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採用コストを削減するには?コスト増加の背景と具体的な削減方法を徹底解説


採用コストを削減するには?コスト増加の背景と具体的な削減方法を徹底解説

「求人広告にかける費用は年々増えているのに、なかなか採用につながらない」

「せっかく採用した人材がすぐに辞めてしまい、また採用費用がかかる…」

 

採用コストの高騰は多くの企業が直面している深刻な経営課題ですが、採用手法の見直しや定着率の改善といった施策を組み合わせることで、コストを抑えながら質の高い人材を確保することは十分に可能です。

 

マイナビの「中途採用状況調査2025年版」によると、2024年の中途採用費用は1社あたり平均650.6万円で、前年から21万円弱 増加しています。少子高齢化や採用チャネルの多様化が進む中、人材獲得にかかるコストは今後も上昇を続ける見通しです。

 

本記事では、採用コストの基本的な構造から増加の背景、そして人事担当者がすぐに取り組める10の削減施策まで、実践的な情報を網羅的に解説します。



 

1.採用コストとは

 

採用コストとは、人材の募集から入社後のフォローまで、採用活動全体を通じて発生する費用の総称です。大きく「外部コスト」と「内部コスト」の2種類に分けられ、これらを正確に把握することが削減の第一歩となります。

 

1人あたりの採用コストは「採用コストの総額÷採用人数」で算出でき、この数値を自社の基準として把握しておくことで、どの部分にムダがあるのかが見えてきます。


 

1-1 外部コスト

採用場面における外部コストとは、採用活動において社外のサービスや業者に支払う費用のことです。具体的には、求人広告の掲載費、人材紹介会社への紹介手数料、合同企業説明会やイベントへの出展費、採用パンフレットや動画の制作費、適性検査ツールの利用料などが含まれます。

 

中でも人材紹介会社を利用した場合の手数料は高額になりやすく、一般的に採用者の年収の30〜35%程度が相場です。管理職やIT人材など専門性の高いポジションでは、1人の採用に100万円以上かかるケースも珍しくありません。



 

1-2 内部コスト

内部コストは、採用活動のために社内で発生する費用を指します。採用や面接官を務める管理職や現場社員が費やす時間に相当する人件費、会社説明会や面接の会場設備費、内定者フォローのための懇親会費や交通費などが該当します。

 

内部コストは通常業務などに紛れて目に見えにくいため見過ごされがちですが、実際にはかなりの金額に上っていることがあります。採用担当者が日程調整や書類管理といった事務作業に多くの時間を取られている場合、人件費は大きく膨らんでいるでしょう。

 




2.採用コストは増加傾向にある

近年、採用コストは右肩上がりに増え続けています。

マイナビの調査では、新卒採用の1人あたりの採用単価は2023年卒の45.0万円から2024年卒では56.8万円へと、わずか1年で約12万円も上昇しました。

中途採用についても2024年の採用費用総額は平均650.6万円と前年を上回っており、企業規模を問わずコスト増の傾向が顕著です。

 

参考:中途採用状況調査2025年版(マイナビ)

 

この背景には、主に3つの構造的な要因があります。


 

2-1 少子高齢化による競争の激化

最大の要因は、少子高齢化による生産年齢人口の減少と、それに伴う人材獲得競争の激化です。日本の15〜64歳の生産年齢人口は年々減少を続けており、企業の採用意欲が高い一方で求職者の絶対数が減っている構図が定着しています。

 

リクルートワークス研究所の調査によると、2025年3月卒の大学生・大学院生を対象とした新卒求人倍率は1.75倍に達しており、売り手市場が一段と強まっています。限られた人材を多くの企業が奪い合う状況では、求人広告費の引き上げや待遇改善が不可欠となり、結果として採用コスト全体が押し上げられてしまいます。

 

参考:ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒)

 


 

2-2 採用チャネルの多様化

かつてはハローワークや求人誌が中心だった採用活動も、今ではSNS採用やダイレクトリクルーティング、採用動画、オウンドメディアなど多岐にわたるチャネルへの対応が求められるようになりました。

 

求職者との接点を広げるために複数のチャネルを同時に運用すれば、それぞれの利用料と運用にかかる工数が増大します。特に中小企業では、大企業ほど知名度がないぶん求職者に自社を知ってもらうための投資が必要になり、採用コストの負担が重くなりやすい傾向にあります。

 


 

2-3 入社後のミスマッチによる早期離職

コストをかけて採用した人材が早期に離職してしまうことも、採用コストを大きく押し上げる見落としがちな要因です。

 

マイナビの調査では、約4割の採用担当者が「離職リスクを懸念しつつ採用したが、やはり離職になった」という経験を報告しています。

1人が辞めれば欠員を補うために再び採用活動が必要になり、コストは実質的に2倍、3倍と膨らんでいきます。新卒に限っても3年以内の離職率が約3割に達している現状を踏まえると、「採用して終わり」ではなく入社後の定着までを視野に入れたコスト管理が欠かせません。

  
 

3.採用コストを削減する10の施策

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採用コストを抑えるためには、採用プロセスの効率化だけでなく、社員の定着率向上を含めた総合的な取り組みが重要です。ここでは、実践しやすい10の施策を紹介します。



 

3-1 定着率を上げる(離職率を下げる)

採用コスト削減を考えるとき、最初に目を向けるべきは「今いる社員を辞めさせないこと」です。いくら採用手法を工夫しても、入社した社員が定着しなければ同じコストが何度も繰り返し発生するからです。

 

離職が起きれば、その穴を埋めるための採用費用だけでなく、新しい社員の教育コスト、既存社員への業務負荷増大、チームの士気低下といった間接的な損失も生まれます。離職が連鎖的に起こる「負の連鎖」が起きてしまうと、組織全体の生産性が大きく落ち込む悪循環に陥ってしまうでしょう。

 

定着率向上のためには、適正な給与水準の維持、透明性のある評価制度の構築、ワークライフバランスの実現、そして後述する福利厚生の充実が効果的です。「採用」と「定着」を一体で考えることが、結果的に最も大きなコスト削減につながります。



 

3-2 採用手法を見直す

現在利用している採用手法のコストパフォーマンスを定期的に検証し、費用対効果の低いものは見直しましょう。

 

人材紹介に頼りきりの場合は求人広告やダイレクトリクルーティングの併用を検討する、逆に複数の求人媒体を使いすぎている場合は効果の高いものに集約する、といった判断が必要です。

 

各手法の「応募単価」「採用単価」「定着率」まで追跡することで、自社にとって最適な採用チャネルの組み合わせが見えてきます。



 

3-3 自社の採用サイトを整備する

自社の採用サイトは、求人媒体と異なり掲載費用がかからない貴重な採用チャネルです。社員インタビューや1日の仕事の流れ、職場の雰囲気が伝わる写真や動画を掲載することで、求職者の理解を深め、応募意欲の向上とミスマッチの防止を同時に実現できます。

 

大手HR専門メディアの調査では、新入社員の約8割が就職活動において企業ホームページを参考にしているという結果も出ており、採用サイトの充実度は応募数に直結しやすい要素といえるでしょう。



 

3-4 採用マーケティングを強化する

「応募が来るのを待つ」のではなく、ターゲットとなる人材に自社の魅力を能動的に届ける「採用マーケティング」の考え方が重要です。

自社ブログやSNSでの情報発信を通じて企業の認知度を高め、「いつか転職するならこの会社」と想起してもらえる状態をつくることで、長期的に採用コストを抑えることが可能になります。



 

3-5 リファラル採用やアルムナイ採用を促進する

社員紹介(リファラル)や退職者の再雇用(アルムナイ)による採用は、外部コストを大幅に抑えられる有効な手法です。

紹介者が社風や業務内容を事前に伝えることでミスマッチが起こりにくく、入社後の定着率も高い傾向があります。

 

リファラル採用では紹介した社員へのインセンティブが発生しますが、人材紹介手数料と比較すれば格段に低コストです。制度を社内に周知し、「紹介しやすい雰囲気」を醸成することが成功の鍵となるでしょう。



 

3-6 ソーシャルリクルーティングに取り組む

X(旧Twitter)やInstagram、LinkedInなどのSNSを活用した採用活動は、低コストで幅広い層にアプローチできる手法です。

企業の日常や社員の声を発信することで、求人広告だけでは伝わりにくい企業文化や働く環境のリアルな姿を届けられます。

 

特に若手人材の獲得を目指す場合、SNSでの情報収集が就職活動の一部となっている世代には効果的なアプローチとなるでしょう。



 

3-7 選考プロセスを短縮する

選考期間が長引くほど、優秀な候補者は他社に流れてしまいます。

面接回数の見直しやオンライン面接の活用、面接官のスケジュール調整の効率化などにより選考スピードを上げることで、内定辞退率の低下と採用担当者の工数削減を同時に実現できます。

 

ただし、採用までのスピードを上げたいあまり、内定承諾を急かす、他の内定を断るように強く迫る(新卒採用でいう「オワハラ」など)ようなことは逆効果どころか、口コミで悪い評判が広がりかねないので厳禁です。短縮するのは「自社内の」プロセスに限りましょう。



 

3-8 ミスマッチを防止する

「誰でもいいから採用したい」という姿勢は、結果的にミスマッチを生み、コスト増加の原因になります。

 

求める人材像(ペルソナ)を明確に設定し、求人情報に自社のリアルな情報を十分に盛り込むことが重要です。面接では候補者の希望と自社の実態をすり合わせ、双方が納得した上で入社を決められる環境を整えましょう。

 

 

3-9 入社承諾後のフォローを徹底する

内定を出した後の辞退は、それまでにかけた選考コストがすべてムダになることを意味します。

内定から入社までの期間に定期的な連絡や懇親会、先輩社員との交流機会を設けることで、候補者の不安を解消し、入社への意欲を維持することが大切です。

 

近年は内定辞退率の上昇も課題となっており、「承諾後のフォロー」は採用コスト削減の観点からも見過ごせない施策です。

とはいえ、まだ入社もしないうちから頻繁に企業に呼び出される、というのも内定者の意欲を削ぐことがありますので、フォローの頻度やその内容にも工夫が必要です。

 

内定者向けのニュースレターやメルマガ配信、電話連絡などで会社の最新情報やイベントの案内を行ったり、入社後の不安などにつき相談できる体制を整えたりする企業もあります。

自社従業員が利用している福利厚生パッケージサービスを内定者にも開放し、入社後の雰囲気を感じてもらうなどの施策も有効でしょう。

 

 

3-10 助成金を活用する

厚生労働省が設けている各種助成金制度を活用することで、採用や人材定着にかかるコストの一部を国から補助してもらえる場合があります。

 

たとえば「人材確保等支援助成金(雇用管理制度・雇用環境整備助成コース)」では、賃金規定や人事評価制度の整備、健康づくり制度の導入などにより離職率の低下を実現した事業主に対して助成金が支給されます。

また、「人材開発支援助成金」では従業員の教育訓練にかかる経費や賃金の一部が助成され、スキルアップによる定着率向上も期待できるでしょう。

 

助成金制度は年度ごとに内容が変更されることがあるため、最新の情報を厚生労働省のホームページで確認することをおすすめします。

 

参考:人材確保等支援助成金(厚生労働省)

 

4.採用にも定着にも効く施策は?

採用コストを根本的に見直すなら、「採用」と「定着」の両方に効果を発揮する福利厚生の充実を検討すべきでしょう。

 

転職活動の際に福利厚生を重視する求職者は8割以上にのぼるともされており、充実した福利厚生は採用時の大きな差別化要因となります。

給与だけでなく「この会社で働き続けたい」と感じられる環境があれば、離職率の低下にもつながり、採用コストの二重発生を防げます。

 

具体的には、健康診断の充実や人間ドック補助といったヘルスケア支援、資格取得費用の補助やリスキリング支援などのスキルアップ制度、リフレッシュ休暇やフレックスタイムなどのワークライフバランス支援、そして財形貯蓄や企業型確定拠出年金といった資産形成支援などの制度を導入していくことが効果的です。

 

また、近年は「第3の賃上げ®」(※注)として福利厚生の充実が注目されています。

 

※注:「第3の賃上げ®」とは

定期昇給(第1の賃上げ)、ベースアップ(第2の賃上げ)に続く賃上げ手法として、福利厚生制度の充実を通じて従業員の生活を支え、金銭給付によらない実質的な手取り増を目指す取り組みのこと

「第3の賃上げ®」は株式会社エデンレッドジャパンの登録商標です。

 

福利厚生として従業員に手当や割引、補助などを提供すれば非課税で受け取れる場合も多く、同じ企業負担額でも給与を上げるより大きなメリットを従業員に届けられるケースがあります。賃上げが固定費の恒常的な増加となるのに対し、福利厚生は経営状況に応じた調整がしやすい点もメリットといえるでしょう。

 

ただし、福利厚生は「導入すれば終わり」ではありません。定期的に従業員のニーズを調査し、利用率の低い制度は見直していくことで、はじめて採用力と定着力の両方を高める武器になります。

また、福利厚生は分かりやすく求職者にアピールできるポイントではありますが、その中身が外部には伝わりにくい場合もあります。自社ホームページに掲載したり、採用場面で分かりやすく伝えたりと、積極的にアピールしていく必要があります。



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5.まとめ

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採用コストの削減は、単に費用を切り詰めることではなく、採用の質を維持・向上させながら効率化を図る取り組みです。

 

少子高齢化や採用チャネルの多様化により、採用コストは今後も上昇を続ける見通しです。この流れに対応するためには、採用手法の最適化や選考プロセスの効率化といった「攻め」の施策と、定着率の向上による離職コスト削減という「守り」の施策を両輪で進めることが欠かせません。

 

特に、福利厚生の充実は採用と定着の両面に作用する効果的な投資です。求職者にとっての企業の魅力を高め、入社後は「この会社で長く働きたい」という動機づけにもなります。採用コストの削減を目指しながら、同時に従業員満足度の向上と企業の競争力強化を実現していきましょう。

 

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著者情報

株式会社イーウェル ウェルナレ事務局

「人も、企業も、ウェルビーイングへ。」をテーマとして、企業の健康経営や福利厚生の支援を行う株式会社イーウェルが運営する、BtoB(人事総務向け)オウンドメディア「ウェルナレ」の編集部。
2021年7月にメディアリリース後、毎年60回以上、有名企業様とのコラボセミナーや官公庁の専門分野に特化した方を招いてのカンファレンス、大学教授による福利厚生勉強会の開催や専門家記事の掲載などを実施し、多くの方に好評いただいております。
人事部署や経営者が、会社のウェルビーイングを向上されるためのヒントを探して、日々活動しています。

運営会社:株式会社イーウェル

 


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