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2024/03/01 (公開:2022/06/08)

ホワイトカラーエグゼンプションとは?問題点や導入のポイントを解説


ホワイトカラーエグゼンプションとは?問題点や導入のポイントを解説

「ホワイトカラー」という言葉はすでに定着し、皆さんもイメージしやすいのではないでしょうか。ホワイトカラーとはオフィスにてデスクワークをする人のことで、一般的にサラリーマンなどが該当します。反対の言葉として、肉体労働や製造業などに従事する人を指す「ブルーカラー」をイメージする人も多いのではないでしょうか。

では、「ホワイトカラーエグゼンプション(white collar exemption)」という言葉を正しく理解していますか?この言葉は、労働によって得られた成果に対して報酬が支払われる制度を意味します。基本的に残業代などは支給されません。

本記事では、ホワイトカラーエグゼンプションの制度が導入された背景から制度の内容、また、メリット・デメリットなどについて細かく解説していきます。


         

1.ホワイトカラーエグゼンプションとは?

ホワイトカラーエグゼンプションとは、アメリカで誕生した制度で、欧米諸国に広まった制度です。日本でもホワイトカラーエグゼンプション制度を参考にして「高度プロフェッショナル制」が導入され、注目されている制度でもあります。

 

ホワイトカラーエグゼンプションは、専門職、管理職、経営コンサルタントなどのホワイトカラー労働者の一部を対象としており、主に労働時間という概念がなくなります。

 

例えば、一般の労働者には、決められた労働時間を超過して労働をさせてはならないという法律があったとしても、ホワイトカラーエグゼンプションの労働者に対しては、何時間働いても違法にならないという制度が適用されます。

 

ホワイトカラーエグゼンプションの制度では、企業としては、労働時間ではなく、成果のみで評価することが可能となります。労働者としては、決められた労働時間にとらわれず、自分の采配で労働時間を決めることが可能になりますが、法律による保護を受けられなくなります。

          

1-1 導入の背景

ホワイトカラーエグゼンプションという制度は、1938年にアメリカで生まれました。一定の要件を満たす労働者に対しては、時間外労働などによる割増賃金を支払う義務がなくなるというものです。

 

その一定の要件を満たす労働者のほとんどがホワイトカラーであったことと、「除外」という意味の言葉が組み合わさって、「ホワイトカラーエグゼンプション」という言葉が生まれました。「一定の要件を満たす労働者」の対象については、見直しが継続されています。

 

かつて日本でも、労働時間に応じて給与が支払われることが原則とされてきました。しかし、ダラダラと業務行うことによって、残業代を受け取ろうとする労働者も発生するという弊害もおきました。

 

ホワイトカラーは「考えること」が重要な業務であるため、労働時間で管理することは、ホワイトカラーの就業実態には合致するものではありませんでした。そこで2005年に、日本経済団体連合会が、日本でのホワイトカラーエグゼンプションの導入を推進することになったのです。

 

その後2014年6月、安倍内閣のもとアベノミクスの成長戦略である「日本再興戦略改訂版」を閣議決定しました。その中に「新たな労働時間制度」盛り込みました。その「新たな労働時間制度」がホワイトカラーエグゼンプション制度の創設となります。

 

さらに厚生労働省労働政策審議会は、2015年2月に「今後の労働時間法制等の在り方について(報告)」という報告書を取りまとめ、ホワイトカラーエグゼンプション制度の創設を含む労働基準法改正法案が国会に提出されました。

          

1-2 制度の内容

厚生労働省労働政策審議会の「今後の労働時間法制等の在り方について(報告)」では、ホワイトカラーエグゼンプション制度を「特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)」と表現しています。この制度の創設について、以下のように説明しています。

《特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設》

時間ではなく成果で評価される働き方を希望する労働者のニーズに応え、その意欲や能力を十分に発揮できるようにするため、一定の年収要件を満たし、職務の範囲が明確で高度な職業能力を有する労働者を対象として、長時間労働を防止するための措置を講じつつ、時間外・休日労働協定の締結や時間外・休日・深夜の割増賃金の支払義務等の適用を除外した労働時間制度の新たな選択肢として、特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)を設けることが適当である。

なお、使用者代表委員から、高度プロフェッショナル制度は、経済活力の源泉であるイノベーションとグローバリゼーションを担う高い専門能力を有する労働者に対し、健康・福祉確保措置を講じつつ、メリハリのある効率的な働き方を実現するなど、多様な働き方の選択肢を用意するものである。労働者の一層の能力発揮と生産性の向上を通じた企業の競争力とわが国経済の持続的発展に繋がることが期待でき、幅広い労働者が対象となることが望ましい。

※引用元:労働政策審議会「今後の労働時間法制等の在り方について(報告)」

https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11201250-Roudoukijunkyoku-Roudoujoukenseisakuka/houkoku.pdf

                

2.ホワイトカラーエグゼンプションの対象者や業務

ホワイトカラーエグゼンプション制度が、どのような経緯で導入されたかなど、詳細をご理解いただけたでしょうか。ホワイトカラーエグゼンプション制度を導入するには、細かい規定があります。本章ではこの制度の対象となる労働者と、業種について解説します。

          

2-1 対象となる労働者

ホワイトカラーエグゼンプション制度の対象となる労働者は、一定の年収条件を満た していることが必要となります。具体的には対象の労働者に対して、年収1,075万円以上(平均賃金の3倍以上相当)を支払わなければなりません。

 

また、高度プロフェッショナル制度を導入することによって、残業時間に対する割増賃金の支払いがなくなるなどの理由により、対象労働者の収入が導入前よりも下ってしまうことが禁止されています。これは、この制度の対象となる労働者のモチベーションにもつながるため、導入においては重要な条件となります。

 

なお、年収1,075万円以上というのは、支払われることが確実な給与で、業績成果などにより、支払われないこともあり得る賞与などは、この年収に含んではいけないこととなっています。

 

対象となる労働者は、以下の通り職務の範囲を明確に記されています。

①使用者との間の書面による合意に基づき職務の範囲が明確に定められている労働者

②年収が平均給与額の3倍を相当程度上回る労働者

          

2-2 対象となる業種

高度プロフェッショナル制度の対象となる業種は、専門的かつ高度な能力や知識を持つ労働者が対象とされ、具体的には、金融商品開発、金融商品ディーリング、アナリスト、コンサルタント、研究開発などの業種を例示しています。よってオフィスワーカーの職種のみが対象となり、肉体労働を行うブルーカラーの労働者などは、高度プロフェッショナル制度の対象ではなくなります。

 

制度が適用される職種の範囲や性質も限定されています。基本となる要点は「労働時間と労働成果が比例しない」という職種の特性となります。それと同時に、専門性の高い職務に限られます。

 

また、高度プロフェッショナル制度に基づく対象従業員の職務は、労働契約において明確に定められなければなりません。以下の業務がその一例です。

 

①4週間を通じ4日以上かつ1年間を通じ104日以上の休日を与えること

②対象労働者の同意が必要なこと

③制度導入には労使委員会の決議が必要なこと


              

3.高度プロフェッショナル制度とホワイトカラーエグゼンプションの違い

「高度プロフェッショナル制度」とは、欧米の就業形態である「ホワイトカラーエグゼンプション」の制度を、日本流にアレンジしたものです。

 

高度プロフェッショナル制度とは前述の通り、一定の要件を満たす労働者に対して、労働基準法における残業時間や休日勤務など、一部の規定を対象外とする制度のことです。これは「働き方改革」の一環として、専門性の高い労働者に対して、より自由な働き方を提供することが前提となっています。

 

欧米におけるホワイトカラーエグゼンプションとは、「ホワイトカラー」に分類される一部の労働者の業務は、労働時間とその労働に対する成果が比例しないという考え方に基づいています。

 

よって、ホワイトカラーエグゼンプション制度も高度プロフェッショナル制度も双方ともに、労働に対する報酬というものは、費やした時間に支払われるのではなく、生産した成果に対して支払われるものとして、「成果主義」や「能力主義」の考え方に基づく制度と位置付けられています。

 

特にアメリカの企業では、職務をベースとした人事管理を進めており、「職務記述書」が重要な役割を担っています。すでに、2003年にはアメリカの83%の企業に「職務記述書」が用意され、そこには、ホワイトカラーエグゼンプション制度の利点が強く主張されています。

 

その「職務記述書」により、担当業務が明確化され、自由度の高い働き方が実現しているのです。結果として、労働者各人がマイペースに業務を遂行することが可能となっています。

 

それに対して日本企業では、社内の組織に部や課があり、各課に労働者が配置される仕組みとなっています。そのため、部や課には、組織の責任や担当業務を示す業務分担が明確に定められていますが、各課に配属される労働者一人ひとりの職務内容は明確とはなっていません。これは、労働者個人個人のホワイトカラーの職務内容や職責が不明確であることを物語っています。

 

その結果として、上長や部署のメンバーと調整をとりながら業務を行うこととなり、情報共有や業務の進捗・調整のための会議などが多くなり、労働者は自立して職務遂行をすることができなくなります。また、企業の経営の都合などにより、担当業務の範囲は常に変化するため、個人による長期的・計画的な業務遂行も困難となるのです。

 

さらに日本は、長時間労働などによる健康リスクやメンタルヘルスなどの問題が、よくテレビや新聞などの報道で取りざたされています。その一方、労働生産性については、欧米などの主要先進国と比較すると、非常に低い位置にいる状態です。

 

これは、日本人特有の「付き合い残業」や、集団主義による非合理性の象徴とも言えます。同じ労働量にも関わらず、時間内で全ての業務をこなして帰る社員よりも、残業して頑張っているように見せかける社員の方が評価されるということは、よくあることではないでしょうか。

 

このような課題を是正するためにも、「高度プロフェッショナル制度」をさらに普及させていく必要性があるかもしれません。


        

4.ホワイトカラーエグゼンプションの問題点

日本の企業では、ホワイトカラーエグゼンプション制度を導入するには、まだ厚い壁があるようです。「職務を明確にできる」という要件を整えた人事管理をしている企業が、まだ少ないようです。この制度に必要とされる職務の明確化が簡単ではないからです。

 

その反面、欧米諸国では、労働者は特定分野における専門性を高めようとする傾向が強いため、その分野において能力の高い人は転職がしやすくなります。そのような労働市場では、長時間労働を強いられる問題のある職場において、優秀な人材が定着せず、すぐに離職をしてしまいます。よって、労働市場から過酷な業務を強いる企業が少なくなるのです。

以上のように、日本と欧米諸国とでは労働環境が異なっているため、欧米諸国にて導入されているホワイトカラーエグゼンプション制度を、そのまま日本で浸透させることは難しい状況です。ただし、日本の非合理的な労働環境や評価体制は、優秀な人材のエンゲージメントの低下を招いてしまい、さらには労働生産性をも低下させてしまいます。

日本の高度プロフェッショナル制度は、このような悪循環を抑止し、労働者と企業の双方にとって有益となる「働き方改革」として、さらに推進していかなければなりません。よって、今後も継続して、専門家たちからの意見を集約し、制度の現実化に向けてさまざまな方面から検討していくことが必要となります。

 

        

5.ホワイトカラーエグゼンプションのメリット

前章ではホワイトカラーエグゼンプション制度導入に向けた取り組みについて、成功しているアメリカと、浸透が困難な日本の違いを比較しました。日本はアメリカよりも遅れていると感じた方も多いかもしれません。しかし、今後の日本経済の発展のためにはホワイトカラーエグゼンプションは重要不可欠な制度でもあるため、以下メリットを確認し、導入に向け検討してみてはいかがでしょうか。



          

5-1 メリット① 労働生産性の向上

ホワイトカラーエグゼンプション制度の導入により、成果で評価されるようになるため、ダラダラと長時間労働することが削減し、労働生産性が向上することが期待できます。この「労働生産性」を向上させることは、国際競争力を高めるためにも重要なものとなります。

 

労働生産性は労働者一人あたり、または時間あたりに生み出される付加価値を表します。よって、同じ成果を出しても、それに費やした人数や時間が少ないほど労働生産性は高いという結果になります。

 

ホワイトカラーエグゼンプション制度を導入することで、労働者のモチベーションを向上させ、短時間で成果をあげられるようになり、それが労働生産性の向上につながるのです。

 

また、企業としてもダラダラと働いた分の無駄な残業代などを払わなくて済みます。従来の労働時間ベースでの働き方は、業務効率に優れた有能な労働者ほど不満をためていました。

 

ホワイトカラーエグゼンプション制度は、働いた「時間」ではなく「成果」によって評価されるという仕組みのため、業務負担の偏りや非合理な評価方法も改められ、有能な労働者の不満なども抑止されます。よって、有能な人材の離職リスクを軽減することが可能となるのです。

           

5-2 メリット② ワークライフバランスの実現

ホワイトカラーエグゼンプション制度を導入することは、正当な評価を受けられるようになり、それが納得した報酬につながるため、労働者の中には「専門性をより高めていこう」と、ワークエンゲージメントが向上することも特徴です。

 

ホワイトカラーエグゼンプション制度のもとでの労働者は、基本的に自身の判断で出社・退社の時間や休暇のタイミングを決定できます。さらに在宅勤務にしたり、早く成果を出して、残りの時間を自由に使えるなど、自分に合った形で柔軟に働けるようになります。そのため、自身で自己研鑽の時間に当てたり、育児や介護の両立も可能となります。ホワイトカラーエグゼンプション制度は、ワークライフバランスを整えやすく、自分に適したライフスタイルを実現しやすくなります。

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6.ホワイトカラーエグゼンプションのデメリット

4章でも解説した通り、日本においてホワイトカラーエグゼンプション制度を浸透・定着させるには、まだハードルが高く、時間も要しそうです。本章ではこの制度のデメリットを解説しますので、きちんと把握したうえで、前向きに導入を検討してみてください。

          

6-1 デメリット① 長時間労働の促進助長

日本では、ホワイトカラーという職務に対して、その内容や責任の重さ・所在が明確でないため、労働者個人の裁量だけで業務を進めるのは、困難な状況といえます。また、日本には終身雇用の側面が残っている特性があり、ホワイトカラーエグゼンプション制度を導入した場合、長時間労働を促進してしまう可能性があります。

 

個人差にもよりますが、効率よく短時間で成果を出せる有能な労働者もいるでしょう。その一方、成果を出すために長時間労働をした結果、過労による体調不良などを引き起こしてしまう労働者がいることも想定しなければなりません。よって、ホワイトカラーエグゼンプション制度を導入する場合、企業としては適切な量の業務を振り分けるということを意識しなければなりません。

 

日本におけるホワイトカラーエグゼンプション制度の対象業務には、研究開発やコンサルティングなど、すぐに成果が出るとは限らない業務も含まれています。無理に短期間での成果を期待することが、長時間労働の増加につながり、さらには過労により体調不良、精神疾患に陥る可能性もあることを認識しておかなければなりません。

           

6-2 デメリット② 時間外労働に対する補償がない

ホワイトカラーエグゼンプション制度では、労働時間の規制がなくなり、「時間外労働」という概念がなくなります。よって、時間外労働に対する賃金が支払われなくなるということとなり、労働者にとっては大きなデメリットとなるでしょう。

 

制度の導入前の金額よりも給与が減少しないということは、ホワイトカラーエグゼンプション制度にて定められていますが、労働時間の長さに対しては、一切評価されないこととなります。その結果、労働者はモチベーションが低下し、企業に対しての満足度も低下してしまう可能性もでてきます。よって、企業としても労働者に対して、適正な評価を行う必要性が出てきます。

 

さらに「時間外労働」という概念がなくなるということは、具体的には残業代や休日出勤手当など、時間外労働への補償が行われないということとなります。日本の「高度プロフェッショナル制度」は「残業代ゼロ法案」「定額働かせ放題法案」などと揶揄され、賃金問題を発生させる可能性もあります。


        

7.ホワイトカラーエグゼンプションを導入するポイント

4章の「ホワイトカラーエグゼンプションの問題点」でも触れましたが、日本企業でも今後は、ホワイトカラーエグゼンプション制度(=高度プロフェッショナル制度)を有効活用して、優秀な人材の能力をさらに高める努力をしていかなければなりません。それが日本経済の発展にもつながるからです。本章ではホワイトカラーエグゼンプション制度を導入する際の、注意すべきポイントを解説します。

          

7-1 ポイント① 選択的措置

選択的措置とは企業が対象者に対して、以下の具体的な項目から選択して実施することとなっています。

  

① 就業ごとのインターバル時間の確保及び深夜勤務の制限

② 健康管理時間の上限措置

③ 年間で連続2週間ないしは1週間×2回の長期休暇の付与

④ 臨時健康診断の実施と診断書の労働基準監督署への提出

 

これらの内容は、主に対象者の健康管理を目的としており、労働時間が不規則になりがちな対象者が、常に万全な健康状態で業務に取り組めることを促進しています。

           

7-2 ポイント② 就業時間の管理

高度プロフェッショナル制度の導入においては、対象者の健康管理時間を把握すること は重要なポイントとなります。健康管理時間とは、就労時間の管理のことを指します。労働者が企業の職場にいた時間と、その他の場所で労働した時間を合算したものです。これらの時間を全て自己申告制にしてしまうと、対象労働者の正確な健康管理時間の把握が不透明となり、企業は管理することが難しくなってしまいます。

 

よって、対象者が企業の職場にて業務をする場合は、一般的な雇用形態の従業員と同様に、タイムカードやPCの利用履歴など、客観的に取得できる方法で就業時間の管理をするなど、対象者の健康管理時間を正確に把握するための努力をしなければなりません。

 

ただし、近年は在宅勤務などの労働形態も増加しているため、事業所外で就労する場合のみ、従業員による自己申告も認められています。

           

7-3 ポイント③ 休日の管理

高度プロフェッショナル制度の対象者は、出退勤の時間や休日を自由に設定できます。ただし、最低でも年間107日以上、4週間で4日以上の休日を与えなければならないと、制度の中に定められています。よって、対象者が決められた日数分の休暇を取っていない場合、企業は対象者の健康面を守るためにも、対象者の休日取得を正確に把握し、本人に対しては、勤怠の是正をするように忠告をしなければなりません。

 

以上3つのポイントのうち、「就業時間の管理」と「休日の管理」は、絶対に必要な義務となっています。これらのポイントに共通することは、対象の労働者全ての健康管理を常に意識していかなければならないことです。

 

健康確保の措置が十分にとられていない場合、または、その他の要件の基準が満たされていない場合などは、高度プロフェッショナル制度の運用に対して機能していない企業とみなされ、労働基準監督署から制度導入の許可が得られないため、注意が必要となります。

        

8.まとめ

本記事にてホワイトカラーエグゼンプション制度の概要は、ご理解いただけたでしょうか。日本では「高度プロフェッショナル制度」として発足して、まだ成熟しているとは言い難い状況です。また、慎重論もあるため、多くの企業で導入されるには、さらなる検討も必要かもしれません。

 

ただし、高度プロフェッショナル制度を早急に定着させなければ、日本の経済は、どんどん世界からおいて行かれてしまうという危機感を持たなければなりません。既存の日本ならではの労働環境で良しとしている間は、高度な専門知識を持った人の輩出を阻止してしまう可能性があるからです。

 

高度プロフェッショナル制度の導入は、成果主義に基づき専門知識の高い人材を効率的に活用する場合に、有益な雇用形態となりますが、導入する際には、対象者の健康管理や各種要件の基準が定められているため、計画的に導入を推進していくことをおすすめします。

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著者情報

株式会社イーウェル ウェルナレ事務局

「人も、企業も、ウェルビーイングへ。」をテーマとして、企業の健康経営や福利厚生の支援を行う株式会社イーウェルが運営する、BtoB(人事総務向け)オウンドメディア「ウェルナレ」の編集部。
2021年7月にメディアリリース後、毎年60回以上、有名企業様とのコラボセミナーや官公庁の専門分野に特化した方を招いてのカンファレンス、大学教授による福利厚生勉強会の開催や専門家記事の掲載などを実施し、多くの方に好評いただいております。
人事部署や経営者が、会社のウェルビーイングを向上されるためのヒントを探して、日々活動しています。

 

    

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