福利厚生サービスの費用相場とは?料金体系や導入コスト、選び方を解説
目次
1.福利厚生にかかる費用とは
福利厚生費とは、企業が従業員の生活や働きやすさを支えるために負担する費用です。法律で企業に負担が義務付けられている費用だけでなく、企業が独自に設ける制度にかかる費用も含まれます。
近年は、人材不足や採用競争の激化を背景に、福利厚生を採用力や従業員の定着につなげようとする企業が増えています。また、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで中長期的な企業価値の向上を目指す人的資本経営の考え方が示されています。従業員が安心して働き続けるための環境整備という観点から、福利厚生も人的資本への投資の1つとして考えられます。
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1-1 福利厚生費とは
福利厚生費は、従業員の給与とは別に企業が負担する、従業員の生活や労働環境を支えるための費用です。法律によって企業に負担が義務付けられている法定福利費と、企業が任意で負担する法定外福利費に大別されます。
法定福利費には、健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料、労災保険料などの企業負担分が含まれます。これらは従業員の給与や保険料率などによって金額が変動するため、企業が自由に金額を設定できる費用ではありません。
一方、法定外福利費は、企業が独自に提供する福利厚生にかかる費用です。例として、住宅関連費、食事関連費、健康・医療費、娯楽関連費、慶弔見舞金などが挙げられます(出典元※1)
。
また、福利厚生サービスを外部企業に委託する場合は、サービスの利用料金も福利厚生にかかるコストとして考える必要があります。福利厚生サービスでは、企業が自社ですべての制度を用意するのではなく、外部事業者が提供する宿泊、レジャー、健康、育児・介護、自己啓発などを従業員に提供します。福利厚生の外部サービスは、自社で運用するリソースが限られている場合などに活用されています。
出典元※1:経団連「第64回 福利厚生費調査結果報告」
https://www.keidanren.or.jp/policy/2020/116.pdf(アクセス 2026/08/20)
1-2 福利厚生費が注目される理由
福利厚生が注目される背景として、まず、人材確保をめぐる企業間競争の激化が考えられます。給与や賞与だけでなく、働きやすさや仕事と生活の両立、法定外の健康支援などを含めて企業を選ぶ人が増えています。任意の福利厚生は、採用や定着を支える施策の1つとしてとらえられる傾向にあるでしょう。
特に、人材不足が深刻な企業では、採用した人材に長く働いてもらうような施策を講じることが重要です。福利厚生を整えて従業員が安心して働ける環境になれば、企業への満足度やエンゲージメントの向上が期待できます。
また、福利厚生は人的資本経営とも関係しています。経済産業省は、人的資本経営の定義を人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方としています(出典元※2)。福利厚生そのものが人的資本経営のすべてではありませんが、従業員の健康や生活、学び、仕事と家庭の両立を支える施策は、人材への投資という観点から重要性を増しています。
さらに、健康支援を目的とした福利厚生は健康経営とも結びつきます。健康経営とは、従業員などの健康管理を経営的な視点から考え、戦略的に実践する取り組みです。経済産業省は、健康への投資によって従業員の活力や生産性の向上、組織の活性化、企業価値の向上などにつながることが期待されるとしています(出典元※3)。
福利厚生費を単純な会社の支出として捉えるのではなく、どのような経営課題を解決するための費用なのか」という視点で考えることも重要です。
出典元※2:経済産業省「人的資本経営 ~人材の価値を最大限に引き出す~」https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinteki_shihon/index.html
出典元※3:経済産業省「健康経営」
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenko_keiei.html
2.福利厚生にかかる費用の相場
福利厚生にかかる費用は、法定福利費と法定外福利厚生費で大きく異なります。法定福利費は給与や賞与などを基準として算出されるため、従業員の給与水準や加入する制度、保険料率によって変動します(出典元※4)。
一方、法定外福利厚生費には一律の金額が決められているわけではありません。住宅手当や食事補助、レジャー支援など、どの制度を導入するかによって必要な費用は大きく変わります。また、外部の福利厚生サービスを導入する場合は、初期費用や月額利用料が発生するのが一般的です。
福利厚生費の相場を把握するときは、法定福利費、法定外福利厚生費、福利厚生サービスの利用料を分けて考えると分かりやすくなるでしょう。
出典元※4:厚生労働省「労働保険料の申告・納付」
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/daijin/hoken/980916_3.htm(アクセス 2026/08/20)
2-1 法定福利費の目安
法定福利費とは、企業が法律上負担することになっている社会保険料などの費用です。代表的なものとして、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険などがあります。
健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料は、制度や条件に応じて事業主と従業員が負担します。健康保険料、子ども・子育て支援金、厚生年金保険料、雇用保険料は従業員(労働者)と会社や事業主(使用者)が半分ずつ分担して支払う労使折半が基本です。
労災保険料は原則として事業主が全額負担します。労災保険は、業務上または通勤による労働者の傷病などに対して保険給付を行う制度です。労災保険料は、原則として事業主の負担する保険料によって賄われています(出典元※4)。
一方、法定福利費は、福利厚生サービスのように「1人あたり月額○円」と固定されているわけではありません。給与が高くなると、金額に応じて社会保険料の負担も変わります。また、健康保険料率などは加入する健康保険や地域によって異なる場合があります。
そのため、法定福利費を予算化するときは、従業員数だけでなく給与総額や各制度の保険料率をもとに試算する必要があります。企業全体の人件費を考える際には、給与だけでなく法定福利費も含めて把握することが重要です。
2-2 法定外福利厚生費の平均額
法定外福利厚生費には法律上の一律の基準がないため、企業によって負担額に大きな差があります。
参考までに、経団連の「第64回 福利厚生費調査結果報告」によると、2019年度の法定外福利厚生費は従業員1人1カ月当たり24,125円でした。一方、法定福利費は84,392円で、合計すると福利厚生費全体では1人1ヶ月あたり108,517円となっています(出典※1)。
また、企業規模によっても法定外福利厚生費には差があります。経団連の調査では、中小企業と大企業では法定外福利厚生費に差があり、中小企業では約15,000円、大企業では約25,000円とされています(出典※1)。
上記のように、福利厚生費は「企業は1人あたりいくら払うべき」という固定的な考え方ではなく、企業規模や従業員構成、経営方針などの複数の要素を加味して考えるものです。例えば、住宅手当を重視する企業と健康支援や食事補助を重視する企業では、同じ予算でも制度の内容は大きく変わるでしょう。
また、従業員数が少ない企業の場合、福利厚生に大きな予算をかけることが難しいケースもあります。外部の福利厚生サービスを活用し、少ない負担で幅広いメニューを提供する方法も視野に入るでしょう。
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2-3 福利厚生サービスの料金相場
福利厚生サービスの料金は、サービス会社やプラン、契約人数、提供内容によって異なります。一般的には、初期費用と月額利用料に分けて考えます。月額利用料については「従業員1人あたり○円」という料金体系が多く、契約人数が増えるほど1人あたりの料金が下がる場合もあります。一般的に、料金体系は大きく分けて「定額制」と「従量課金制」があります。
定額制は、契約した従業員数に応じて一定の月額料金を支払う方式です。利用者が多いか少ないかにかかわらず基本料金が発生するため、予算を立てやすい一方、利用率が低いと費用対効果が低下する可能性があります。
従量課金制は、実際の利用状況に応じて費用が変動する方式です。利用されていない分のコストを抑えやすい一方、利用が増えると費用も増えるため、料金の計算方法を事前に確認する必要があります。このほか、企業が一定額の補助金を設定し、従業員がその補助金を使って福利厚生メニューを利用する方式もあります。
福利厚生サービスの利用料金を比較するときは月額料金だけでなく、料金が発生する範囲まで確認することが大切です。
3.福利厚生サービスの種類と費用の違い
福利厚生サービスには、複数の福利厚生メニューをまとめて利用できるパッケージ型、企業がポイントを付与して従業員が選択するカフェテリアプラン型、特定分野に特化した専門特化型などがあります。それぞれ料金の考え方や企業側の運用負担が異なるため、費用だけを比較しても自社に合ったサービスは判断できません。
ここでは、福利厚生サービスの種類や費用感の違いを見ていきましょう。
3-1 パッケージ型
パッケージ型とは、企業の従業員が福利厚生サービス会社があらかじめ用意した複数のメニューを利用する仕組みです。
宿泊・旅行、レジャー、飲食、スポーツ、自己啓発、育児・介護、健康支援など、幅広い分野のサービスをまとめて利用できます。企業がそれぞれのサービス事業者と個別に契約する必要がないため、導入時の負担を抑えやすい点がメリットです。
また、利用手続きや問い合わせ対応などをサービス提供会社に任せられる場合もあり、人事・総務担当者の業務負担を軽減できます。費用は、従業員1人あたりの月額料金として設定されるケースが多く、契約人数やプランによって異なります。特に中小企業では、福利厚生のために専門の担当者を置くことが難しい場合もあるため、パッケージ型のアウトソーシングサービスは有力な候補となるでしょう。
3-2 カフェテリアプラン型
カフェテリアプラン型とは、企業が従業員に一定額のポイントや補助金を付与し、その範囲内で従業員が必要な福利厚生を選択する仕組みです(出典元※1)。
例えば、年間3万円分のポイントを付与し、従業員が自己啓発、育児、介護、旅行、健康増進など、自分に必要なメニューにポイントを使う、といった運用ができます。パッケージ型は提供会社が用意したメニューから選ぶのが基本ですが、カフェテリアプランでは企業が自社の方針に合わせて対象メニューや補助額を設計できます。従業員の多様なニーズに対応しやすいことが大きなメリットです。特に従業員数が多い企業や、福利厚生を自社の人材戦略と結び付けて設計したい企業に適しているでしょう。
一方、ポイントの付与方法や対象者、利用対象となるサービス、申請方法などを決める必要があります。制度設計や利用状況の管理にも一定の手間がかかるため、パッケージ型より運用負担が大きくなりやすい点は注意が必要です。
3-3 専門特化型サービス
専門特化型サービスは、食事補助、健康支援、育児・介護、学習支援など、特定の分野に重点を置いた福利厚生サービスです。例えば、従業員の健康課題を解決したい企業は健康支援サービス、ランチ代の負担軽減を重視する企業は食事補助サービスを導入する方法があります。総合型のパッケージサービスと比べると提供範囲は限定されますが、その分、自社の課題に合った福利厚生を導入しやすい点が特徴です。「福利厚生を幅広く充実させたい」のではなく、「まずは従業員の食事負担を軽減したい」「健康経営を強化したい」といった明確な目的がある企業に向いています。
また、総合型サービスを導入したうえで、専門特化型サービスを追加する方法もあります。パッケージ型サービスで宿泊、レジャー、自己啓発などの基本的な福利厚生を整えたうえで、食事補助や健康支援を別途導入する、といった方法です。
福利厚生サービスは必ずしも1つに絞る必要はありません。自社の予算や課題に合わせて組み合わせることで、限られた費用を有効活用できます。
4.福利厚生サービスの費用対効果を左右するポイント
福利厚生サービスを選ぶときは、料金の安さだけで判断しないことが重要です。月額料金が安くても、従業員に利用されなければ、企業にとっては十分な価値を生み出せません。
反対に、料金がやや高くても、従業員が日常的に利用し、人事担当者の業務負担まで軽減できるのであれば、結果として費用対効果が高くなる可能性があります。
そのため、費用対効果を考えるときは「いくら払うか」だけでなく、「いくらの価値を生み出せるか」という視点が必要です。
4-1 料金体系・従業員数
まず確認したいのが、料金体系と従業員数です。福利厚生サービスでは、初期費用、月額料金、従業員1人あたりの利用料、オプション料金などが発生する場合があります。
例えば、従業員100人の企業で1人あたり月額500円のサービスを利用する場合、基本料金だけで月5万円、年間では60万円になります。ここに初期費用やオプション費用、企業独自の補助金などが加わると、実際の年間コストはさらに変わります。
一方、契約人数が増えると1人あたりの料金が下がる料金体系もあります。WELBOXでは、99名以下は1人あたり月額600円、100名以上1,000名未満は500円、1,000名以上は400円という料金設定が公表されています。
そのため、自社の従業員数で契約した場合に年間いくらになるのかを試算することが大切です。正社員だけを対象にするのか、パート・アルバイトや契約社員も対象にするのかによっても費用は変わります。見積もりを依頼するときは、対象人数、最低契約人数、契約期間、更新条件、途中解約の条件なども確認しておきましょう。
4-2 提供サービス・サポート体制
料金と同時に確認したいのが、提供されるサービスとサポート体制です。福利厚生サービスのメニュー数が多くても、自社の従業員が利用しなければ費用対効果は高まりません。
例えば、若い従業員が多い企業では、レジャーや飲食、自己啓発などのニーズが高い可能性があります。一方、子育て世代が多い企業では、育児支援や家事支援、子どもの教育関連サービスなどが求められるケースが多いでしょう。「何万件のサービスがあるか」ではなく、「自社の従業員が使えるサービスがどれだけあるか」を確認することが重要です。
特に、地方拠点を持つ企業や多様な働き方を推進する企業では、居住エリアによる福利厚生の格差が課題になりがちです。WELBOXは、日常生活に密着した店舗優待やデリバリー割引から、全国の宿泊施設まで、約180万件の多様な提携メニューを揃えています。
地域別の満足度調査においても、「北海道・東北」「関東」「中部」「近畿」の全主要エリアで満足度1位もしくは同等の評価を獲得しており、すべての従業員に公平で質の高い価値を提供できるでしょう。
また、管理機能や導入支援も費用対効果を左右します。導入時の説明会、従業員向けの案内資料、専用サイト、問い合わせ窓口、利用状況のレポートなどがあれば、人事担当者が個別に対応する手間を抑えられます。
従業員と企業の双方にとって、企業福利厚生サービスは導入前の制度設計だけでなく、導入後の利用促進や改善提案まで含めたサポート体制を確認することが重要です。
4-3 利用率・費用対効果
福利厚生は、制度を用意するだけでは十分な効果を発揮しません。従業員が実際に利用して初めて、福利厚生にかけた費用が従業員への価値として還元されます。例えば、年間100万円を福利厚生サービスに支払っていても、利用者がごく一部の場合、従業員全体への効果は限定的です。一方、日常的に多くの従業員が利用していれば、同じ100万円でも一人ひとりが受け取るメリットは大きくなります。
サービスを選定する時には、
- 利用率の実績
- 利用状況を確認できる機能
- 利用促進のサポート
があるか確認しましょう。
福利厚生サービスは導入して終わりではなく、どの程度利用されているかを確認しながら改善する必要があります。
5.福利厚生サービスを導入するメリット
福利厚生サービスを導入すると、自社で福利厚生制度を1つひとつ整備するよりも効率的に、幅広いサービスを従業員へ提供できます。特に、限られた人事・総務リソースで福利厚生を充実させたい企業にとって、外部サービスの活用は有力な候補になるでしょう。
以下で、福利厚生サービスを導入するメリットを詳しく見ていきましょう。
5-1 コストを抑えられる
福利厚生サービスを利用すると、多数の企業が共同でサービスを利用するスケールメリットを活用できます。自社で宿泊施設やレジャー施設、スポーツクラブ、自己啓発サービスなどと個別に契約する場合、契約交渉や利用条件の管理などに多くの手間がかかります。福利厚生サービスであれば、すでに多数の事業者と提携しているため、1つの契約で多様なメニューを提供できるでしょう。
また、中小企業の場合、大企業と同じ規模で福利厚生制度を整えることは難しい場合があります。しかし、外部サービスを利用すると、自社だけでは契約が難しいサービスもまとめて提供できます。結果として、限られた予算で福利厚生の選択肢を広げやすくなるでしょう。
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5-2 人事業務の負担を軽減できる
福利厚生を自社で運用する場合、
- 制度の企画や契約
- 利用申請の受付
- 問い合わせ対応
- 利用状況の確認
など、多くの業務が発生します。特に、複数の福利厚生を導入すると、それぞれの契約先を管理する必要があり、人事・総務担当者の負担が大きくなります。
福利厚生サービスを利用すると、このような業務の一部を外部に委託できます。例えば、従業員からの問い合わせをサービス提供会社が対応したり、利用状況をレポートとして提供したりすると、企業側の管理業務を効率化できます。福利厚生サービスの料金を比較するときは、単純な利用料だけでなく、担当者が費やす時間や人件費まで含めて考えましょう。
5-3 採用・定着・従業員満足度の向上につながる
福利厚生を充実させると、従業員が働きやすい環境を整えられます。育児や介護と仕事を両立しやすい制度があれば、ライフイベントによる離職を防ぎやすくなるでしょう。また、健康支援や自己啓発の機会を提供することで、従業員の働きやすさや成長を支援できます。
さらに、採用活動において福利厚生を企業の魅力として訴求することも可能です。ただし、福利厚生があるから必ず採用力が高まるわけではありません。自社が求める人材にとって価値のある制度を整えましょう。健康支援を例に考えてみると、健康経営では従業員の健康保持・増進を経営上の施策として位置付け、組織の活性化や生産性向上、企業価値向上などをもたらすことが期待されています。
福利厚生は、従業員の生活を支えるだけでなく、企業が人材を採用し、長く活躍してもらうための環境づくりにも活用できるでしょう。
6.福利厚生費を抑えるポイント
福利厚生費を抑えるときに重要なのは、単純に制度を減らすことではありません。利用されていない制度を見直したり、複数の制度をまとめて効率化したりすると、従業員へのメリットを維持しながらコストを抑えられます。
「福利厚生費をいくら削減するか」ではなく、「限られた予算でどれだけ従業員に価値を提供できるか」という視点が必要です。
6-1 自社運用とアウトソーシングを比較する
どちらが安いかを判断するときは、外部サービスの料金だけでなく、自社で運用する場合に必要となる人件費や管理工数も含めて比較しましょう。
福利厚生制度を自社で運用する場合、サービス利用料そのものは抑えられる可能性がありますが、担当者が制度設計や契約、問い合わせ対応、利用状況の確認などを行う必要があります。一方で、アウトソーシングを利用するとサービス利用料は発生しますが、企業側の業務負担を軽減できます。
福利厚生サービスの料金を新たに発生するコストと考えるのではなく、既存の運用コストを置き換える費用として比較すると、より実態に即した判断が可能です。
6-2 利用率の高い制度を優先する
福利厚生費の費用対効果を高めるには、利用率の高い制度を優先することも重要です。例えば、従業員の多くが日常的に利用できる食事補助や健康支援、通勤支援などは、利用機会が少ない制度と比べてメリットを実感してもらいやすい傾向があります。しかし、特定の従業員しか利用しない制度を多数導入すると、全体としての利用率が低下し、費用対効果を確認しにくくなることがあるでしょう。
福利厚生サービスの導入前には従業員アンケートなどを実施し、利用者がどのような福利厚生を求めているか把握しておくことが大切です。また、導入後は利用率を定期的に確認し、利用されていないメニューを見直しましょう。
6-3 補助制度や税制を活用する
福利厚生制度を整備するときは、利用できる税制や公的制度についても確認しておきましょう。
特に2026年4月からは、従業員への食事の現物支給に関する所得税の非課税限度額が引き上げられています。2026年4月1日以後に支給する食事について、企業負担分の非課税限度額は月額3,500円から7,500円へ引き上げられました(出典元※5)。
福利厚生費は、制度の内容や支給方法によって税務上の扱いが変わることがあります。以下で具体例を見てみましょう。
会社が従業員に食事を現物支給する場合、会社負担額が一定の条件を満たせば、従業員の給与として課税されない取り扱いが可能です。ただし、現金で食事代を補助する場合は取り扱いが異なり、原則として現金による食事代の補助は給与として課税されることになっています。
一方、社員旅行の場合、従業員の慰安を目的とした一般的なレクリエーション旅行は、一定の条件のもとで給与として課税されない場合があります。旅行の期間や参加割合、費用負担などを総合的に判断されて決まるものです。
また、従業員の慰安を目的とする社内行事や、一定の基準に基づいて支給される結婚祝、出産祝、香典、病気見舞いなどは、一定の条件のもとで福利厚生費として扱われる場合があります。
このように、福利厚生費を抑える際は、単純に支出額を減らすのではなく、税務上の取り扱いや公的制度を確認しながら、従業員にとって価値の高い制度へ予算を振り分けることが重要です。
出典元※5:国税庁「食事の現物支給に係る所得税の非課税限度額の引上げについて」
https://www.nta.go.jp/users/gensen/2026shokuji/index.htm
福利厚生アウトソーシングを導入する際、最も懸念されるのは、予算を計上したものの従業員に利用されず、コストがムダになる点ではないでしょうか。
パッケージ型サービスのWELBOXでは、このような課題を解決する精算型の補助金制度を提供します。あらかじめお預かりした補助金の原資は、年度末に実際の利用実績に基づいて精算され、未利用分は企業へ返金される仕組みです。
この精算型システムには、企業と従業員の双方に次のようなベネフィットがあります。
- ムダのない予算管理: 使われた分だけが請求されるため、利用率が低かった場合のコスト負担を最小限に抑えられます。
- 自社ならではの制度設計: 宿泊施設やライフイベントなどの利用価格を独自に上乗せして割り引けるため、自社独自の魅力的な福利厚生としてアピールできます。
従業員が予約する際も会員割引と企業の補助金追加割引がシステム上で自動適用されるため、人事が後日領収書を回収して精算するような手間の発生もありません。費用対効果を最大化し、ムダのない人材投資を実現しうる方法です。
7.福利厚生サービスおすすめ比較
福利厚生サービスには、それぞれ料金体系や提供メニュー、サポート体制などに違いがあります。以下で、代表的な福利厚生サービスを紹介します。
7-1 WELBOX
WELBOXは、株式会社イーウェルが提供する福利厚生サービスです。
宿泊、旅行、レジャー、グルメ、スポーツ・フィットネス、自己啓発、育児・介護、健康支援など、幅広いメニューを利用できます。公式サイトでは、介護・育児・自己啓発・健康増進・旅行・エンタメなど、多様な従業員ニーズに対応するサービスを提供しています。
特徴の1つは、料金とサービス内容のバランスです。現在公開されている法人向け料金では、月額運用費について、100名未満は1人あたり月額600円、100名以上1,000名未満は500円、1,000名以上5,000名未満は400円、5,000名以上の場合は300円という料金設定となっています(25名以下の場合は25名分の料金が発生)となっています。初期導入費用は人数規模によって異なるため、導入時には個別の見積もりが必要です。
また、企業側の運用を支援する機能も用意されています。導入後の利用状況を把握しやすい仕組みがあり、公式サイトでは他社サービスからWELBOXへ切り替えた企業の利用率向上事例も紹介されています。
福利厚生を単に用意するだけでなく、利用率を高めながら継続的に運用したい企業に適したサービスと言えるでしょう。
出典元:
WELBOX サービス紹介ページ
https://www.ewel.co.jp/products/welbox
株式会社イーウェル 企業情報
https://www.ewel.co.jp/company/
7-2 福利厚生倶楽部
福利厚生倶楽部は、株式会社リロクラブが提供する福利厚生アウトソーシングサービスです。
宿泊、レジャー、飲食、フィットネス、自己啓発、育児・介護、健康支援など幅広いサービスを提供しています。全国350万種以上のサービスメニューを利用でき、地域に密着したサービスも用意されているため、勤務地による福利厚生の格差を抑えやすいのが特徴です。
料金は、企業の人数規模や予算に応じてプランが設定される方式で、詳細は問い合わせが必要です。公式サイトでは別途初期費用が発生すると案内されています。
また、導入後の利用促進にも力を入れており、従業員が実際に利用することを重視した運用支援を行っています。地方拠点を含めて全国の従業員に福利厚生を提供したい企業や、宿泊・レジャーだけでなく育児・介護、健康など幅広い分野をカバーしたい企業に適しているでしょう。
出典元:
福利厚生倶楽部 公式サイト
https://www.reloclub.jp/fukuri/fukurikouseiclub/
株式会社リログループ IR情報
https://www.relo.jp/ir/
7-3 ベネフィット・ステーション
ベネフィット・ステーションは、株式会社ベネフィット・ワンが提供する総合福利厚生サービスです。グルメ、レジャー、ショッピングだけでなく、学習、育児、介護など幅広い分野の優待を利用できます。サービス数の多さは、従業員の年齢やライフスタイルが多様な企業にとって大きなメリットとなるでしょう。
例えば、若年層にはレジャーやエンターテインメント、子育て世代には育児や教育、高齢の家族を持つ従業員には介護サービスというように、それぞれ異なるニーズに対応できます。また、利用率の高さやサイトの使いやすさ、導入後のサポート体制を強みとして挙げています。
出典元:
ベネフィット・ステーション 公式サイト
https://bs.benefit-one.inc/
株式会社ベネフィット・ワン IRライブラリ
https://corp.benefit-one.co.jp/ir/library/
7-4 ライフサポート倶楽部
ライフサポート倶楽部は、リソルライフサポート株式会社が提供するパッケージ型の福利厚生サービスです。宿泊やレジャーだけでなく、健康、育児、介護、自己啓発、ショッピング、スポーツなど幅広いメニューを提供しています。特徴的なのが、利用状況に応じて費用を精算する仕組みです。基本料金として1人あたり月額350円(税別)が発生する一方、未利用分の基本料金を全額返還する「精算型モデル」を採用しており、費用を無駄にしない仕組みが特徴です。
また、入会金が不要であることや、導入後の利用促進、利用実績の報告などもサービス側で代行してもらえます。福利厚生にかかるコストを抑えながら、宿泊やレジャー、リーズナブルな月額料金で導入しやすく、少ない負担で幅広い制度を整えたい中小企業にもおすすめのサービスです。
出典:ライフサポート倶楽部 公式サイト
出典:リソルホールディングス株式会社 IR情報
8.費用対効果の高い福利厚生サービスを選ぶ方法
福利厚生サービスを選ぶときは、一番安いサービスを探すのではなく、自社にとって一番価値のあるサービスを探すことが重要です。
例えば、月額500円でも、従業員がほとんど使わなければ費用対効果は低くなります。一方、月額700円でも従業員の利用率が高く、人事担当者の業務負担まで削減できるサービスであれば、企業にとって十分な価値がある可能性があります。
8-1 導入目的を明確にする
まず、「なぜ福利厚生を充実させるのか」を明確にしましょう。
たとえば、
- 採用競争力を高めたい
- 従業員の定着率を高めたい
- 子育てや介護との両立を支援したい
- 健康経営を推進したい
- 人事・総務担当者の業務を効率化したい
- 従業員満足度を高めたい
など、企業によって目的は異なります。
採用力強化を目的にするのであれば、求職者にとって魅力のある福利厚生や、企業独自の制度を検討する必要があります。
健康経営を目的とするなら、健康診断、運動、食事、メンタルヘルスなど、従業員の健康を支援するメニューが充実しているサービスが有力な候補です。
育児や介護との両立を支援したい場合は、単に割引サービスがあるだけでなく、育児・介護に関する相談や生活支援まで受けられるかを確認するとよいでしょう。
導入目的を明確にしておけば、サービスの比較項目も絞り込みやすくなります。
8-2 価格だけで判断しない
福利厚生サービスを比較するとき、料金は重要な判断材料です。しかし、料金の安さだけで選ぶと、導入後に「思ったより使われない」「必要なサービスがない」「担当者の業務が減らない」といった問題が起こる可能性があります。
そのため、
- 初期費用はいくらか」
- 月額料金はいくらか
- 最低契約人数は何人か
- 追加料金は発生するか
- どの程度利用されているか
- 利用促進の支援はあるか
といった項目をまとめて比較しましょう。
さらに、長期的な費用対効果も考えることが大切です。例えば、福利厚生によって従業員の定着率が高まって離職によって発生する採用費や教育コストを抑えられると、福利厚生にかけた費用以上のメリットを得られる可能性があります。また、健康経営施策を通じた従業員の健康保持・増進に向けた取り組みの推進によって 、生産性向上につながることも考えられます。
もちろん、福利厚生サービスを導入しただけで離職率や利益率が必ず改善するわけではありません。重要なのは、福利厚生を自社の人材戦略や健康経営と結び付け、目的に対する成果を継続的に確認することです。
8-3 継続して利用されるサービスを選ぶ
福利厚生サービスの費用対効果を高めるうえで、特に重要なのが「継続して利用されるか」という視点です。どれだけ多くのサービスが用意されていても、従業員が使い方を理解できなかったり、自分に必要なサービスを見つけられなかったりすれば、利用率は上がりません。利用しやすさの観点から、専用アプリやWebサイトの使いやすさ、検索機能、申し込み方法なども確認しましょう。
また、導入時の説明会や社内周知、キャンペーンなど、利用促進の支援があるかも重要です。福利厚生サービスは導入して終わりではなく、利用促進や運用改善まで継続的に支援してもらえるかを確認することが重要です。
導入後は、利用率を定期的に確認し、従業員のニーズに合わせてメニューを見直しましょう。「どの制度が使われているか」「どの年代が使っているか」「どの制度がほとんど利用されていないか」などを把握すると、翌年度の福利厚生予算をより有効に配分できます。
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9.福利厚生サービスの費用に関するよくある質問
福利厚生サービスを導入する際には、月額料金だけでなく、税務上の扱いや最低契約人数、初期費用なども気になるところです。
ここでは、導入前によくある疑問について解説します。
9-1 福利厚生費は経費になる?
福利厚生にかかった費用がすべて自動的に「福利厚生費」として処理できるわけではありません。税務上は、支出の内容や対象者、金額、支給方法などによって取り扱いが異なります。
たとえば、従業員の慰安を目的として行う運動会、演芸会、旅行などの費用について、一定の条件を満たす場合は交際費等から除かれ、福利厚生費などとして扱われます。結婚祝、出産祝、香典、病気見舞いなどについても、一定の基準に従って支給される場合は福利厚生費となることがあります。
一方、特定の役員だけを対象とした制度や、従業員個人への給与とみなされる支給などは、別の税務上の取り扱いになる可能性があります(出典元※6)。
福利厚生制度を新設するときは、経理担当者や税理士などにも確認し、制度設計と税務処理を合わせて検討しましょう。
出典元※6:国税庁「〔給与等に係る経済的利益〕」
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/05/03.htm
9-2 福利厚生サービスは何人から導入できる?
最低契約人数は、福利厚生サービスによって異なります。少人数でも導入できるサービスがある一方、一定人数以上を条件としているサービスもあります。例えば、WELBOXでは99名以下の料金プランも公開されているため、少人数の企業でも料金を確認しながら検討できます。
従業員数が少ない企業は、問い合わせの際に
- 最低契約人数
- 最低料金
- 少人数向けプランの有無
を確認するといいでしょう。
9-3 初期費用は必ずかかる?
初期費用が発生するかどうかは、福利厚生サービスによって異なるため断定できません。月額料金だけで利用できるサービスもあれば、導入時に初期費用や登録費用などが必要なサービスもあります。初期導入費用は人数規模によって異なる、別途初期費用が発生する、などサービスによって異なります。
また、初期費用だけでなく、オプションサービス、企業独自の補助金、従業員向け冊子の作成、説明会などに追加費用がかかる場合もあります。比較する際は初期費用に加えて、初年度にかかる総額と2年目以降にかかる年間費用を分けて確認するといいでしょう。
9-4 給与を上げるのと福利厚生を充実させるのはどちらがよい?
給与と福利厚生のどちらを優先すべきかは、一概には決められません。給与は従業員が自由に使える金銭的なメリットが大きい一方、福利厚生には、個人で購入するより安くサービスを利用できたり、企業がまとめて提供することで幅広い支援を受けられたりするメリットがあります。また、育児・介護支援、健康支援、自己啓発などは、単純に給与を上げるだけでは代替できない場合があるでしょう。
一方、従業員にとって使い道が限られている福利厚生を増やしても、必ずしも満足度が高まるとは限りません。給与と福利厚生を対立するものとして考えるのではなく、両者を組み合わせて考えるようにしましょう。特に、福利厚生は従業員が本当に必要としている制度を選び、利用されているか把握することが大切です。
10.まとめ|福利厚生費は費用対効果を意識して選ぶことが重要
福利厚生費には、企業に義務付けられた法定福利費と、住宅手当・食事補助・健康支援などの法定外福利厚生費があります。法定外福利厚生として福利厚生サービスを導入する場合は、月額料金だけでなく、初期費用やオプション料金、最低契約人数、サポート体制まで確認しましょう。
福利厚生制度の費用対効果を高めるには、従業員のニーズに合っていて、実際に利用されるサービスを選ぶことが重要です。導入後も利用状況を確認し、必要に応じて制度を見直すことで、採用・定着や従業員満足度の向上につながります。福利厚生費を単なるコストではなく、人材への投資と捉え、自社の課題や従業員構成に合った制度を選びましょう。
介護・育児・自己啓発・健康増進・旅行やエンターテイメントなど、多彩なメニューがパッケージとなっている福利厚生サービスです。充実した福利厚生を目指すなら「WELBOX」
従業員のライフスタイル・ライフステージに応じて、メニューを選択しご利用いただくことが可能です。
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