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2024/03/01 (公開:2023/06/09)

働き方改革をわかりやすくご紹介 ~簡単に理解するために~


働き方改革をわかりやすくご紹介 ~簡単に理解するために~

企業が抱えている問題を解決するための、働き方改革。聞いたことはあっても、提唱された背景や具体的な内容がわからない人はいることでしょう。本記事では、そもそもの働き方改革の意味や、具体的な取組み内容をわかりやすく解説。

 

働き方改革に至るまでの取り組みや、提唱された背景も詳しくご紹介します。これを読めば、働き方改革の推進に向けて企業がどんなことに取り組んでいるのか理解できるでしょう。働き方改革について知りたい人は、ぜひ最後までご覧ください。

 

         

1.働き方改革とは?




働き方改革とは、企業や労働者が直面している問題を解決するための、国を上げた取り組みです。「労働者それぞれの状況に応じた、多様な生き方を選択できる社会の実現」を目的としています。

現在、国や企業が抱えている主な問題は、以下のとおりです。[注1]

  • 少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少
  • 育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化

 これらの問題をうけ、国や企業は次のような社会を目指しています。

  • 労働環境を改善するための投資やイノベーションによる労働生産性の向上
  • 就業機会拡大や個々の能力が生かせる社会の実現

 問題解決のための「労働生産性向上」と「就業機会拡大に向けたさまざまな施策」が働き方改革です。

 

[注1]厚生労働省「「働き方改革の」の実現にむけて」


   

1-1 働き方改革関連法とは

働き方改革の目的を達成するために、2018年7月6日に「働き方改革関連法」が公布されました。働き方改革関連法とは、労働関連の法律に加えられた改正の総称です。主な内容は、以下のとおり。[注2]

 

  • 時間外労働の上限規制
  • 年次有給休暇の時季指定
  • 同一労働同一賃金

 時間外労働の上限規制により、特別な事情を除き原則として残業時間の上限が「月45時間・年360時間」に定められました。特別な事情がある場合でも「年720時間・複数月の平均が80時間・月100時間」に抑えなければなりません。上記を超過した場合には、刑事罰が課せられます。

 

年次有給休暇の時季指定によって、労働者は最低でも年5日間の有給休暇を必ず取得できるようになりました。年5日間の有給休暇が義務付けられているのは、年10日間以上の年休が付与されている労働者です。企業側が違反した場合は、罰則規定(30万円以下の罰金)が適用されます。

 

同一労働同一賃金とは、正社員と非正規社員の雇用形態による待遇差を解消するための取り組みです。法改正により、非正規社員の労働に関するさまざまな法律が改正され、両者の格差解消に向けた取り組みが進んでいます。

 

[注2]厚生労働省「働き方改革ってなんだろう」

 

2.なぜ働き方改革をおこなうのか

 

働き方改革でおこなわれている主な取り組みは、以下の3つです。

 

  • 柔軟な働き方で労働力人口減に対応
  • 常態化する長時間労働を解消する
  • 正社員・非正規社員の不合理な格差を埋める

 働き方改革の狙いは、上記の取り組みを推進し、国や企業が抱える問題を解決することです。それぞれの取り組みを詳しく解説します。

 

          

2-1 柔軟な働き方で労働力人口減に対応

働き方改革は、労働者それぞれのニーズにあった働き方を柔軟に選択できる社会の実現を目指しています。柔軟な働き方ができれば、以下の3点から労働力人口の減少に対応できるでしょう。

 

  • 高齢者の雇用を増やす
  • 出産・育児による退職者を減らす
  • 副業やテレワークの促進

 働き方改革により、高齢者の雇用を促進して労働力人口の減少を食い止めることに寄与できます。年齢に関係なく働きたい人が自由に働けるように、労働環境の整備や制度の導入がおこなわれています。

 

女性がより活躍できる社会を作ることも、労働力人口の減少の防止には重要でしょう。女性の社会進出は促進されつつあるものの、現状では出産・育児を期に退職する女性が依然と多くいます。復職を望む女性も一定数いるため、子育てと仕事を両立できる環境整備が必要です。

 

副業やテレワークなどの柔軟な働き方の推進も大切です。育児や介護などがあり、生活と仕事の両立が難しいため、働きたいけれど働けない人もいるでしょう。テレワークなどの柔軟な選択ができれば、労働者の生活に合った働き方ができるため、労働力人口増加を期待できます。

   

 

2-2 常態化する長時間労働を解消する

常態化している長時間労働は、長い間問題視されてきました。働きすぎが原因と考えられる自殺や過労死など、事態は深刻化しています。死に至らずとも、長時間労働による疲労は、労働者の生産性低下にもつながる重大な問題です。

 

働き方改革では、残業時間の上限規制や有給休暇の取得など、長時間労働に対する取り組みにも力を注いでいます。
  

 

2-3 正社員・非正規社員の不合理な格差を埋める



働く人の労働環境を守るために、正社員と非正規社員の格差解消も重要です。これまで多くの非正規社員が、雇用形態の違いだけで不合理な格差をつけられていました。

 

就業内容に大きな違いがないのに、雇用形態の違いだけで格差が生じてしまうと、多様な働き方ができる社会は実現できません。働き方改革では「同一労働同一賃金」の考えのもと、正社員と非正規社員の格差を解消する取り組みが行われています。

 

3.働き方改革の2つのアプローチ



人口が減少している中で、労働力を確保する仕組みづくりをしていかなければなりません。働き方改革を推進していくためのアプローチは、以下の2つです。
 

  • 労働力を増やす
  • 生産性を向上させる

 人口増加が望めない状況下で労働力を増やすためには、就業機会の拡大や働き方の多様化が重要です。具体的には、高齢者の雇用や女性の社会進出支援、テレワーク導入などが挙げられます。

 

労働力を数でまかなう以外にも、労働環境の改善やITツールの導入による生産性向上も有効なアプローチです。労働力人口不足によって一人あたりの負担が増え、生産性が低下する負のスパイラルに陥らないよう、働き方改革の推進は重要です。

         

4.働き方改革のアプローチ①「労働力を増やす」



働き方改革の1つ目のアプローチは「労働力を増やす」です。以下では、アプローチが生まれた経緯や労働力を増やすための企業の取り組みを解説します。


   

4-1 これまでの経緯、働き方改革に至るまでの取り組み

働き方改革に至る以前から、労働力不足に対する以下のさまざまな取り組みが行われてきました。

年代

解決策

具体的な取り組み

2000年頃

出生率を上げて労働力人口を増やす

新エンゼルプラン

「出産・育児と働き方」の法整備

待機児童ゼロ

育休制度の充実と取得の促進

2010年頃

女性の社会進出

ダイバーシティ推進

男女の労働格差の解消

2015年頃

働き方の仕組みの変化

滅私奉公的な働き方の見直し

個人のニーズに合った働き方を提供する企業の増加


結果として「働き方そのものを変化させて労働力人口を増やす」方向に国や企業が舵を切り、働き方改革に至るのです。 

   

4-2 これから求められる「労働力を増やす」ための企業の取り組み


今後求められる「労働力を増やす」ための企業の取り組みは、主に以下の2つです。

  • 働き方の選択肢を増やす
  • 多様な価値観を取り入れる

 労働者のニーズに合わせた選択肢を提供することは、労働力確保において重要です。従来の「働く=フルタイム勤務」の固定観念を取り払って、労働環境を整備する必要があります。具体的には、以下の取り組みが有効でしょう。

 

  • 育児休暇
  • テレワーク
  • フレックスタイム
  • 時短勤務
  • ダイバーシティ
  • 副業

 働き方の選択肢を増やすことで、労働力の確保も進みます。企業は働き方以外にも、性別・年齢・人種などの枠にとらわれず、優秀な人材を採用しなければなりません。多様な価値観を持つ社員1人ひとりが、気持ちよく働ける環境づくりも大切です。

 

5.働き方改革のアプローチ②「生産性の向上」




2つ目のアプローチは「生産性の向上」です。深刻な人手不足が問題になっているなかで、生産性を向上させるさまざまな取り組みが推進されています。以下では「生産性」と「労働力不足」の関係性や、生産性の向上に関する施策を解説します。

 

5-1 「労働力不足」と「生産性の低さ」による負のスパイラル

労働力不足の中で生産性を向上させようとすると、単純なアプローチでは労働者1人あたりの業務量や労働時間が増えます。短期的には生産性が上がる可能性もありますが、長期的にみると労働者の負担が増え、生産性が低下するでしょう。

 

労働投入量を削減したうえで、労働者1人あたりの負担を減らすためには、業務の効率化が必須といえます。労働力不足のなかでも労働者の負担を減らすため、業務効率化は大きなテーマの1つです。


5-2 労働生産性の向上が人手不足を乗り越える方策に

業務を効率化して労働生産性を上げるためのポイントは、以下のとおりです。
 

  • 業務に集中できる環境作り
  • 情報共有や意思疎通の仕組み化
  • 無駄な業務の排除
  • 個人のスキルやモチベーションアップを狙える環境整備
  • ITやAI技術を使った効率化ツールの導入

 上記のポイントを押さえれば、従来の無駄が多い経営体質を改善できるはずです。労働生産性を改善すれば、社員1人ひとりの業務の質が向上し、魅力的な企業として求職者から注目されるでしょう。結果として、離職率の低下や採用活動における優秀な人材の確保など、人手不足解消につながります。

 

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著者情報

株式会社イーウェル ウェルナレ事務局

「人も、企業も、ウェルビーイングへ。」をテーマとして、企業の健康経営や福利厚生の支援を行う株式会社イーウェルが運営する、BtoB(人事総務向け)オウンドメディア「ウェルナレ」の編集部。
2021年7月にメディアリリース後、毎年60回以上、有名企業様とのコラボセミナーや官公庁の専門分野に特化した方を招いてのカンファレンス、大学教授による福利厚生勉強会の開催や専門家記事の掲載などを実施し、多くの方に好評いただいております。
人事部署や経営者が、会社のウェルビーイングを向上されるためのヒントを探して、日々活動しています。

 


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