日本医師会認定産業医
労働衛生コンサルタント(保健衛生)
平井 康仁
「産業医の先生とどんな話をしたらいいんだろう、、、」と心配されている人事の方々もいらっしゃるのではないでしょうか。
産業医も同じ人間ですから、なんでも好きなことをお話し頂けたら良いと思うのですが、「何か話題があったほうが、、、」というご意見もあるかと思います。(個人的には、お酒の話でも、車やバイクの話でも、音楽でも、小説でも、アニメでもなんでも良いとは思っております)
そこで今回ご紹介するのは、「労働衛生のしおり」です。お値段なんと750円+税(令和4年版)。職場に一冊置いておいて、話題にするには格安ではないでしょうか。(私は一切関わっていないのでこの本が売れても一円も入りません、念の為。)
ただ、安いだけで役に立たないのでは困りますので、何が書いてあるのか、今回少しだけご紹介したいと思います。
例えば、労働災害の発生人数はどれくらいなのか、過重労働による脳・心臓疾患、精神障害等の労災補償支給決定件数はどのように推移しているのか、自殺者数はどのように推移しているのか、公的に公表されている数値を確認することができます。なかには、業種別に示されているものもあるので、大変参考になるのではないでしょうか。 「過重労働による労災はメンタルがすごく増えてきていますね」などとお声がけ頂くと、いくらでも話していただけるはずです。
今まさに、あるいは数年以内に、着目すべきトピックスについてまとめられています。他のページを読まなくとも、ここだけは読んでおいた方が良いとすらいえます。 例えば令和4年版では、「化学物質による労働災害防止のための新たな規制について」というトピックスが一番に挙げられていますが、大半の産業医はこの”フルモデルチェンジ”について大きな関心をもっているので、話を振っていただければ喜んで話をしていただけるのではないでしょうか。
読んで字の如く、規則やガイドラインなどがのっております。それだけではなく、令和3年〜4年の間に行われた改正が一覧になっているために非常に役立ちます。
すぐにでも使えようなところだけをピックアップしてご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。明日から使えそうでしょうか。産業医は仕事好きな人も多いので、仕事の話が結局一番盛り上がるかもしれません。
平井 康仁
【略歴】
2009年筑波大学医学専門学群卒業。
2015年筑波大学大学院修了。
東京都知事部局 精神科健康管理医、筑波大学医学医療系 助教・附属病院産業医、医局長などを歴任。
博士(医学)
日本医師会認定産業医、労働衛生コンサルタント(保健衛生)
社会医学系専門医・指導医
現在は産業医活動のみならず、コンサルティング業務にも従事。健康経営や生産性向上などに対して積極的投資を行う企業の活動支援を行っている。
■著書
平井康仁著(2021)『忙しい人のための公衆衛生 「なぜ?」から学ぶ保健・福祉・健康・感染対策』羊土社
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