要となります。
2.1 ポイント① 労働状況の把握
テレワークでは従業員が直接見えないところにいるため労働状況の把握が困難になります。
会社以外で出勤や退勤、休憩などを打刻できるシステムが無い場合、自己申告制となってしまうため、誤申告や転記ミスなどが発生する可能性があります。また、自己申告にするというのは、従業員間の平等性の観点からも課題が残ります。
2.2 ポイント② 評価が困難
従業員が働いている姿が見えないということは、業務目標に向けてのプロセスが見えないのため、成果主義に偏った評価となり従業員の評価が困難となります。
例えば、長時間残業をして成果が出なければ、あと少しというところだったとしても、賃金だけ多くて成果を出せていない悪い評価になります。テレワークにおいて評価する場合は、これまでとは異なる視点が必要となります。
例えば、長時間残業をして成果が出なければ、あと少しというところだったとしても、賃金だけ多くて成果を出せていない悪い評価になります。
テレワークにおいて評価する場合は、これまでとは異なる視点が必要となります。
2.3 ポイント③ 労災認定の線引きが困難
テレワーク中に病気や怪我が発生した場合、仕事が原因によるものかどうかの線引きが難しくなります。
例えば、テレワーク中に自室でつまづいて怪我をした場合、仕事中に起きた怪我ではあるものの、部屋を散らかしていたことが原因だとすれば、業務起因性はありません。
このように、テレワーク中の怪我や病気は、プライベートにおける要因となることもあり、労災認定の線引きが困難となります。
3.テレワークの勤怠管理おすすめツールをご紹介
テレワークの管理に役立つ、勤怠管理ツール選びには3つのポイントがあります。
- 導入後にかかる費用も含めてコストを計算する
- サポート内容や体制を確認しておく
テレワークにておすすめの勤怠管理ツールを3つ紹介します。
3.1 ツール① ジョブカン勤怠管理|株式会社Donuts
■ ツール情報
導入形態:クラウド
利用料金:初期費用0円、月額216円〜人
無料トライアル:あり
サポートエリア:サポート窓口あり
■ おすすめポイント
- 豊富な打刻方法で自動集計。給与計算ソフトとの連携も容易
- 業界、業種問わず利用可能
- 出勤管理のみならず、シフト、休暇申請、工数管理も可能
3.2 ツール② 勤怠システム「ジンジャー勤怠」|jinjer株式会社
■ ツール情報
導入形態:クラウド
利用料金:初期費用 要問合せ、月額400円〜人
無料トライアル:あり
サポートエリア:全国
■ おすすめポイント
- 充実サポート
- 勤怠管理データからエンゲージメントを人工知能(AI)が分析
3.3 ツール③ 「TeamSpirit」|株式会社チームスピリット
■ ツール情報
導入形態:クラウド
利用料金:初期費用15万円、月額3万円(50ID 600円/ID)〜
無料トライアル:あり
サポートエリア:全国
■ おすすめポイント
- 在宅勤務など多様なワークスタイルに対応
- Salesforce上で利用可能
- 従業員の勤怠状況を見える化。長時間残業も素早く察知
4.まとめ
新型コロナウィルスが収束するまでは、継続してテレワークでの勤務が必須となり、収束後も現在の働き方は元に戻ることはないとみられています。
テレワークは企業にとって人材の確保・保持や生産性向上などさまざまなメリットがあります。
従業員にとっても、柔軟な働き方が可能な制度であり、育児や介護と両立しながら仕事ができるというニーズにも応えることができます。
一方でテレワークの導入には勤怠管理の難しさやコミュニケーションが不足するというデメリットなど課題も解決しなければなりません。
テレワークを導入する際は、各社が抱えているそれぞれの課題を解決するためのツールの導入が不可欠となります。
チャットツールやWeb会議システム、勤怠管理システムなどのツールを用いることでコミュニケーション不足の解消や情報共有を促し、人事評価制度を整備していく必要があります。
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