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2024/03/01 (公開:2022/05/11)

ホラクラシー組織の導入の注意点や事例を紹介


ホラクラシー組織の導入の注意点や事例を紹介

「ホラクラシー」(holacracy)という言葉の語源は、「ホラーキー」の構造と、ガバナンス方法を示す「-cracy」を組み合わせた造語となります。Holacracy One社を創業したブライアン・J・ロバートソン(Brian J. Robertson)が提唱した概念だと言われています。各単語の意味は以下の通りです。

  •  holarchy (ホラーキー):ホロン(それ自体で全体としての性質を持つが、より大きな全体の部分になっているもの)同士の結びつきによる構造
  • -cracy:~による支配

ホラクラシーの概念とは「分散型の管理と組織統治の方法であり、管理階層に帰属するのではなく、自己組織化チームの全体を通して権限と意思決定を分散させる」というものです。皆さんはこの説明で、ホラクラシーが具体的にどのようなものか理解できますか。


従来の組織管理体制・経営手法は中央集権型・階層型のヒエラルキー構造に基づくもので、具体的には会社が主任、係長、課長、次長、部長の序列で構成されている組織などを指します。本記事では、そのヒエラルキー構造に代わる、「ホラクラシー」という新しい組織管理体制・経営手法のメリットや事例などについて、詳細を解説していきます。

         

1.ホラクラシー組織とは?

ホラクラシー組織とは、社内に役職や階級などの区別がなく、全社員が平等な権限を持つ、フラットな組織構造のことを指しています。管理職と一般社員、上司と部下といった上下関係が一切存在せず、社員は役割によって業務や権限が決定します。よって、ホラクラシー組織の特徴は、意思決定権が組織内の個々人に分散される点となります。

 

組織内に上下関係がないため、社員全員が対等な関係となり、意思決定権も社員である各メンバーやチーム・グループに分散されます。さらに各メンバーがより大きな裁量を持って主体的に仕事に取り組めるようになり、組織が自立・強化するため、効率的に組織のマネジメントをおこなうことが可能となります。

 

ホラクラシー組織とは「決まりのない自由でフラットな構造」というわけではありません。従来のヒエラルキー組織のような「人による管理」ではなく、「ルールによる管理」がホラクラシー組織の本質となります。各部署の決定事項に管理職が関与しないのは確かですが、それぞれの役割ごとに明文化されたルールや決まりが存在し、それに基づいて意思決定が求められるのです。

 

※以後、ホラクラシー組織およびティール組織の解説では社員(従業員)の総称を「メンバー」と統一します。

          

1-1 ホラクラシー組織が注目された背景

ホラクラシー組織は、従来のヒエラルキー組織における問題点を解決するために考案され、欧米を中心に広がりをみせています。社長や役員、上司のみが意思決定権を持つヒエラルキー組織では、決定までの時間、決定してから現場に浸透するまで、多くの時間を要します。さらには、世の中の技術革新などによる急速な変化に対して、柔軟な対応が困難になってきたという背景もあります。

 

従来のヒエラルキー組織の問題点に起因して、社員の意見が経営に反映されないため、やる気をそがれてしまうという課題もありました。しかし、メンバーが意思決定権を持つホラクラシー組織においては、これらの課題を解決できるのではないかと期待されています。

ホラクラシー組織が注目されているもう一つの背景として、労働人口の減少による人材不足という問題があげられます。その人材不足を解消するために、社員のマネジメントにかかる業務の効率化をしたり、人間関係のストレス軽減をすることによる離職率低下を目指すなど、ホラクラシー組織に注目をしている企業が増えています。

多くの企業では、組織が世の中の変化に対応できる力を高めるため、社員の自発性ややる気を高めることが大きな課題となっています。それはホラクラシー組織という概念が注目されたきっかけにもなります。ただ、ホラクラシー組織を導入する際に注意しなければならないのは、なぜ導入するのかという目的を念頭に置き、自社にどのようなメリットを及ぼすのかということを熟考しなければなりません。

          

1-2 ティール組織との違い

ティール組織という言葉も、なかなか聞きなれない言葉だと思います。ティール組織とホラクラシー組織は、どちらも経営者や管理者が存在する従来の組織構造を廃止し、メンバー個々人が企業の成長などの目的に向けて、主体的に動くフラットな組織であることは同じです。

 

ただし、ティール組織とホラクラシー組織には明確な違いがあります。ホラクラシー組織が「ホラクラシー憲法」という厳密なルールのもとに、自由度が低く、実践的に運営されている経営手法に対し、ティール組織は明確なビジネスモデルもなく、ルール化もしてないため、自由度が高くなります。


※出典元 : noteプレミアム「ホラクラシー憲法 5.0 を和訳しました」

     https://note.com/nunukim/n/nb3c1ee638ee8

     GitHub, Inc「Initial beta release of Constitution v5.0」

     https://github.com/holacracyone/Holacracy-Constitution/releases/tag/v5.0-beta

 

ティール組織はメンバー一人ひとりが自立し、各人の診断によって機能する組織のことです。経営層からのトップダウンという従来の構造も維持しながら、企業が生き残るために、世の中の情勢とともに変化を繰り返す進化形の組織といえます。

     

1-3 ヒエラルキー組織との違い

ホラクラシー組織の概念と対極となるのがヒエラルキー組織です。ホラクラシー組織が分散型・非階層型の組織であるのに対し、ヒエラルキー組織は中央集権型・階層型の組織となります。ヒエラルキー組織では階級や役職などが明確に定められており、管理職やリーダーなどが意思決定などのマネジメントを行います。

ヒエラルキー組織は役職や階級がしっかりと区別され、従業員間に上下関係が存在するため、経営層が決定した経営方針やビジョンを基に、各従業員に指示が下り、従業員は指示に従って行動することとなります。また、ヒエラルキー組織では上層部など権限が大きい人に情報が集中するため役職や階級によって、取得する社内情報に格差が生じることもヒエラルキー組織の特徴です。
   


             

2.ホラクラシー組織のメリット

ここまでの説明でホラクラシー組織の概要や特徴は理解できましたか。ホラクラシー組織を導入した場合、どのようなメリットが得られるのか、ということも気になると思います。本章では具体的にホラクラシー組織のメリットについて解説します。

          

2-1 メリット① メンバーの主体性の向上

ホラクラシー組織では各メンバーに裁量権が与えられ、個人での意思決定が増加するため、より高い主体性が求められます。メンバーは上からの指示を待つのではなく、チーム内で意思決定を行い、自分の得意なことを生かしながら仕事を進められます。そのため、自身の「考える力」を主体的に発揮できる環境が整い、モチベーションもアップします。 

上下関係がないホラクラシー組織では、自身の意思をすぐに仕事に反映させやすいため、チームのメンバー各々が、主体性や自立心が育ちやすいと言われています。 
         

        

2-2 メリット② 意思決定の迅速化と業務効率化

ホラクラシー組織は、フラットな組織であることが特徴のため、上長への確認や承認をもらうワークフローが不要です。それは、チーム内で意思決定をおこなえるため、速やかな意思決定・実行ができるようになります。上層部への打診や承認を得たり、何度も会議をする工程が削減されるため、スピード感をもって事業を展開することが可能となるのです。

 

従来のヒエラルキー組織では、管理職が社員のマネジメントのために、膨大な手間が発生していますが、ホラクラシー組織はフラットな構成のため、管理業務が発生しません。たとえば、面談や部下の目標設定、人事評価、進捗管理、日報などの報告への対応など、管理職に求められる業務は多種多様です。しかし、ホラクラシー組織では、管理する側もされる側も両方の業務を削減でき、結果として業務効率化をさせることが大きなメリットとなるのです。

 

日々行っていた、これら膨大な管理業務の手間をなくすことで、「本来の必要な業務」に集中することができ、本来業務の作業を効率的に済ますことができます。その結果、迅速に企業の成長につなげられるようになります。

          

2-3 メリット③ 柔軟な組織運営

ホラクラシー組織では、管理職は不在です。そのため、タスクごとにチームを立てて、流動的に活動を行います。タスクはメンバーの役割ごとに切り分け、メンバーは「自分のやるべき業務」が明確になります。その結果、柔軟な組織運営が可能になるのです。

 

またホラクラシー組織では、チーム体制は構築するものの、管理職が存在しないため、各メンバーの業務範囲が厳格に限定されていません。タスクの目的に即したチーム編成を都度おこなうことができるため、人員を配置するなどの人員転換も臨機応変に対応できます。

 

このようなホラクシー組織では、メンバー個人が業務への高い意識が生まれ、意識の高い者同士のコミュニケーションも活性化します。そのような環境では多様な意見が生まれることも期待できます。

        

2-4 メリット④ ストレス軽減

2-2で解説した「意思決定の迅速化と業務効率化」が向上することにより、必然的にメンバーの生産性も向上し、ストレスも軽減されます。管理職は部下のマネジメント業務が不要になるため、本来の業務により多くのリソースを割くことができるようになります。組織内に上下関係がないことで、わずらわしい人間関係や社内政治に巻き込まれることもなくなり、ストレスが軽減することが期待できます。

 

部下の立場としても、絶対的な決定権を持った管理者が存在しないため、メンバーの発案で、一定の賛成を得られれば提案を経営に反映させることができます。これは、メンバーのモチベーションを高める効果と、ストレスを軽減させるメリットがあります。


              

3.ホラクラシー組織のデメリット

従来のヒエラルキー組織に馴染んでしまっている日本では、ホラクラシー組織を導入した場合に様々なデメリットも生じます。具体的にどのようなデメリットがあるのか、解説していきます。

          

3-1 デメリット① 組織の管理が困難

ホラクラシー組織には管理者やリーダーが存在しないため、メンバー一人ひとりを信頼して業務を任せなければなりません。メンバーが本当に業務を遂行しているのか、目標に向かって正しい方向に進んでいるのか、などをリアルタイムで把握することが難しく、導入における一番の懸念点となります。

 

このように、ホラクラシー組織は各個人の裁量にゆだねることを原則としているため、基本的に「性善説」の立場にたっています。「メンバーにはしっかりと行動してほしいが、もしかしたらサボる社員がいるかもしれない」などと疑うよりも、信頼する方が大事なのがホラクラシー組織なのです。

 

また、ホラクラシー組織はメンバーが主体性を持ち、目標達成のために最後までやり遂げることなので、メンバーがセルフマネジメントの能力を持ち、目標に対して責任を感じている状態でなければ、組織を維持することはできません。

            

3-2 デメリット② リスク管理が困難

ホラクラシー組織ではメンバー全員に公平に情報が与えられるため、機密情報の管理が難しくなります。従来のヒエラルキー組織では、経営陣のみが握っている機密情報も、すべてがオープンになるため、情報漏えいのリスクが大きくなるのです。特に、各チームが決定権をもっているため、会社にとってリスクの高い決定が行われる可能性もあるため、機密情報管理の対策が必須となります。

また、メンバーの管理を行わないため、メンバーの行動を把握することが難しくなり、社員の機密保持意識をどう持たせるかが、大きな課題となります。

        

3-3 デメリット③ 規模拡大が困難

ホラクラシー組織は、その企業の経営方針を理解して、自分で行動を起こせる主体性のある人材採用が必要となります。そのため、新しく人材を採用する際は、会社のビジョンや企業風土とフィットする人材を慎重に判断しなければならなく、従来の会社よりも時間も要します。

 

また、採用したとしてもホラクラシー組織に馴染むまでには、相応の時間が必要となります。よって、企業規模を拡大させるための大量採用や、現場での適応力が困難となり、企業の急激な規模拡大や、スピーディな成長は難易度が非常に高くなります。

 

起業したばかりの企業のように、少人数のメンバーでスタートするのであれば、社内の情報共有も安易に行われるため、ホラクラシー組織もうまく機能しやすいです。

 

ただし、社員数が数百人以上になる大きな企業の場合は、ホラクラシー組織が適切に機能しないこともあり得ます。タスクごとの少人数のチーム単位だと、最適な運用がされているように見えても、会社全体を統括して見た場合に、チームごとのいさかいや摩擦が起き、動きがバラバラとなり、マイナスに進んでしまうということも起こりえます。


        

4.ホラクラシー組織で求められる役割

従来のヒエラルキー組織には、管理職やリーダーが存在しますが、ホラクラシー組織には、役職も階級も存在しません。ホラクラシー組織では、メンバー一人ひとりが役割を分担して業務を遂行できるという充足感や、チームとしての一体感が得られやすい状況となります。

 

ただし、一般企業では当然のように存在する、マネジメント業務や人事評価をする社員がホラクラシー組織では存在しなくなるという課題もあります。。皆がチームの同じ立場に立っているとはいえ、誰かがその負担(役割)を担わなければならないというのも、ホラクラシー組織の現状です。

 

ホラクラシー組織では、役職や階級がない代わりに「ロール」と呼ばれる役割をメンバーに割り当てて、組織の運営を遂行しています。本章では、代表的な3つの役割を紹介します。

          

4-1 リードリンク

リードリンクとは、チームの全体的な方向性や戦略の立案、メンバーへのロール(役割)の割り当てや優先順位などをとりまとめ、決定する存在です。一般企業の組織にあてはめると、事業部長のようなもので、その責務は明確に定められています。リードリンクは管理職のようにも見えますが、あくまでも、人事や戦略の方向性を定める役割を請け負っているだけです。

【具体的な責務内容】

  • チームの戦略(方向性)、指標、優先度を提示する。
  • 能力、希望等を勘案し、各ロールにメンバーを任命する。
  • チームの持つリソースを、チーム内のロールに割り当てる。
           

4-2 ファシリテーター

ファシリテーターは名前の通り、チームでのミーティングにおける司会進行役でファシリテーションを行います。さらに、チームでの活動プロセスが組織のルールに正しく沿っているかをチェックし、調整を行う役割でもあります。

 

【具体的な責務内容】

  • ホラクラシー憲法で定められた会議を、憲法に則って進行する。
           

4-3 セクレタリー

セクレタリーは、チームにおいて取り交わされる情報の記録や、プロセスを円滑に行うため、ルールで定められた全ての記録を取る役割です。ミーティングの議事録を作成したり、会議のスケジュールを調整したりします。

 

【具体的な責務内容】

  • チームに必要と定められた会議を設定する。
  • 会議の記録を取る。
  • 要請に応じて、ガバナンスとホラクラシー憲法の解釈をする。

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5.ホラクラシー組織を導入する際の注意点


ホラクラシーは誤解されやすい概念といわれています。一見、自由な組織のように感じられますが、ホラクラシー組織には憲法(ルール)があるため、しっかりと中身を理解して、基本に則って導入を進めていかなければなりません。

導入の際は、ホラクラシー組織の基本に沿うことが何よりも重要なため、企業それぞれのオリジナル性は、導入後に追加・修正するのが理想となります。基本を理解しないまま、いろいろ詰め込んで進めてしまうと、せっかくのホラクラシー組織の良さを実感できないまま、なし崩しに終わってしまうかもしれません。

本章では「ホラクラシー組織」の真髄ともいえる、誤解されやすい点、注意点などを解説します。



          

5-1 注意点① 「自由な組織」というのは誤解

ホラクラシー組織でもっとも誤解されやすいのが「自由に何でもやっていい」という考えです。確かに「自由度」は高いですが、ホラクラシー組織では「ホラクラシー憲法」に則り、お金の決済や、権利移譲のプロセスが明記されており、チーム内ではこの憲法のもとで意思決定がされる仕組みになっています。よって、社内の秩序を保つためにも、個々が好きなように、すべてを自由に行うことができないことを理解しなければなりません。

 

前章で解説した通り、ホラクラシー組織のチーム内には「ファシリテーター」という業務の進行を管理する役職や、「リードリンク」という経営や人事を管理する役職が存在します。行動は適切に規制されているため、管理者がまったくいない組織ではないことをきちんと認識しておきましょう。

           

5-2 注意点② 役割と責任の所在の明確化

ホラクラシー組織をうまく機能させるためには、企業やチームの存在価値をしっかりとメンバー全員に浸透させることが必要となります。「企業として、何を目標とするのか」「チームの目的は何なのか」「各メンバーがどういったことを目標にして働くのか」などを明確にするのです。さらに、ホラクラシー組織は明文化された行動規範が設けられているため、社員はそれに従って自ら行動をしていかなければなりません。

 

これらの価値観の共有と行動規範の組織の中で、メンバーは自身の報酬を自分で決めたり、またはメンバー全員で話し合いにより決定します。誰がいくらもらっているのかという情報を、互いにオープンするのが一般的となっており、個人が納得できる金額でなければなりません。そのために、役割と責任の所在を明確にすることが重要なポイントとなります。

 

また、ホラクラシー型組織では上下がないため、それぞれの強みが自動的に生かせるような組織が形成されるとされています。そのためには、社員同士がコミュニケーションを密にとって、互いに成長していく仕組みづくりも重要となるのです。


           

5-3 注意点③ 組織に合わせた柔軟な対応

ホラクラシーは、アメリカで生まれた考え方のため、日本企業にホラクラシー組織の経営手法をそのまま移行するのは難しいかもしれません。まずは、経営陣がホラクラシー組織についてよく理解し、小さなチームやグループから取り入れるのがいいかもしれません。導入にあたっては、試行錯誤を繰り返しながら、社風や業種、業務形態にあった組織へと柔軟な形で始めるのが良いでしょう。

 

また、ホラクラシー組織を導入するのに適している業種は、日々進化を遂げているIT業界などが適しているのではないでしょうか。意思決定のスピードが速いホラクラシー組織と相性がいいかどうか、ホラクラシー組織を導入して失敗したとしても、リカバリーできる体制かどうかなど、柔軟に方向転換できるかということを、検討の手がかりとするのもいいかもしれません。


        

6.ホラクラシー組織を導入企業事例

ホラクラシー組織の歴史は浅く、現在、日本においてホラクラシー組織を導入している企業はかなり少ないようです。その少ない中でも、実際にホラクラシー組織を導入している企業はどのような企業なのかを見ていきたいと思います。

          

6-1 事例① 株式会社アトラエ

株式会社アトラエは、求人メディア「Green」やビジネスマッチングアプリ「yenta」などを運営している企業です。2016年には東証マザーズで上場も果たすなど、急成長している会社で、ホラクラシー型組織をいち早く実践してきました。

 

仕事はプロジェクトごとにチームを組んで進めており、各チームにはプロジェクトリーダーが存在しますが、単にプロジェクトリーダーという「役割」があるだけです。それぞれのチームの内容によって、誰が何をやるかはチーム内で決定しています。上から業務を割り当てる発想ではなく、時と場合など状況によって役割を変動する仕組みとしています。

 

社長も会社の長期的な目標について誰よりも考えるという役割をもっており、他のプロジェクトではメンバーの一人として貢献する場合もあるそうで、その時々で立場を変える仕組みとなっています。

 

特徴としては、毎週月曜日に全社員が参加する「朝会」をおこない、評価は自分が選出した5人によりおこなわれ、360度評価にくわえて、さらにアルゴリズムを導入することにより、評価の公平性を保つ仕組みが構築されているそうです。入社の際も、面接を5回おこない、自主性の高い人材を採用するよう努めています。

 

※出典元:

株式会社マネーフォワード「Bizpedia」 https://biz.moneyforward.com/blog/41700/

株式会社OKAN「おかんの給湯室」 https://okan-media.jp/holacracy/ 

DIO「上司と部下のいない世界ーーフラット型組織の実態」 https://get.wevox.io/media/atrae-think

           

6-2 事例② 株式会社OKAN

法人向けぷち社食サービス「オフィスおかん」などを手がける株式会社おかんは、2018年5月にこれまでのピラミッド型の組織体制から、リーダーを置かないフラットな組織体制に変革を行いました。

 

それまでの課題として、事業が成長して、組織も拡大している中で、「部門間の分断」が一定数発生しており、以前と比べると意思決定のスピード感が落ちてきているという課題があがりました。その本当の問題は組織体制ではないか、というところから結論に至ったそうです。

 

特徴は、ホラクラシーへの移行をするために、1カ月間にわたり全社会議を実施し、さまざまなプロセスを経て、従業員全員が納得して体制変更がなされたということです。CEOの直下に各チームを置き、チームごとに意思決定をおこなえる体制が採用されました。

 

※出展元:DIO「組織成長のためにピラミッド型やめる? -おかんがフラットな組織体制に変えたワケ-」https://wevox.io/media/dio_story_okan/

        

7.まとめ

本記事にて、このホラクラシー組織の解説を読まれたほとんどの方は、「実現できればいいけど、本当にうまくいくのだろうか?今の会社の組織運営でも十分ではないか」などと机上の空論に思われたかもしれません。

 

ホラクラシー組織は近年になって広まり出した組織形態のため、認知度はあまり高くなく、その管理手法については、まだまだ発展途上の段階にあります。また、その組織運営の方法も独特なもとなるため、思い通りに業務が回るのか疑問視される方も多いと思います。

 

しかしながら、実際にホラクラシー経営をおこなって業績を上げている会社があるのも事実です。自立心があり、主体性が高い能力のある社員を多く抱えている企業にとっては、決して机上の空論ではなく、うまく軌道に乗れば飛躍的な成長につながる可能性もあります。

 

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著者情報

株式会社イーウェル ウェルナレ事務局

「人も、企業も、ウェルビーイングへ。」をテーマとして、企業の健康経営や福利厚生の支援を行う株式会社イーウェルが運営する、BtoB(人事総務向け)オウンドメディア「ウェルナレ」の編集部。
2021年7月にメディアリリース後、毎年60回以上、有名企業様とのコラボセミナーや官公庁の専門分野に特化した方を招いてのカンファレンス、大学教授による福利厚生勉強会の開催や専門家記事の掲載などを実施し、多くの方に好評いただいております。
人事部署や経営者が、会社のウェルビーイングを向上されるためのヒントを探して、日々活動しています。

 

    

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