「カフェテリアプランを導入したいが、どのメニューを非課税で運用できるかを知りたい」
「人気のメニューを用意したいが、課税扱いになって従業員の手取りが減ってしまうのは避けたい」
カフェテリアプランでは、メニューによって「非課税」で提供できるものと「課税対象(給与扱い)」になるものがあり、その区分を正しく理解して制度設計することが従業員満足度と節税効果の両立につながります。
本記事では、カフェテリアプランの課税・非課税の判断基準から、具体的なメニュー例、よくあるケースの取り扱い、課税時の計算方法まで詳しく解説します。
目次
カフェテリアプランとは、企業が従業員一人ひとりに一定のポイント(予算枠)を付与し、従業員は用意された福利厚生メニューの中から、そのポイントの範囲内で必要なメニューを自由に選んで利用できる制度です。「選択型福利厚生制度」とも呼ばれ、カフェテリアで好きな料理を選ぶように、用意されたメニューの中から自分のニーズに合ったものを組み合わせられることからこの名前がつけられました。
育児や介護費用に対する補助、住宅関連費用補助、自己啓発支援、健康診断や予防接種に対する補助、レジャー・宿泊補助など幅広いメニューから各自が選べるため、従業員のライフスタイルに合わせた福利厚生が実現できます。
カフェテリアプランの詳しい仕組みやメリットについては、選択型福利厚生制度って?~カフェテリアプランの仕組みとメリット・費用について解説~で詳しく紹介しています。
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運用面では、従業員が選んだメニューに対しポイント申請すると、企業側で内容や添付書類等に対し審査が行われます。申請が受理された場合は、基本的にポイント相当額が給与に加算され、現金で従業員に還元されます。
カフェテリアプランでは、ポイント分が給与に加算されて現金支給されるため、税務上の取り扱いは「非課税」と「課税扱い(給与扱い)」に分かれます。
カフェテリアプランの税務判断は次の2段階で行われます。
第1段階は「制度全体が福利厚生として認められるか」です。
以下の条件を満たす必要があります。
第2段階は「各メニューごとの課税・非課税判定」です。
制度全体が福利厚生として認められた後、メニューごとに課税・非課税を判定します。
令和8年度(2026年度)の税制改正大綱では、食事補助の非課税限度額が月額3,500円から7,500円へと倍増される方針が盛り込まれました。2026年度予算案で承認されれば、1984年から据え置かれてきた非課税枠が、物価高を背景に約42年ぶりに引き上げられる見通しです。
現行の食事補助制度が非課税となる要件は以下になります。
以下のような私的費用・娯楽性・換金性のあるメニューは課税対象となります。
リフレッシュ系メニュー(旅行費用補助、レジャー用品購入補助、映画館やスポーツ観戦チケット補助など)は、従業員の余暇や娯楽のための費用補助とみなされ課税対象となります。
自社製品の購入補助や商品券等も課税対象です。
家族の人間ドック費用補助も、従業員本人は非課税となる場合もありますが、家族分は課税扱いとなります。
課税対象となるメニューを提供した場合、その利用実績が給与課税の対象となり、結果として従業員の手取り給与が減る可能性があります。会社は制度運用にあたり、この点については従業員に周知しておく必要があります。
全従業員に公平に提供され、税法上で福利厚生費として認められているものは非課税となります。
医療費補助は人気の高いメニューで、所得税法上の医療費控除の範囲内の支出が対象です。
病院の診療費だけでなく市販薬や通院交通費、家族分の医療費も、メニューとして制定されていれば申請可能です。
介護費用補助も非課税で、介護保険の自己負担分なども対象になります。
昼食費補助は前述したとおり、一定条件(会社負担額は月3,500円まで、社員負担50%以上等。2026年1月現在)を満たせば非課税です。
永年勤続表彰ポイント(要件を満たすもの)や従業員本人の疾病予防補助(人間ドック・予防接種費用)も非課税にできる場合があります。
なお、課税・非課税の判断は複雑かつ所轄の税務署の判断によるところも大きいため、後から指摘を受けないよう、迷う場合は所轄税務署等に問い合わせておくと安心です。
すでに前の章でもご紹介したように、提供方法によって課税・非課税が分かれます。
社員食堂の運営や食券配布などで所得税基本通達の要件を満たす場合(会社負担額は月3,500円まで、社員負担50%以上等。2026年1月現在)は非課税です。
一方、社員に毎月一律の「食事手当」を現金支給するだけでは給与とみなされ、課税対象となります。
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会社が社宅や借上げ寮として住居を提供する場合、賃貸料相当額の50%以上を従業員から受け取っていれば会社負担分は非課税です。従業員負担が50%未満なら差額が課税されます。
従業員本人名義の賃貸物件への家賃補助(住宅手当)は社宅と認められず、全額が給与として課税されます。
公共交通機関利用の場合、最も経済的で合理的な経路の定期代相当額について月額15万円まで非課税です。
マイカー・自転車通勤の場合は通勤距離に応じて非課税上限が定められており、たとえば片道15~25kmなら月13,500円までが非課税となります。
非課税限度額を超える部分は給与として課税されます。
ただし、通勤手当は所得税の対象外ですが、社会保険料の計算対象(報酬)には算入されるため、その分保険料が高くなり、結果として手取りに影響する場合があるので注意が必要です。
課税対象となったメニューは現物給与とみなされ、給与に加算して課税されます。
たとえば従業員が「1万円分の商品券」を受け取った場合、月給30万円なら31万円を給与所得として課税計算に含めます。増えた1万円分に対して所得税・住民税が課税され、その税金分が手取りから差し引かれます。
割引利用型の補助も同様です。1万円のチケットを4,000円で購入できた場合、会社補填分6,000円が経済的利益として課税対象になります。実際に現金の受け渡しがなくても、税法上は6,000円を受け取ったのと同じ扱いです。
課税扱いとなった福利厚生は給与所得として他の給与と合算して課税されます。社会保険料の算定対象にも含まれる場合があるため、課税対象メニューを導入する際はこうした税コストも考慮して制度設計を行うことが大切です。
カフェテリアプランは従業員が必要な福利厚生メニューを自由に選択できるメリットがある一方で、税制を正しく理解して運用しないと本来のメリットが減少する可能性があります。
企業が制度を導入・運用する際は、制度の公平性を担保し現金同等物の支給をしないこと、そして医療費補助・介護補助・食事補助など非課税メニューの活用を優先することが鍵となります。課税となるレジャー補助や商品券類を提供する場合には事前に十分な説明を行いましょう。
食事補助の非課税枠拡大(3,500円→7,500円)など税制改正の動きもありますので、最新の税法や通達を常にチェックし、必要に応じて専門家のアドバイスを得ながら制度をブラッシュアップしていくことが大切です。
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企業が従業員に一定のポイント(補助枠) を付与し、従業員は企業ごとに設計されたメニューの範囲内で自由に選び、 利用できる選択型の福利厚生制度です。選択型福利厚生「カフェテリアプラン」