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電車通勤を楽しもう!~ながら運動で健康に!医師が実践する電車通勤で健康&キャリアアップのススメ~

産業医 メンタル法務主任者
中原 亮

 

だんだんと暖かくなって、春を感じますね。皆さん元気にお過ごしでしょうか?
もうすぐ新年度が始まります。新年度はどこに行っても人が多いですね。
筆者の学生時代、4月の大学の教室は席がなくなるほど混んでいました。ひと月もたてば、徐々に空いてきて座れるようになるのですが・・・。あれはどういうことだったのでしょうか?

 混むといえば、通勤電車ですね。4月から新社会人になる方も多いと思います。首都圏の電車通勤を初めて経験する人は是非参考にしてください。

今日は私の通勤の経験を踏まえて、『痛』勤地獄と揶揄されている電車通勤をいかに楽しむかということと、運動の関係についてご紹介したいと思います。

 WHOが2010年に発表した『健康のための身体活動に関する国際勧告』によると、身体活動不足が全世界の死亡の危険因子の第4位!ということでした。この発表をはじめて知ったとき、運動不足が健康に悪いということはもはや一般常識ですが、まさかここまでとは!と衝撃を受けたことを覚えています。

では、健康で長生きするにはどのような運動を、どのくらいすればよいのでしょうか?

 『健康づくりのための身体活動基準2013』によれば、働く世代の身体活動の基準は『歩行又はそれと同等以上の強度の身体活動を毎日60分行う』こととあります。

 長時間労働が取り沙汰され、皆さんは大忙しだと思います。仕事帰りにスポーツジムで毎日1時間汗を流すなんてテレビドラマみたいな生活はなかなか難しいものです。実際私もスポーツジムの幽霊会員だった経験があります。
では、どうすればよいのでしょう?そうだ、電車通勤があります!

 運動は無理なく、継続して、楽しむということが大切だと思います。では、やってやりましょう!
電車通勤という名のエクストリームスポーツで!

 ある時期、私は自宅から勤務先まで片道約90分かけて電車通勤をしていました。普通に考えたら辛いのですが、負けず嫌いで前向きな私は、電車通勤をスポーツだと思い、かつ勉強時間にあて資格を取ることにしました。あまり混んでいる電車に乗るのも嫌だったので、生活を朝型に変えました。

朝、家を出たら、早歩きで10分かけ駅へ。エスカレーターは使わずに階段で。
電車に乗るとつり革につかまり、電車が揺れるたびに足を踏ん張る。山場は渋谷駅での私鉄から埼京線までの乗り換えです。わかる!という方が必ずいると思うのですが、遠い!階段多い!人多い!の3重苦なのです。
動く歩道を使い移動する人を、自分の足だけで猛追していました。次の電車に乗る前、特に夏は汗がぽたぽた落ちるほどでした。そしてまた、電車に揺られ駅に着くと早歩きで職場まで10分。この通勤の間、資格試験の対策講義の音声を聞き続けました。職場でも、エレベーターはやめ、階段を使うことを徹底しました。

 効果はすぐに表れました。研修医時代にベスト体重より5~10キロほど増えていた体重ももとに戻りました。体力がつき、仕事のパフォーマンスもあがり、同じくらいハードに働いても感じる疲労感はかなり減りました。勉強していた資格試験も無事合格することが出来ました。健康診断の結果も、ほぼ全て基準値内です。

 いちばん記憶に残っているのは、仲間と初めて筑波山を登った時です。地方の総合病院に勤め、車通勤をしている友人が青い顔をしている横で、平然と登れる自分がいました。渋谷の階段!なかなかのものです。

 『健康づくりのための身体活動基準2013』によると、日常の身体活動量を増やすことで
循環器疾患・糖尿病・がんといった生活習慣病の発症及びこれらを原因として死亡に至るリスク、
ロコモティブシンドローム及び認知症などをきたすリスクを減らすことができ、加えてメンタルヘルス不調の一次予防となることが示されています。

 身体を動かすだけで、こんなにいいことがあるんですね!これらの結果は、忙しいビジネスパーソンも工夫次第で十分享受可能だと思います。『痛』勤地獄だって工夫しだいで、少しでも身体を動かし健康になるチャンスであり、資格試験の勉強にあてればキャリアアップだって可能なのです。

必要なのは、過酷な現実を楽しむユーモアなのです。そしてそれは、誰にでも可能なことなのです。

 今回は大変な電車通勤をしている人を応援したい気持ちで書きましたが、もちろん徒歩や自転車通勤だっていいんですよ。通勤は大変ですが、ユーモアでワクワクに、意味のあるものに変えようではありませんか!そして人生を楽しもうではありませんか!

この記事の講師

中原 亮


<略歴>

株式会社365tokyo 代表取締役 
産業医、メンタル法務主任者、日本麻酔科学会専門医
自分で経験していないことは、他人に指導できない!をモットーに現在自身で働き方改革、健康生活を実践中

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