1. TOP
  2. 健康経営
  3. 健康経営のつまづきポイント ~日本の健康経営の現状と課題とは?~
2024/01/11 (公開:2021/10/28)

健康経営のつまづきポイント ~日本の健康経営の現状と課題とは?~


健康経営のつまづきポイント ~日本の健康経営の現状と課題とは?~

近年、「健康経営」という言葉が当たり前のように使われるようになり、従業員の健康管理を経営戦略のひとつとして取り組んでいる企業が増えつつあります。本記事では世の中のトレンドとなっている「健康経営」について、現状はどのような取り組みが行われているのか、またメリットではなく課題はあるのか、などについて解説いたします。

 

1.日本の健康経営の現状は?

健康経営とは、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することにより、従業員の活力向上や生産性が向上し、それが組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上に結び付けられると期待されています。

「日本の人事部」の調査『人事白書調査レポート2020 新しい人事課題』によると、健康経営を実践している企業の状況が以下のようになりました。健康経営の認知度や重要性が高まる中、実際には取り組んでいる企業が少ないことがわかります。





また企業規模別では、実践している企業が大規模企業ほど高く、小規模の企業と大規模企業との間に大きな差が生じていることが判明しました。




なお、健康経営を実践している企業に期待する効果を確認したところ、「従業員満足度の向上」がトップで81.7%となりました。これは企業の規模に関係なく「従業員満足度の向上」が上位に来ています。



引用元::日本の人事部『人事白書調査レポート2020 新しい人事課題』

2.日本の健康経営の課題は?

健康経営のメリットというと、以下の様に良いイメージが思い浮かびますが、ここでは健康経営の注意すべき課題やデメリットについて解説いたします。 

 ■ 健康経営の良いイメージ 
  ・生産性の向上
  ・医療費の削減
  ・ブランドイメージの向上

 


2.1  課題① 効果が不明瞭

健康経営は長期的な取り組みとなるため、始めの頃は効果が見えづらく、取り組むことに大きな意味はあるのか、と思ってしまうこともあるかもしれません。しかし、長期的に取り組むことで、その効果は確実に目に見えるものとなります。

長期的な取り組みとなるため、担当者によっては苦難を強いられる場面もあるかもしれません。そのため健康経営を導入する際には、効果が見えづらいということを念頭に入れ、その上で施策を考えることが大切です

 

2.2  課題② 効果検証のためのデータ収集が困難

健康経営の効果検証をするにはデータ収集が必要となり、その作業は大きな負担となります。社員がデータをきちんと提出してくれたのか、そのデータが正確なものなのか、データを収集したのはいいけれど集計が大変など、様々なデメリットが発生します。

効率的にデータ収集を実施するためには、便利なアプリを導入するなど、費用面で大きな負担となり、躊躇してしまうこともあるかもしれません。効率的にデータ収集をすると費用がかさみ、便利になるとリスクもあり、また費用を抑えてデータ収集をすると大変な作業となるため、健康経営を実践に移すには大きな課題となるかもしれません

 

2.3  課題③ 取り組みにより社員の負担増の可能性

健康経営の取り組みは、通常業務が忙しい従業員にとっては、さらにやることが増え、結果としてそれが負担に感じることがあるかもしれません。時間外や休日の健康イベントや数値目標の設定をした取り組みなど、健康につながるとわかっていても、通常の業務に追加でやるべきことが増えることで、ストレスを感じてしまう従業員が出てくる可能性もあります。

従業員の健康維持や促進を見込んで健康経営に取り組んだことが、逆に社員のストレスや負担を増加させてしまっては意味のないものになってしまいます。よって従業員の負担が増さないように注意して、健康経営に取り組むことも大きな課題となります。様々な取り組みに魅力を感じて、全て実践してみたいと思ったとしても、要点を絞って取り組む方が、社員それぞれの負担が少なく効果も出やすいかもしれません



3.日本の健康経営の解決方法とは?

健康経営にはメリットだけではなく、取り組みの際に課題も発生する可能性があることを理解できたのではないでしょうか。ここでは、その課題を解決するためにはどのような方法があるのかを解説します

 

3.1 社内の課題に合致した設計

健康経営に取り組む際に、他社の事例を参考にしたり、世の中のトレンドを採用したりする方法もありますが、高い効果を出すためには、社内の課題に合わせた設定をすることが大切となります。そのためには、社内で取り組むべき課題を明確化し、そこを改善するために有効的な取り組みを検討すれば、より高い効果が期待できます。

例えば、長時間労働者が多い、高ストレス者が急に増えた、社員の定着率が悪い、過重労働者が多いなど、社内の状況に合わせて取り組む課題を見つけていくことが重要となります。まずは、課題に合わせた設定に対して、1つ1つ取り組んでいくことが効果を実感しやすくなります。そのためにも健康経営を実践する際は、課題を可視化し、テーマを定めることが大事なポイントとなります

 

3.2 目標やスケジュールの明確化

健康経営のように長期的な取り組みが必須な場合、まずは健康経営で取り組む課題を可視化し、その上で目標やスケジュールを明確にしておく必要があります。

目標は数値化することにより誰もが効果を感じやすく、スケジュールを設定しておくことで従業員が取り組みやすい環境へと導けます。月間目標や中間目標などが明確にされ、さらにスケジュール管理されていれば、施策に取り掛かりやすくなります

 

3.3  健康経営推進担当者の設置

まず健康経営を導入する際に大切なのは、健康経営を推進する担当者を選任することです。社内に専任の担当者がいることで、健康経営に対する社員の理解が得られやすくなり、社内の担当者が健康経営を推進することにより、前向きに取り組む社員も増えるかもしれません。

その際に、ただ担当者をつけるだけでは、担当者の負担が大きくなってしまうこともあるため、担当者の負荷を少なくするサポートをする手段を検討することも重要となります。そのため健康経営のプロを派遣したり、健康経営の勉強会やセミナーの参加なども重要になります。健康経営の担当者の負担を最小限にするためには、専門家による指導が重要となり、会社に産業医が設置されている場合は産業医の活用をされることをお薦めします



健康経営の第一歩からPDCAの循環まで「健康経営推進支援サービス」

健康経営を推進する上で必要な「健康経営度調査」「健康投資管理会計ガイドライン」などを活用して、貴社の健康経営の第一歩からPDCAを回していくお手伝いをするコンサルティングサービスです。

 

4.まとめ

健康経営の取り組みは、短絡的に見ればコストがかかり、人手も足りないなど,なかなか企業として実行しづらい側面もあります。また、社内風土に健康経営の考えが根付くまでには時間がかかるものです。

最初は各施策の認知度、参加率が悪くとも、頻度を高く施策を実施し、情報発信を継続していくことが重要となっていきます。長期的な目線で従業員が健康でいることによる生産性の向上や、企業イメージの向上などのメリットを鑑み、経営トップが健康経営の必要性を理解し、会社の方針として健康経営を積極的に取り組んでいくことが,健康経営を成功させる鍵になると考えられています

合わせて読みたい

株式会社イーウェル 運営会社ロゴ

著者情報

株式会社イーウェル ウェルナレ事務局

「人も、企業も、ウェルビーイングへ。」をテーマとして、企業の健康経営や福利厚生の支援を行う株式会社イーウェルが運営する、BtoB(人事総務向け)オウンドメディア「ウェルナレ」の編集部。
2021年7月にメディアリリース後、毎年60回以上、有名企業様とのコラボセミナーや官公庁の専門分野に特化した方を招いてのカンファレンス、大学教授による福利厚生勉強会の開催や専門家記事の掲載などを実施し、多くの方に好評いただいております。
人事部署や経営者が、会社のウェルビーイングを向上されるためのヒントを探して、日々活動しています。

 


Related keywords

Related article

Recommend

ダウンロード資料
♠最新人気ランキング♠

メルマガ登録

最新情報や
お役立ち資料を自動受信