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テレワークガイドライン改定~厚労省のチェックリストを活用して作業環境管理を~

 

日本医師会認定産業医
労働衛生コンサルタント
岩城 聡子

 

1.テレワークのガイドライン改定

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行が続いています。

日本国内でもコロナ対策の一環としてテレワークの導入が加速しましたが、そのメリットとデメリットについては十分に振り返る余裕がなかった企業も多いと思います。

厚生労働省はテレワークガイドラインの改定とともに、事業者向けに「テレワークを行う労働者の安全衛生を確保するためのチェックリスト」を、従業員に対しては「自宅等においてテレワークを行う際の作業環境を確認するためのチェックリスト」を策定しました。

参考:テレワークの適切な導入及び実施の推進のためのガイドライン
https://www.mhlw.go.jp/content/000759469.pdf   

2.テレワークの課題

今回はテレワークのメリットとデメリットを改めて振り返り、厚労省が改定したガイドラインならびに一連のチェックリストに触れたいと思います。

テレワークで働く人にとってのメリットとしては通勤時間の削減、業務の効率化、時間外労働の短縮、育児・介護と仕事の両立改善などが挙げられます。

一方、事業者にとってのメリットには業務効率化による生産性向上や育児・介護を理由とする従業員の離職防止、遠隔地の優秀な人材確保、オフィスコストの削減があります。

ただ、テレワークの問題や課題として労働時間の管理が難しい、長時間労働になりやすいという点が挙げられるでしょう。

3.テレワーク形態別特徴

テレワークは在宅勤務、サテライトオフィス勤務、モバイル勤務という3つの形態に分けられます。

在宅勤務の特徴は通勤の必要がなく、仕事と家庭の両立が実現しやすい一方で、作業環境にばらつきが生じやすい点があります。

サテライトオフィス勤務は通勤時間を短縮しつつ、作業環境が整った場所で就労が可能です。

モバイル勤務は移動時間を活用できるなど働く場所を柔軟にすることで業務の効率化を図ることができます。

4.在宅勤務における適切な作業環境

在宅勤務の適切な作業環境については下図が参考になります。



日頃から作業環境管理に関わっている産業保健スタッフにはよく知られている情報ではあるものの、照度の測定などには難しさもあります。

令和3年3月のテレワークガイドライン改定によって、上図の内容を簡単に確認することができるチェックリスト(000770194.xlsx (live.com))が策定されました。
このチェックリストを使用することで在宅勤務に関連する作業環境管理の不十分な点が可視化され、改善を図るきっかけになると思います。
チェックリストの確認項目があまり多くないことも導入しやすい点と言えるでしょう。

また、事業者向けのチェックリスト(000770193.xlsx (live.com))では作業環境管理や作業管理だけでなく、健康管理、メンタルヘルス対策、安全衛生教育、安全衛生管理体制など多岐にわたる内容を項目別に確認できるようになっています。
テレワーク導入で在宅勤務になった従業員の安全衛生の確保に有効なツールと考えられるでしょう。

 

 

この記事の講師

岩城 聡子

日本医師会認定産業医

労働衛生コンサルタント

 

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