1. TOP
  2. 働き方改革
  3. 休み方改革で会社の未来を変える ~働き方改革、次の一手~
2024/03/01 (公開:2022/03/03)

休み方改革で会社の未来を変える ~働き方改革、次の一手~


休み方改革で会社の未来を変える ~働き方改革、次の一手~

人生100年時代と言う言葉を聞いたことはありますか?

人生100年時代とは、「寿命が今後伸びていくにあたって、国 組織 個人がライフコースの見直しを迫られている」という内容を表す言葉として提言されており、日本政府でも人生100年時代構想会議が開催されています。その変容を直近で後押ししたのが、政府が掲げた施策である「働き方改革」です。

本記事では、「働き方改革」の次にすべきこと、「休み方改革」について解説していきます。

 ※本記事は、2021年9月16日に開催されたウェビナー『休み方改革で会社の未来を変える~働き方改革、次の一手~』の内容をもとに作成しています。

         

1. 働き方改革と背景

そもそも働き方改革とは何でしょうか。厚生労働省にて「働き方改革」を目指すものとして、以下のような説明があります。 

『日本が直面する「生産年齢人口の減少」「働く人々のニーズの多様化」などの課題に対応するために、「働く人の各々の置かれた事情に応じて、多様な働き方を選択できる社会を実現することで、働く人それぞれが、よりよい将来の展望を持てるようにすることを目指す。』とあります。 

つまり、働き方改革とは、長時間労働の是正や「雇用形態による待遇の不公平性の是正、テレワークなどの柔軟な働き方の環境整備」などが該当します。そのような働き方改革ですが、背景となった取組をご存じですか?それは2015年に日本政府が発足させた「一億総活躍社会」プランの実現です。この一億総活躍社会には以下の目的がありました。

  • 老若男女みんなが活躍できる社会
  • 個性と多様性を尊重され能力を発揮し生きがいを感じられる社会
  • 子育て支援や社会保障の強化で『成長と分配の好循環』を生み出していく社会

 

なぜ一億総活躍社会の実現を目指したのか、そこには重大な少子高齢化の問題がありました。現在日本では少子高齢化が急激に進んでおり、下図のとおり労働力人口も2060年には約2,500万人減少すると予想されています。40年後、2,500万人減と言われてもピンとこないかもしれませんが、現在10人で行う業務を6~7人で行う計算となります。


※ こちらの図は 国立社会保障・人口問題研究所「推計結果表」をもとにイーウェルで作成しています。

 

  現在までの背景をまとめますと、「少子高齢化で労働人口の減少が予測されるために、一億総活躍社会で労働人口の増加を目指す、その具体的な施策が働き方改革であり働く環境を整える」となります。

              

2. 休み方改革を知る

コロナ禍で少し意識が薄れたとはいえ、働き方改革については、多くの企業ができるところから取り組みを行っています。



さらなる取り組みとして、休み方改革に目を向けてみましょう。前章でも述べた通り、働き方改革とは「働く時間」にフォーカスを当てた、長時間労働の是正や生産性向上が目的の取り組みです。

一方、休み方改革は「休む時間」にフォーカスを当てた、休暇を取得しやすくする取り組みとなります。それは、働いている時間だけでなく、休む時間も質や量を担保することで、体調や体力の回復、家族や趣味と向き合う時間ができ、ストレスが解消され、仕事にも良い影響を与えられ、好循環を生み出します。よって、従業員のパフォーマンスを向上させるには、働き方改革とは別に、休み方改革も重要な取り組みとなるのです。


これより、「休み方改革」について詳しく説明してまいります。なぜ休み方改革なのか?以下のグラフからも分かるように、休み方改革ができた背景は、日本人の有休消化率の低さにあります。

 

※引用元:エクスペディア https://welove.expedia.co.jp/infographics/holiday-deprivation2019/

 

総合旅行サイト、エクスペディア・ジャパンが世界19カ国を対象に、毎年有給休暇の 国際 比較調査を実施しています。2019年の結果では、棒グラフからわかるように日本人は50%しか有休取得をしておらず、対象国の中で世界最下位となっているのが現状です。労働環境や働き方の変化に伴い、今まで以上にエンゲージメントが注目されてきていますが、その背景を具体的に見ていきます。

 

 

※引用元:エクスペディアhttps://welove.expedia.co.jp/press/40915/

 

同調査によると日本人は有給休暇を取得するのに、63%もの方が「罪悪感がある」と回答しています。「罪悪感がある」と答えた割合が最も多いのが日本であり、これが有休消化率の低さにつながっていると推測することができるのです。

 

ただ、最新の調査では2019年4月より始まった「年5日の有給休暇の取得義務化」 の影響もあり「上司や会社の休暇に対する協力体制」という点では改善の兆しがみられました。

 

■上司/会社が休暇取得に協力的か?に「はい」と回答した人の割合

※引用元:エクスペディアhttps://welove.expedia.co.jp/press/50654/)

 

協力的だと回答した人の割合が2020年は65%と、前年から12%分増加しています。このことから働き方改革がさけばれて 久しい昨今、有給休暇の取得に理解を示している人が増加していることがうかがえます。よって、休み方改革を加速させることに意味があるのです。

先ほど有給休暇取得に罪悪感を感じる人の割合のグラフをご覧いただきましたが、具体的にはどのような理由があり取得をためらうのでしょうか。

■有給休暇取得にためらいを感じる理由

引用元:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「働き方・休み方改革の取組及び仕事と生活の調和の実現に関する調査研究(労働者アンケート調査)」(厚生労働省委託事業)平成31年3月

https://work-holiday.mhlw.go.jp/holiday/manual_1.html

 

有給休暇の取得率が低い理由としては、「みんなに迷惑が掛かると感じるから」や「後で多忙になるから」など、職場環境や仕事の進め方に対する不安感があることが分かります。まずはこの意識の改革を行うことが休み方改革の成功の秘訣となるのではないでしょうか。

充実した福利厚生を目指すなら「WELBOX」

介護・育児・自己啓発・健康増進・旅行やエンターテイメントなど、多彩なメニューがパッケージとなっている福利厚生サービスです。
従業員のライフスタイル・ライフステージに応じて、メニューを選択しご利用いただくことが可能です。

3.  休暇を取ることの重要性

「休み方改革」については理解できましたか。本章では休暇を取るための重要性について、3つの視点で解説いたします。

          

3-1  「従業員」 目線での重要性(短期的)

先にも述べましたが有給休暇の取得率が低い背景の一つに、「自分が休暇をとることで周囲に迷惑がかかる」や「休暇前後に業務がかたよる」など、職場環境や仕事の進め方に対する不安感があります。

しかし、日々の忙しさを理由に、有給休暇をとらず長時間労働を続けていては、ストレスや疲労が蓄積し、かえって生産性が下がることが懸念されます。それが重大になると、心身ともに健康を害することも起こりえます。

これは企業にとっても大きな痛手となることは間違いありません。継続的に良いパフォーマンスを維持し、仕事で成果を出すためには、「そのうち休暇を取ろう」ではなく、「休暇を計画的に活用して定期的にリフレッシュし、そのことにより次の仕事にむけて心身ともにコンディションを整える」ことが重要なカギとなります。 

このようなワーク・ライフ・バランスの実現から、ストレスや過労による離職者の減少も見込められます。また仕事と休みのメリハリをつけることで新しいアイデアが生まれ、生産性の向上にもつながります。

        

3-2 「従業員」 目線での重要性(中長期的)

一昔前までは学校を卒業後に就職し定年まで働き続けるといった、ある程度「決まった仕事」人生の過ごし方をする方が大多数でした。

しかし、日本人の平均寿命が延び、人生100年時代といわれるようになった昨今、60歳代を超えても仕事を続ける人々や、現役世代のうちに勤務を続けながら、ボランティア活動やコミュニティの醸成、学びなおしなど、仕事以外の活動を行う人々も珍しくなくなってきました。

以前よりも長くなった定年後の人生を、自分にとって豊かなものにするためには、現役時代からライフプランを考えたり、仕事以外の環境や役割を確保する必要があります。人生全体を中長期的に見渡し、より充実した時間をおくる準備として、休暇を活用することが重要です。

        

3-3 「組織」 目線での重要性

最後に組織目線での重要性です。文頭にもお話ししましたが少子高齢化に伴う労働力人口の減少により、従来のような「男性正社員・長時間労働をいとわない働き方」を前提とした組織運営が限界に来ています。

 

男女ともに、育児、介護、治療などの両立リスクを抱える可能性があり、働く時間に制約のある人々が増えてきました。このように働く人々を取り巻く環境が変化した中でも、企業力の維持・向上を図るには、働く時間の制約の有無にかかわらず、誰しもが活躍できる職場づくりを行うことが必要です。
育児・介護・治療などの事情がなくても、全員が働く時間に限りがあることを認識し、時間をかけて成果を求めるのではなく時間あたりの生産性を高める働き方・休み方に改めなくてはなりません。休み方の改革によって、一人ひとりが働きやすく、働きがいのある職場づくりが実現でき、有能な人材の定着・確保も期待できるのではないでしょうか。

選択型福利厚生「カフェテリアプラン」

企業が従業員に一定のポイント(補助枠) を付与し、従業員は企業ごとに設計されたメニューの範囲内で自由に選び、 利用できる選択型の福利厚生制度です。

4. まとめ

会社・従業員が共に「働き方改革」を推進していく一つの視点として、「休み方改革」を解説しました。仕事の休み方の視点から働き方を見直し、より生産性を高め、優秀な人材を確保することにより「今後、寿命が伸びていくにあたって、国・組織・個人がライフコースの見直しを迫られている人生100年時代」への対応を進めてはいかがでしょうか。


株式会社イーウェル 運営会社ロゴ

著者情報

株式会社イーウェル ウェルナレ事務局

「人も、企業も、ウェルビーイングへ。」をテーマとして、企業の健康経営や福利厚生の支援を行う株式会社イーウェルが運営する、BtoB(人事総務向け)オウンドメディア「ウェルナレ」の編集部。
2021年7月にメディアリリース後、毎年60回以上、有名企業様とのコラボセミナーや官公庁の専門分野に特化した方を招いてのカンファレンス、大学教授による福利厚生勉強会の開催や専門家記事の掲載などを実施し、多くの方に好評いただいております。
人事部署や経営者が、会社のウェルビーイングを向上されるためのヒントを探して、日々活動しています。

 

    

Related keywords

Related article

Recommend

ダウンロード資料
♠最新人気ランキング♠

メルマガ登録

最新情報や
お役立ち資料を自動受信