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2024/01/15 (公開:2021/09/14)

製造業におけるDXの動向と重要視される理由について解説


製造業におけるDXの動向と重要視される理由について解説

製造業において、検査業務や組み立てなど、人が行っている業務は多く存在します。しかしここ数年、AIやロボットの発展が著しく、これまでは人でなければ難しいと考えられてきた業務がどんどんAIやロボットに置き換えられています。

今回はそのような製造業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)について解説します

 

1.製造業におけるDX動向

日経BP総合研究所が2020年12月に製造業を対象に行ったDX推進に関するアンケートによると、回答企業の78.5%が「DXを重要」と認識しており、44.9%が「すでにDXに取り組んでいる」と回答しています。製造企業各社のDX取り組みへの高い意欲がうかがえます。

その高い意欲の裏側には新型コロナウイルスの流行の影響が考えられます。世界的に今なお猛威を振るっている新型コロナウイルスは、短期間で人々の暮らしや産業界の常識を覆しました。製造業においては、サプライチェーンの分断や生産停止など多大な被害が発生しています。また、コロナが終息した後でももはや従来の通りに戻ることはないとの見方が一般的になりました。今後、より加速するであろう外部環境の変化に対応するためにはDXはかかせない方法となるでしょう

引用元:『日経クロステック』https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/05464/


2. 製造業でのDXが注目される理由について

製造業でDXが注目されるのには、世の中の動向と絡み合った理由があります。ここではDXが注目される3つの理由を説明します。 

理由①生産年齢人口の減少

国立社会保障・人口問題研究所の発表によると、2060年の生産年齢人口は4,418万人と2010年比較で45.9%まで減少すると見込まれています。減少の要因には少子高齢化に加え、生産年齢人口の多くの割合を占めていた団塊世代が現役を引退することも一因とされています。労働力減少を補うためには、新規・中途採用強化はもちろんですが、加えて生産性向上が不可欠です。経験や勘に頼った商品企画・開発を続けてしまうことで、ベテランの働き手が引退することにより、うまく技術継承ができずサービスレベルが維持できないリスクもあります。属人化された業務を見直し、システム化・自動化を進めていかなければなりません

 

理由②2025年の崖

「2025年の崖」とは2019年経済産業省が発表した、「DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~」内で言及された問題です。既存のシステムの複雑化・老朽化・ブラックボックス化が残ってしまうと、2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性があるとしています。これがいわゆる「2025年の崖」と言われています。

同レポート内では、2025年までの間に、複雑化・ブラックボックス化した既存システムについて、廃棄や塩漬けにするもの等を仕分けしながら、必要なものについて刷新しつつ、DXを実現することで、GDPの押し上げを実現するとしています

 

理由③消費行動の変化

スマートフォンが当たり前の時代になってから早数年、若者はもちろん年齢に関わらず多くの方が使用し、生活になくてはならないデバイスになっています。その結果、消費行動にも変化が起きています。店舗に足を運び、実物を見て購入する方法から、スマートフォンで商品を検索・比較し、購入まで完了する、というのが当たり前になっています。

この流れは新型コロナウイルスの流行で、さらに加速することとなりました。それに伴って「D2C」と言われる、メーカーが、商品を仲介業者や店頭に商品を出すことなく、ECサイトを構築し、直接ユーザーに販売するビジネスモデルも増えてきています。

マーケティング、販売、商品開発においても、消費者のニーズ変化を敏感にとらえ、これまでの業務のやり方を変える必要があります。そのためには、業務に関するデータの収集、統合、分析を行える環境を整える必要があるでしょう


3.製造業におけるDXの事例について

では、製造業の企業は具体的にどのような形でDXを導入しているのでしょうか。ここでは実際にDXを導入している事例紹介をいたします。

事例①安川電機

「データを世界の共通言語に」をスローガンとし、独自のDX推進を行っているのが安川電機です。これまで、同じものを表すためでも拠点・部門・子会社ごとに設定しているデータ項目が異なり、データの一元管理・分析ができていない。また、経費精算方法や伝票が拠点や子会社ごとに異なり、1製品あたり、どれだけの開発リソースが掛かっているのか把握できない状況でした。

取り扱うデータ1つ1つに「1つの意味」を与え、項目、指標を統一することで、経営状況や経費、工場の稼働や品質などをリアルタイムで把握できる仕組みづくりに取り組んでいます。結果、今では約70社ある連結の四半期決算のデータを1週間で確定できるようになっているそうです


参照元:『MONOist』 https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/2006/15/news070.html

 

事例②ダイキン工業

ダイキン工業の拠点は、生産拠点が84拠点、商品開発拠点が10拠点と、グローバルな開発、生産体制を構築しています。そんな中で課題に上がったのが、グローバルでの熟練技術者の不足、および熟練技術者の引退に伴う技能伝承です。ダイキン工業は日立製作所と協力し、作業工程のデジタル化を推進しました。熟練技術者の動きや状態をシステム上計測・解析し、技能とノウハウをデジタル化することで、訓練期間が従来の半分に短縮できたといいます

参照元:『MONOist』 https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/2102/09/news049.html

事例③アサヒグループホールディングス

アサヒグループホールディングス(アサヒグループHD)では、経営理念「Asahi Group Philosophy」に基づき「Value Creation(新価値創造取組)」を推進しています。その核にDXを位置付け、データ統合、分析基盤を整備してきました。

よりDXを推進していくにあたり、事業担当者とデータ分析者をつなぐ人材「ビジネスアナリスト」の育成に力を入れています。2021年4月から展開している育成プログラムは、536名の社員が受講しており、グループのユーザーデータの活用がより一層進むことが期待されています


『アサヒグループホールディングス株式会社』  https://www.asahigroup-holdings.com/pressroom/2021/0607.html



4.まとめ

現在、様々な外部環境や要因にさらされている製造業において、DXは欠かせないキーワードとなっています。とはいえ、一朝一夕で実現できるものではありません。全社的かつ長期的な戦略の策定と推進できる体制構築が重要となります。この記事が取り組むヒントになれば幸いです

 

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著者情報

株式会社イーウェル ウェルナレ事務局

「人も、企業も、ウェルビーイングへ。」をテーマとして、企業の健康経営や福利厚生の支援を行う株式会社イーウェルが運営する、BtoB(人事総務向け)オウンドメディア「ウェルナレ」の編集部。
2021年7月にメディアリリース後、毎年60回以上、有名企業様とのコラボセミナーや官公庁の専門分野に特化した方を招いてのカンファレンス、大学教授による福利厚生勉強会の開催や専門家記事の掲載などを実施し、多くの方に好評いただいております。
人事部署や経営者が、会社のウェルビーイングを向上されるためのヒントを探して、日々活動しています。

 


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