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確実で効率的な情報収集のポイント
―新型コロナウイルスを例に―

労働衛生コンサルタント 日本産業衛生学会専門医
佐々木 由希世

連日の新型コロナウイルス対応お疲れ様です。

ところで皆さんは新型コロナウイルスに関する情報をどこから得ておられるでしょうか。

テレビ、新聞、インターネット、SNSなどさまざまだと思います。

巷には情報リソースが溢れており、どの情報を参考にすればよいのか、組織としてどう対策すればよいのか、個人としてどう行動したらよいのか…混乱している方もいらっしゃるかもしれません。この「情報過多」もまた悩みの一つですよね。

このような状況下の情報収集において大切な条件は

1)信頼できる組織から発信された情報であること

2)最新の情報であること

3)難しすぎない情報であること

そして

4)自身の困りごとに合致した情報であること

と思います。

 

今回はこれを踏まえ、企業での健康管理や福利厚生に携わっておられる皆さんにおすすめしたいサイトをご紹介します。

 

▶「新型コロナウイルス情報 企業と個人に求められる対策

(日本渡航医学会, 日本産業衛生学会 2020年3月2日作成)」

https://www.sanei.or.jp/images/contents/416/COVID-19info.pdf

 

▶「上記 Q&A版(2020年3月24日作成)」

https://www.sanei.or.jp/images/contents/416/COVID-19Q&A0324.pdf

この2つの資料を先の4つの条件に照らし合わせて見てみましょう。

 

1)信頼できる組織から発信された情報であること

日本渡航医学会は渡航に関した医療全般を対象とする学会で、輸入感染症である新型コロナウイルスについても早期に対策の提言を出しています。産業衛生学会は労働者の健康を守る産業保健の専門学会です。ともに信頼できる組織と言えましょう。

 

2)最新の情報であること

どちらも随時更新され作成日が表紙に明記してあります。数日ごとにこの2つのサイトをチェックすることで、最新の情報にアクセスできます。

 

3)難しすぎない情報であること

どちらも医療職ではない一般の方向けに作成されたもので、計15ページ程度の内容です。10分程度で読み終えることができるでしょう。

 

4)自身の困りごとに合致した情報であること

職場で起こりがちな困りごとが網羅されています。私がこれまでに産業医として受けた相談としてよくあるものは、

  *海外からの帰国者への対応

  *体調不良者が発生した時の対応

  *感染者や濃厚接触者が発生した時の対応

  *職場での消毒法

  *出張の制限

  *健康診断の延期の可否

  *マスク着用の有用性

などでした。これらへの回答が簡潔に記載されています。

 

今回は新型コロナウイルスを例に情報収集のポイントをお伝えしてきましたが、今後も他のテーマで健康情報を収集することがあるでしょう。その際にはぜひ産業医や保健師にも相談してみて下さい。

4つの条件の中でも特に3)と4)、つまり「どんな難易度を求めているか」「何に困っているか」産業医や保健師に正確に伝えることで、より皆さんにマッチした情報源を紹介してもらえると思います。

皆さんの健康をお祈りしております。

この記事の講師

佐々木 由希世

労働衛生コンサルタント 日本産業衛生学会専門医

(一財)日本予防医学協会所属

複数企業において産業医、健診医を担当


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